金蘭会中高 一人ひとりの可能性を伸ばす

2010年6月28日 月曜日

金蘭会中高の塾対象説明会に参加してきました。

金蘭会中高 外観

大阪府立大手前高等学校の同窓会である「金蘭会」が1905年に金蘭会女学校を作られてもう105年、大阪府内で最も伝統がある学校のうちの一つです。その間、女子教育一筋で歩んでこられています。

上の写真は金蘭会中高の校舎外観です。この校舎は2007年に完成したばかりのものです。当時建築に関する賞を5つ受賞するなど、専門家から高い評価を受けた建物です。

金蘭会中高 説明会会場

説明会はその建物内3Fにあるウィステリアホールという、600名収容可能かつ200インチの大画面映写が可能なホールで行われました。

まず校長先生がご挨拶くださいました。校長先生就任されてもう5年目、ご自身も毎朝校門前に立って生徒たちにご挨拶されていることや、朝礼や集会の際には(先生ご専門の)英語と日本語のバイリンガルでお話をされている、ということを交えながら、学校のご様子についてお話いただきました。

中学入試結果について整理しますと、受験者数・入学者数ともに2006年から2009年まで3年連続で伸びていたことを受け、2010年度入試では募集定員を60名から90名へ増加させました。その一方で、自己推薦型となる「K方式」を導入、「3年間授業料半額免除」の特待生制度を新設したことも2010年度入試のトピックスでした。

今年は受験者数自体は-20名と前年から減ってしまいましたが、入学者数は-2名と踏んばった形です。この要因としてはやはり、専願が条件となる「K方式」での入学者確保が奏功したものと思われます。

ちなみに、今年86名の入学者中K方式では7名が出願・入学しており、新体操などの特技を活かした生徒もいるそうです。また、今年K方式で課された作文試験のお題は「活動を通して得られたもの」について原稿用紙2枚にまとめる、というものでした。

K方式の導入と合わせて特待生制度を導入しましたが、その影響もあって、2009年度は入学時に五ツ木駸々堂模試で偏差値が45以上だった生徒が3名しかいなかった一方で、今年度入学者については偏差値45以上が12名、偏差値50 以上に至っては3名入学しているという、これまでになく高い学力を持った生徒が入学したそうです。

これを受けて、来年(中2進級時)から「発展1クラス」「標準2クラス」という習熟度別クラス編成を実施することになっています。

高校についてもご紹介いただいています。

2008年4月より、看護系の進学希望者が多かったのと併設の千里金蘭大学に看護学部看護学科が開設された事を考慮して、それまでの特進・総合2コースに「看護進学」を新設して3コース体制とされました。今春入学した学年をもって3コースすべてで3学年がそろいました。来年春が3コース制導入後の1期生が卒業を迎えるので、進路に注目が集まっています。

現在の取り組みとして、外部講師を招いての放課後の学内予備校、主体的な学習スタイルの確立を目的とした夏期休暇中の勉強合宿、といった受験指導を行っておられます。

3年後には国公立大・関関同立大延べ30名以上出すことを目標とされていますが、更なる充実を目指して、どのコースからもセンター試験に対応出来るようにする、ということも発表されていました。

さて、コース制や中学・高校それぞれの入試における変更点などについて順番にご説明いたします。

中学入試においては、C日程を例年より1日前倒しの1/19(水)に実施することが決定しています。A・B日程については例年どおりの位置取りです。それ以外の変更点は特にありません。

高校入試においては、大きな変更が発表されています。

2011年度入学生より、総合進学コースを5つの「系」に細分化することになりました。詳細は以下の通りです。

①文理進学系:文学・外国語・経済・社会・法・教育・環境・情報・心理学部などへの大学の進学
②保育幼児教育系:千里金蘭大学 児童学科等、保育士や幼稚園教諭など
③健康栄養系:千里金蘭大学 食物栄養学科等、管理栄養士や栄養教諭など
④スポーツ系:体育系大学・専門学校等、体育教諭・スポーツ指導者・インストラクターなど
⑤演劇・芸術系:芸術系大学・専門学科等、映画演劇関係・演奏家・芸術系教諭

一部の「系」では併設の千里金蘭大への進学が可能となっているのがわかります。千里金蘭大についてはこちらのエントリー「千里金蘭大 ココロかんごフェア」で同イベントについてご紹介しました。

進路希望ごとに細分化することで、一人ひとりの将来の可能性を効率よく伸ばすことを目的とされているのでしょうか。

これらは「系」ごとの定員は設けず、「系」ごとのクラス分けも行わない方針で、あくまで「入学時点で将来の進路を意識してほしい」ということからこのような分け方をされているようです。ただし、入試時点で「系」を指定して出願する必要があるのが注意点です。入学後しばらくしてから、自身の興味や適性などと照らし合わせて「系」を選ぶ、ということではないようです。

さて、説明会では先生方によるご説明と合わせて、教養講座「華道」の「礼式活け」を生徒さん達にご披露いただきました。

華道の様子

実際に花を活ける方とは別に、マイクでひとつひとつの所作を丁寧に解説してくれる方もいて、華道の心得がない私にもよくわかる発表となっていました。

活気がある学校の雰囲気といきいきと過ごす生徒たちの様子が伝わってくる説明会でした。