進路・職業選びに必要な能力とは?②

2010年6月4日

進路・職業選びの段階で身につけておいて欲しい力、についてお伝えしているこのシリーズ。これまでお送りしてきたのは以下の2つのエントリーです。

将来を真剣に考えて進路選びを~七五三問題~
進路・職業選びに必要な能力とは?①

今回は、様々な人間がいろいろな地域から集まる「大学」や「社会」といった広い世界に飛び込んだ時に人間関係をスムーズに上手く構築出来るよう、若いうちから準備しておいてほしいことを整理してみたいと思います。

前回と同じく国立教育政策研究所生徒指導研究センターが作成した「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進に関する調査研究」という文書から該当部分を抜粋してご紹介します(クリックすると拡大します)。

人間関係形成能力

それぞれの教育段階に応じて身につけておくべき能力や態度が、具体的かつ段階的に示されていることがお分かりいただけると思います。

初期段階である小学校高学年では「自分の長所・短所を知る」ことが真っ先に挙げられています。その後、中学生ではもう少し突っ込んだ形で自分の個性を認識し、高校生になると自分の個性の中でどういった部分を伸ばしていくのか?どの部分を活かして職業を選ぶのか?といったところにまで発展させるのが理想的な流れとなっているようです。

まずは「自分の良いところ・悪いところ」を客観的に理解すること。これがすべてに通ずる第一歩とされています。

とある小学校では、教室の背面に生徒一人一人のポートフォリオを掲示し、そこに生徒たちが自由にコメントを書きこみあうことで、友達たちから見た自分の良いところなどを自覚させるだけでなく、友達の他人を見る見方を参考にさせることもでき、何よりも「人から見た自分」を意識させて普段の行動に落としこませる、ということに取り組まれています。

自分自身を知るのと同時に、自分の周りにいる人間の良いところ・悪いところを受け入れて、それを「個性」や「ユニークさ」としてとらえて受け入れることも必要になってきます。お互い認め合って大切にする、ということですね。それについても初期段階から意識させるべきであることが上の表で示されています。

インターネット、携帯電話・・・。現代はITの時代、といわれて久しくなりました。

人間同士が直接接触する機会が減っている分、一見すると人間関係が希薄になってきているようにも思えますが、コミュニケーションの手段自体は異なるものの、より多くの人たちと信頼を伴う人間関係を構築出来るかどうか、が今後の人生を大きく左右することにはなんら変わりはありません。

将来社会に出た時に適切な人間関係を構築できる人間でいられるよう、上の表を見て自分が出来ていないところから取り組んでいってはいかがでしょうか?

次のエントリーでは、現代に生きる者として必要不可欠な「情報活用能力」についてお話します。