国公立大と私立大 学費ってどれぐらい違うの?

2010年5月20日 木曜日

大学受験生にとっては志望校の選択を本格的に始めるべき季節となりました。選び出す前にしっかりとした行動計画を立てること、必要となる情報を充分集めてから大学の取捨選択をすること、これがポイントになります。いろいろな大学の資料を集め、見て回り、可能ならば先輩や周りの大人たちから大学の話を聞く、もちろん自分の学力についても深く考える・行動する(つまり勉強する)必要がありますが、そういったことをしてから志望校を決定していきましょう。

国公立大と私立大との違いとして真っ先に思い浮かぶものの一つとして「学費の違い」があります。国公立大と私立大とでどれくらいの違いがあるのか、過去約30年分の学費データとも合わせて検証してみましょう。

国立大学と私立大学 学費の推移

上記のグラフは「入学当初の学生納付金」の推移を表すもので、国立大・私立大それぞれの入学金と初年度学費の合計金額の平均を示しています。

日本では、大学の入学金や授業料などの「入学当初の学生納付金」は戦後上昇し続けています。一時期は3倍近くあった国・私立大学間の格差も、今やかなり縮 まりつつあります。現在では、私立大学では平均130万円である一方で、国立大学は82万円に達している状態で、その差は1.7倍にまで縮まっています。

30年前と比べてみますと、私立大の学費が2倍とちょっとの増加率であるのに対し、国立大の学費はちょうど4倍にも膨れ上がっています。

いかがでしょうか?「国立大は学費が安い」というイメージがありますが、私立大と比べれば安いのは確かではあるものの、「思ったほど安くないな」という感想を持った方も結構いるのではないでしょうか?

なお、私立大学では専門分野ごとに学費の総額が大きく異なります。下の表に専門分野別の平均学費をまとめました(クリックすると拡大します)。

私立大 初年度学生納付金

上の表を見られてもすぐお分かりのとおり、医歯系が群を抜いて高く、次に理科系(薬学は特に高い)、家政・芸術・体育系が続き、予想通りこの中では文科系が一番低い額となっています。

余談ですが、私立大では医学系に次いで高い学費となっているのが「パイロット養成」に関する専攻です。先日、日本で初めてパイロット養成に関する専攻課程を設置した東海大学工学部(航空宇宙学科 航空宇宙学専攻)の1期生が卒業し、専攻した40人のうち33人がライセンスを取得、航空会社に就職が決まったのが23人(全日空に7人、スカイマーク、スカイネットアジア、日航グループ会社 に各4人、など)というニュースが報道されていましたが、この専攻では4年間の学費は約1800万円必要である、とのことです。

また、立命館大に設置されている映像学部は初年度は約200万必要である、など、私立大は学部によって学費が極端に高いところもありますから、受験前にじっくりと下調べすることが必要でしょう。

このブログでは、今後も大学選びに役立つデータをいろいろご紹介していこうと思っていますので、時々チェックしてください。