大阪府立大 学部改組予定は2012年度へ延期

2010年5月24日 月曜日

2008年2月の知事就任以来、様々な言動が毎日のようにメディアに取り上げられる橋下徹大阪府知事ですが、大きな話題となったものの一つとして「大阪府立大の存在意義について」がありました。

具体的には、大阪府立大の存在意義を見直し、場合によっては廃止する、あるいは大阪市立大と統合する、ということも含めて検討する、ということでした。

それを受けてしばらく経ち「2011年4月より大阪府立大の学部・学科を再編する」という計画がある、と発表されましたが、つい先ごろ正式に「再編は2012年度から」と修正されました。当初2011年度から実施開始予定だったものを1年遅らせた理由としては「カリキュラムが十分に固まっていないため」ということのようです。

11年度入学生を対象にした入試は、従来通りの学部・方式で行われます。

さて、大阪府立大はこの3月に「大阪府立大学の改革方針~変革と挑戦~」と題した文書をHP上に公開し、大学改革についての今後の展望について解説しています。それによりますと、

7学部(工、生命環境科学、理、経済、人間社会、看護、総合リハビリテーション)25学科3専攻

4学域(現代システム科学、工、生命環境科学、地域保健)13学群

ということで、学部・学科を解体して4つの学域に再編する予定になっています。

同大HPにあがっている文書によりますと、「工学域」「生命環境科学域」「地域保健学域」については、「現学部の教育研究の継承を基本として、より幅を持たせるものとする」としており、 「現代システム科学域」については「専門性と実践力はもとよりマネジメントや国際性を兼ね備えた新しい科学技術系学生の育成が必要になるとの観点から、理系をベースに文系を融合させ新たな領域として構成する」と記載されています。

現学部については2011年度まで学生の募集を行い、新たに学域として募集を開始する2012 年度からは募集停止となります。一方で現学部に所属する在校生の教育・研究については、卒業までの間万全を期して保障します、ということです。

また、気になる定員についての情報もご紹介しておきましょう。

現在は「7学部 5613名」の定員となっていますが、それを「4学域 約5400名」と改める予定になっています。新たに「現代システム科学域」を創設するとはいえ、これまであったいくつかの学問分野が廃止されることもあり、大学全体の定員としては減少してしまうことになっています。

学域ごとの定員計画について整理してみますと、「工学域」「生命環境科学域」は定員増、「地域保健学域」については看護・総合リハビリテーションで現在の定員を維持しつつ新たに教育福祉分野の定員を確保する、という予定のようです。

入試形態についてもいくつか情報があります。同大HP内の文書によりますと、改組後は「新しい学域・学類・課程など教育内容に応じ、様々な枠組みでの入試の内容を検討する」と発表されている点と、「多様な学生を受け入れるため、引き続きAO入試を実施するとともに、府立高校からの入学生枠の検討や留学生などを対象とする秋入学の充実について検討する」ということも明らかになっています。大阪府立大への入学ルートが多様化しますので、こちらも要注目です。

ただ、これらの改組案は文部科学省への届出・認可が必要ですから、今後認可申請等を行う過程で変更が生じる可能性があります。よって、現時点ではこれらの学域の名称などは仮称となりますし、この改組計画自体がひょっとするともっと後の実施になることもありえます。今後の動向に注意しておきましょう。

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