立命館中高 長岡京市へ移転

2010年4月2日 金曜日

3月29日(月)に、2013年9月を目途に立命館中高が長岡京市へ移転することが発表されました。

移転先は現在「大阪成蹊大学 芸術学部」がある場所で、同学部は12年3月末に現代経営情報学部がある相川キャンパス(大阪市東淀川区)へ移転することになっており、正式な土地の取得後に立命館は同大学の校舎を取り壊して新校舎を建設する計画としているようです。

立命館と言えば、06年に新設された立命館小に入学した生徒たちがこの春卒業を迎え、立命館中に入学することで、小・中・高の12年間の一貫教育体制が確立したことになります。

中学入試の世界では、立命館小の1期生が同中にどれだけ内部進学するのか?について注目が集まっていました。こちらで得ている情報によりますと、外部の中学に進学した生徒は全体の約1割で、1期生120名中約110名が立命館中に内部進学したようです。

しかしここに至るまでの間、内部進学については学内でいろいろとあったようで、特に北大路にある小学校と現在立命館中高がある深草(伏見区)の教育環境の違いについては大きな課題だったようです。

教育環境を整備したくても現在の深草では施設増築が難しく、それならいっそ移転して新しく校舎を建てよう、という結論に至った模様です。

新しい校地ですが、現在はJR長岡京駅から徒歩15分の場所、という表記がされています。しかし、なんと移転を予定している2013年には阪急京都線 長岡天神-大山崎間に新しい駅が出来、そこからだと徒歩約5分で到着できることになる、という追い風も吹いています。

さて、この記事の冒頭で「同大学の校舎を取り壊して新校舎を建設する計画」と書きましたが、具体的には・・・

「立命館大びわこ・くさつキャンパスのレベル以上となる、科学技術の最前線を学ぶことが出来る実験施設」
「国際交流のための施設」
「生徒の発表活動をサポートするスペースの設置」
「海外で先端的に使用されているIT教育機器などの導入」

などが予定されているようです。理系・文系ともに充実した設備・環境の中で学習できるように準備が進められているのは大変魅力です。

設備だけではありません。高校では「立命館大学国際関係学部、立命館アジア太平洋大学、海外大学への進学を視野におき、語学力だけでなく、自ら学び考えてきたことを国際舞台で行動化できる力量の向上を目指し、国際情勢や平和、国際貢献への意識を高めます(同大HPより)。」という目的の下で将来「国際コース」が新設される予定にもなっています。

しかし、このような学校が移転をしますと、受験生の動向にも大きな影響を与えます。

「洛洛同立」という言葉があるとおり、京都における立命館の立ち位置は非常に重要です。大阪に近い長岡京市に移転すれば当然大阪・兵庫方面からの受験生の流れが大きくなり、この近辺ならば特に関西大学の系列各校に大きな影響を及ぼすことでしょう。

また逆に、これまで立命館中高を積極的に選択していた京都の中心部各地域の受験生の動きがどうなるのか、についても目が離せません。

なお、「立命館中高の移転後の跡地利用は未定」とされているようですが、立命館大びわこ・くさつキャンパスの土地ですらも手狭になっている、という状況のようですので、大学の移転や今後新しく出来る学部をこの深草に作る、ということで大学が土地を利用することも大いに考えられます。

移転予定の2013年秋の前後には、中・高・大それぞれの世界で大きな動きが起こりそうです。