京都産業大 2010年度入試結果と入試のポイント

2010年7月1日 木曜日

京都産業大が高校・予備校・塾の先生対象の説明会を実施されました。

今年の春、総合生命科学部を新設されました。また、マイナーチェンジ箇所ではありますが、今年の入試から一般入試の国語において「記述」の問題を廃止し、オールマークへと変更されたのもポイントです。それらを受けてどのような入試結果になったのか?ご紹介いたしましょう。

京都産業大 志願・合格者数と増減

上記が京都産業大の公募・一般・センターそれぞれにおける2010年度入試結果と、2009年度入試結果と比較したものになります。

合計の欄を見るとお分かりいただけますが、総合生命科学部を新設したにもかかわらず大きな志願者増とはならなかったところが残念です。全体としては志願者数は微増、合格者数は約1割増加、という事で、全体的には前年より入りやすかったのではないでしょうか。公募・一般・センター利用それぞれについて志願状況などを細かく見ていきましょう。

公募推薦は志願者数の減り幅に対してほとんど同じ幅で合格者も減らしていることから、「例年並みのレベルだった」と予想しています。

一般入試志願者数は昨年とほぼ同数を確保しました。ただし、公募推薦で若干集まりが悪かった分、合格者数は昨年に比べて多めに出しているのがわかります。

その一方で、センター利用型では志願者数が昨年比12%増、合格者数はなんと2割も増やしています。

さて、来年度入試に向けていくつかアドバイスをいたします。

京都産業大は全定員のうち推薦入試(附属・指定校・スポーツ・専門学科等)で約44%、一般前期で約45%、センター利用型で約6%、一般後期で約5%という具合に配分されています。他校に比べて「推薦入試での人数割合が高い」点が特徴なので、京都産業大第一志望者が推薦入試を受けないのは論外!です。ただし、公募推薦は「現役のみ」受験可、ですのでご注意ください。

その公募推薦なのですが、調査書を点数化し、それに加えていろいろな活動や資格を加点措置する「総合評価型」と、学力試験一本で合否を決める「基礎評価型」の2種類の試験があります。総合評価型と基礎評価型の定員配分は7:3となっており、総合評価型の定員が圧倒的に多いことがわかります。

その総合評価型では「活動や資格による加点がある」ということなのですが、「よっぽどすごい資格がないとだめなんでしょ?」と思いがちですが、そんなこともありません。

英検2級・日商簿記2級などを持っていれば8点プラスされるなど、ものすごく難しい資格を持っているようであればその分加点も多く得られます。しかし、その一方で「高校で2年以上正規の課外活動に取り組んだ」のであれば、それだけで2点プラスしてもらえます。

たかが「2点」ですが、これが大きく合否を左右することもありえます。

2010年度入試において、公募推薦による加点によって最終的に合格圏内に滑り込んだ生徒は昨年で282名、今年は259名存在しているようです。その中には、この「課外活動に2年以上取り組んだ」ことで得た2点で救われた受験生もいるのではないでしょうか?

さて、一般入試についても少しお話しておきましょう。一般入試においては、成績上位3%以内に入ると2年間の学費が半分になる、という措置があります。今年2010年度入試では76名が対象となったようです。これも見逃せませんね。

総合大学のうちいくつかの大学ではキャンパスを複数持っていて、学部によって通うキャンパスが異なるというようなことがあります。キャンパスがいくつもあって学生や先生同士の交流が分断されてしまっている大学はいくつもあります。

しかし、京都産業大は8つの学部を持っているにも関わらず、すべての学部が1つのキャンパスにまとまっています。この点は非常に強い点ではないでしょうか。

夏にはオープンキャンパスが行われます。文系・理系問わずすべての学部が1ヵ所に集まる京都産業大の様子を隅々までぜひ見て来て下さい。