帝塚山中 特進Ⅰ・Ⅱの人気動向

2010年1月8日 金曜日

2010年度入試から女子文理を廃止し、女子特進をⅠとⅡに分割することになっている奈良県の帝塚山中にお邪魔してきました。

帝塚山中 学園前駅方向から

文理コースを無くして特進をⅠとⅡ(Ⅱの方が上位コースの位置づけ)に分割する理由としては、特進コースの希望者が多く文理希望者が逆に減っている点と、国公立大志望者が学内でも増えており特進コースの需要が高いという点の2つが挙げられています。今回のこのコース改編により女子の3コースはすべて「国公立大保証」となりますが、特進Ⅰでは「私大文系対応カリキュラム」「芸術大への進学」といった従来の文理の良さも残されるようです。

当然、募集定員にも手が入り、特進Ⅱが+10名の70名、特進Ⅰが-10名の80名となります。なお、英数から特進Ⅱ、特進Ⅱから特進Ⅰの回し合格はありますが、英数→特進Ⅰの回し合格はありませんのでご注意ください。

さて気になる出願状況ですが、昨年末時点の情報によりますと、男子英数と女子特進Ⅱの出願者が多い一方で、女子特進Ⅰは出願が少ない、といった状況です。女子特進Ⅰについては「文理から特進に名称変更になったので、合格に必要なレベルが上がる」と思われて敬遠されているのではないでしょうか。

帝塚山中 学内から

日程別に見てみますと、17日(日)の出願者数が減り、その分19日(火)の出願者数が増えているようです。2010年度入試では17日(日)に入試日を前倒しする中学が多数ありますので、その影響かと思われます。

地域ごとの出願の動きをお聞きしたところ、奈良県内の出願者数は2009年度とほぼ変わっていないようですが、阪神なんば線の開通で多数の受験者が流れ込んでくるだろうと予想された兵庫県もそれほど増えていないようです。「阪神なんば線効果」は結局期待ハズレになるのでしょうか?

例年1200~1300名の受験者数を集める帝塚山中。2010年度も例年通りの人気傾向になりそうです。

大阪桐蔭中プレテスト問題に見る 今年の時事問題予想

2010年1月7日 木曜日

昨年12月12日(土)に大阪桐蔭中がプレテストを実施しました。この学校のプレテストは他校のそれとは少し特徴が異なる部分があります。毎年大阪桐蔭中以外の中学を志望する受験生も多数受験するという点がそれで、受験生や学習塾の間ではさながら「模擬試験の一つ」のような捉え方をされています。実際に、2008年に実施されたプレテストの成績上位者の進学先を見てみますと、トップ10の中に灘中進学者が5名、東大寺学園中・洛南高等学校附属中がそれぞれ2名ずつ、甲陽学院中と大阪桐蔭中が各1名となっています(同点がいるのでトップ10該当者は11名)。

今年も約1300名が受験をしたこのプレテスト。当日の問題も入手しておりますのでじっくり見てみたところ、社会の問題には非常にたくさんの「時事問題」がありました。9月までの内容とはいえ2009年の出来事がすでにテストに反映されておりますので、「どんな内容が出題されたのか?」を知れば今後の対策に役立つと思います。

今回は、大阪桐蔭中のプレテストで出題された時事問題のうち、特に知っておいてほしいと思われることをいくつかご紹介したいと思います。

まずやはり「鳩山政権発足」は必ず押さえておくべきでしょう。「今の内閣総理大臣の名前は?」という初歩的なものは当然ですが、「衆議院解散総選挙」「内閣総辞職」「内閣総理大臣の指名・任命」「国務大臣の任命」などなど、鳩山政権発足までの間に行われた事がらも合わせて覚えておく必要があるでしょう。

時事問題を学習する上で大事なポイントは実はここにあるのです。「衆議院解散総選挙」を例にとってみると、「今回の衆議院議員総選挙と同時に行われたことがらは?」という問題が大阪桐蔭中のプレテストで出題されています(答えは「最高裁判所裁判官の国民審査」)。つまり、出来事そのものに焦点を絞った問題だけではなく、それを中心にしていろいろと話を広げて問題が作られることを考えて勉強する必要があるのです。

そういう意味では、「鳩山政権発足」については「鳩山政権発足後行われたこと」も押さえておく必要があるでしょう。

この他に出題されていたのは、「定額給付金」「新型インフルエンザの流行」「ラクイラサミット」「皆既日食」「裁判員制度」といったものです。

サミットについては毎年多くの中学で問題が出題されます。「2009年に実施された『ラクイラ』はどの国にある?(答え イタリア)」という問題は容易に予想できますが、「ホスト国であるイタリアの首相の名前は?(答え ベルルスコーニ首相)」といった人名をからめてくる問題、「次回はどの国で実施される?(答え カナダ)」や「前回(2008年)実施されたのは日本ですが、開催地は?(答え 北海道・洞爺湖)」といったものも考えられます。出され方にひと工夫されることもある程度覚悟しておく必要があります。

中学入試の社会では必ずといっていいほど出題される時事問題。勉強するときの注意点を一つ。最近、漢字で人名・地名を書くように指定している中学が多くなっており、厳しいところでは記述問題も全部漢字指定をしている所も出てきています。人名・地名は必ず漢字で書けるよう、何度も練習しておくようにしましょう。もちろん、誰が読んでもわかる「丁寧な字」で書くようにしましょう。

関関同立大 入試情報サイト

2010年1月6日 水曜日

さて、いよいよ年明けから大学一般入試の願書出願が本格的に開始となりました。皆さん、ご自分の受験校の願書はもう準備していますか?出願に必要なものはすべてそろっていますか?願書の締切日は把握していますか?

今回は、出願前にチェックしておいて欲しい、関関同立各大学の入試情報サイトについてまとめてみました。以下、各大学のリンクとともにサイトの特徴もご紹介しています。

― 関西学院大 ―
①のリンクは通常の入試情報サイト、②のリンクは入試直前サイトとなっています。特に②の方は「受験生へのエール」「保護者向けの情報」といったコンテンツだけでなく、「新型インフルエンザ対応」についてまとめてくれていますので、必見です。

http://www.kwansei.ac.jp/admissions/index.jsp
http://www.kwansei.ac.jp/admissions/special/

― 関西大 ―
願書の書き方の説明という初歩的な内容もありますが、優れものは「併願パターンチェック」。2月7日・8日に実施する一般入試 全学部日程・センター中期については、多様な併願の組み合わせができる一方、併願できない組み合わせもあります。出願前にこのサイトで併願の可否をチェックできる上、入学検定料の合計も表示されます。わかりやすくて超便利!

http://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/2010point/

― 同志社大 ―
①は通常の入試情報サイト。インフルエンザ対応についてなどがまとめられています。②のリンクからは、HP上のフォームに必要事項を入力し、支払い方法を選択すると、願書作成と支払い手続きが出来る「Web願書出力サービス」へ飛びます。これもまた便利!

http://www.doshisha.ac.jp/nyushi/
https://e.syutsugan.jp/OP1042/sss/index.html

― 立命館大 ―
こちらも①は通常の入試情報サイト、②はインターネット出願専用ページです。①には2008・2009年度の一般入試問題をダウンロードできるサービスもあります。過去問を買いそびれたまま一般入試に突入しようとしているそこのキミ!必ずここで過去問を確認しておこう!③は一般入試に関するポイントを解説した特別サイトです。出題方針・学習ポイントについてもまとめてくれています。

http://ritsnet.ritsumei.jp/
http://www.ritsumei.ac.jp/ritsnet/gokaku/ritsumei_ru/
http://ritsnet.ritsumei.jp/file/nyushi_point/2010/

関西外国語大 航空業界就職に強い

2010年1月5日 火曜日

関西外国語大 中宮キャンパスで行われたオープンキャンパスに参加してきました。

関西外大①

入試説明会、キャリア支援説明、外大生からのメッセージ、キャンパスツアー、個別相談、その他本当に多数のプログラムが用意されており、おそろいの黄色いジャンパーを着た外大生たちが一生懸命に運営をしている姿が大変印象的でした。

さて、数あるプログラムの中から今回一番興味を引かれた「航空業界に求められる人材」についてご紹介いたします。

皆さんもよく知っていると思いますが、2008年秋以降の不況によって各業界とも大打撃を受けています。JALの経営不振に代表されるように航空業界も例外ではありません。業界全体の2008年の成長率はほぼ「ゼロ成長(前年と同じ)」で、2009年に至ってはマイナス成長に陥っています。特に、企業の業績不振のあおりを受けて「貨物輸送」が激減しているようです。

そんな冷え切った状況ではありますが、いくつかの調査機関は「15年後には航空旅客が現在の2倍になる」と予想しています。また、そのような時期が来ることに備え、関西国際空港では2本目の滑走路を2007年にオープン、首都圏では羽田空港が2010年に4本目の滑走路をオープンさせて国際線も発着できるようにする、など準備を進めています。

それとは逆に、団塊世代の退職によってパイロットが今後不足してくることが確実視されています。このままだと先に紹介した滑走路の拡張による便数の増加が実現できなくなります。そんな中、最近では女性もパイロット職に就く例が増えてきており、今では40名前後の女性パイロットが日本の空で活躍しているようです。

関西外大②

さて、そんな航空業界に関西外国語大の学生がどれぐらい就職しているのでしょうか?

まずキャビンアテンダント(客室乗務員)ですが、2008年のデータによると、全航空会社合計で34名の関西外国語大生が採用されています。これは、2位の名古屋外国語大(33名)、3位の青山学院大(27名)を押えての堂々の全国1位です!あなたが乗った飛行機の中にいたキャビンアテンダント、ひょっとして関西外国語大出身の方だったかもしれませんね?

パイロットの採用については、2009年度データによると日本航空や全日空を含めて5名が採用されています。

関西外国語大の学生は「語学を活かせる仕事」を多く希望するようですが、航空業界以外にもホテル・教職・旅行業・貿易業といった分野にも数多くの先輩が就職しています。そういった分野も含め、「世界で活躍したい」と思う受験生はこの大学を検討してみてはいかがでしょうか?

早稲田摂陵中高 完全男女共学化と新校舎・学生寮

2010年1月4日 月曜日

今年初めての投稿です。2010年も「学校・入試情報Blog 学校選びの道しるべ」をよろしくお願いいたします。

2010年から中高ともに本格的な男女共学となるのと同時に、全国型入試を新導入することで日本中から生徒が集まることになる早稲田摂陵中高にお邪魔してきました。

早稲田摂陵①

2009年度入試では「早稲田大学の関西進出!」ということで大きな話題を呼んだ早稲田摂陵。「系属校」という形で早稲田大との提携が始まったわけですが、大掛かりな理科実験のような中高単体では出来ない学習内容を中心にし、早稲田大のノウハウを注いで中高大連携を行う、という点が系属化の大きなメリットです。

早稲田大へ進学できる特別推薦枠は約40名分で、将来的にはもっと増やしていく予定にされているようですが、この部分については受験生・保護者の間でもいろいろな意見・捉え方をされているようです。

早稲田の名前が学校名についたのと同時に、高校では女子のみのコースとなる「吹奏楽コース」が新設され、入試は「英国+楽器演奏などの実技・面接、専願・併願あり」という形で実施されていました。これは2010年度入試でも引き続き実施されますが、このコースの生徒たちは早稲田大への進学枠が使えないという点には注意が必要です。

早稲田摂陵 新校舎

さて、2010年度入試より中高とも完全男女共学化を行い、全国型入試の導入による新しい入試制度に変わります。日本全国から入学希望者を集めることになりますから、当然学生寮の整備が必要です。早稲田摂陵は現在、学生寮と合わせて新しい校舎(上の写真)も建てています。これで、日本各地から男の子・女の子問わず迎え入れる準備が整いつつあります。

ちなみに、今年の各種説明会での男子・女子の比率は中学で大体3:1ぐらい、高校では6:4ぐらいだったようですが、年末には女子からの問い合わせが徐々に増えている、という状態だそうです。

中高ともに「自己推薦型入試」も新設し、学力以外の部分にもスポットを当てた選考を行います。スポーツにも力を入れて取り組んでいる早稲田の校風が、ここにも継承されています。甲子園出場時には「ハンカチ王子」として一躍有名となり、早稲田大進学後も大学球界を代表する投手として常に注目を浴びている斉藤佑樹投手のようなスター選手が、ここ早稲田摂陵から誕生する日もそう遠くはないのかもしれません。

来年の春、新しい校舎・寮にどんな生徒たちが集うのでしょうか?今から楽しみです。