近畿大 一般入試に向けて②

2010年1月13日 水曜日

前回の数学についての情報に続き、今回は公募推薦終了時点の各学部・学科の人気動向や昨年との倍率・合格最低点の違いなどをご紹介します。自分が受験予定の学部・学科の動向をつかみ、ここから約1カ月の対策に役立ててください。

まずは、学部別の志願動向です。

近畿大 学部別志願者数・対前年比

文系学部は、法・経済・経営・文芸の新設学部を除く4学部すべてで昨年の推薦入試よりも志願者数がダウンしています。特に、経済と文芸は昨年の4分の3程度にまで減ってしまっています。しかし新設の総合社会学部が4000名以上の志願者を集めており、文系全体では昨年よりも約10%増えています。これまでの文系4学部よりも総合社会学部に魅力を感じて志願者が多く集まっている、という状況です。

理系学部は総じて志願者数が増えています。ただし、一部の学部については昨年よりも募集定員を減らしているところもあり、その影響で志願者数が「増えたように見える」といったことも起こっています。

さて、2009年度と2010年度の公募推薦入試合格最低点(文系学部)を比較して、各学部のレベルのアップ・ダウン、新設の総合社会学部の難易度を確認しましょう。

近畿大 文系学部合格最低点 比較

左は2009年度の、右は2010年度(今年度)の合格最低点についてのデータです。中央にある矢印は、2009年度から合格最低点が上がったのか・下がったのか・それほど変わらなかったのかを示しています。

ご覧のとおり、ほとんどすべての学部・学科で合格最低点がダウンしています。特にダウンが激しいのが、経営学部キャリアマネジメント学科(-15点)・経済学部国際経済学科(-10点)・法学部政策法学科(-7点)の3つです。この3つの学科には「2009年度は高倍率だった」という共通点があります。公募推薦の倍率の推移(09年度→10年度)を見てみますと…

経営学部キャリアマネジメント学科 9.0倍→3.9倍
経済学部国際経済学科 8.7倍→4.7倍
法学部政策法学科 7.1倍→4.0倍

となっています。一般的に、受験生は前の年に倍率が高かった学部・学科を避けて出願する傾向にあります。今年も、去年の倍率の高さを見てびっくりした多くの受験生が他の学部・学科の受験に切り替えたのでしょう。しかし、結果としてこれら3つの学科は昨年の公募推薦より倍率も合格最低点も大きく下がって入りやすくなりました。今年受験した人は「ラッキー」だったのではないでしょうか。

新設の総合社会学部の難易度です。心理系の合格最低点が文系学部・学科内で最も(しかもダントツで)高い140点(200点満点中)となっています。社会・マスメディア系の135点というのも文系学部・学科の中で2番目に高い点数で、総合社会学部にはレベルの高い受験生が集まったようです。ただ、環境系の合格最低点が非常に低く(125点)なっており、「環境って理系の分野でしょ?」「文系学部で環境の勉強って出来るの?」と受験生に考えられ、積極的に受験をされなかったことが予想されます。

最後に、昨年は一般入試各日程でどれくらい合格者数が出たのかをご紹介します。近畿大の一般入試の中では「一般入試前期A日程」での合格者数が圧倒的に多く、昨年は約6000名に合格通知を送っています。その後の日程となる「一般入試前期B日程」では前期Aの半分の約3000名、「一般後期」になると前期Aの4分の1以下の約1300名にしか合格を出していません。近畿大を第一志望に考えている受験生は、1/30・31実施の一般前期Aで合格を勝ち取れるようにしたいところです。