立命館大 2010年度入試を振り返って

2010年7月14日 水曜日

立命館大が高校・予備校・塾の先生方対象に説明会を実施されました。

立命館大 説明会

まずは2010年度入試結果について簡単に整理しておきましょう。

こちらのエントリー「立命館大学 後期入試に向けて」では、前期試験終了時点での各学部の志願動向などをご紹介しました。

すべての入試が終了し、結果としては志願者対前年比91.9%になりました。昨年も同約88%となっており、その前年も志願者数を減らしているので、ここ3年続けて志願者が減少していることになります。

その一方で今年は合格者数を約1000名増やしています。昨年、立命館大は翌年(2010年4月)に控えた「スポーツ健康科学部」の設置許可申請の関係で、合格者数を減らしました。今年の合格者数増加は昨年減らしたその反動、ということになります。

その新設のスポーツ健康科学部なのですが、志願者数は無事集まった形です。しかし、その影響で産業社会学部内にあるスポーツ社会専攻が前年指数59.0という志願者数となってしまい、同大学内で志願者を奪い合った形となっています。

政策科学部は前年度の影響を受けて志願者が上下する「隔年現象」の典型的な例となっており、今年は大きく志願者を減らす年となりました。減らした理由としては学部の名前から「何を勉強するのかがよくわからない」という印象を与え、結果として「第一志望として選ばれにくい」ということがあるのかな?と思っています。また、こちらのエントリーでもご紹介したとおり、募集人数が少ないということも受験を敬遠させる要素となっているでしょう。

その他に非常に志願者を減らした系統としては、経営学部の国際経営学科で、志願者の対前年指数が46.6。昨年の半分も志願者が集まっていません・・・。前年の入試で合格最低点が高く、それを見て今年は敬遠された、と推測できます。

理系では情報理工学部が人気を回復させています。また、理工学部の中では都市システム工のみ志願者が昨年よりも増えています。

特別奨学生についての情報もお伝えしておきましょう。奨学生の定員330名に対して、今年は全合格者約25000名中4339名に資格を与えています。おおざっぱに言うと6人に1人ぐらいの割合で奨学生の資格が得られる、ということになります。意外と広い門?と思うのは私だけでしょうか。

入試問題についても簡単に。よく「立命館大の日本史と世界史はマニアックな問題が多く出題される」という指摘が随分昔からされております。近年、それを敬遠するかのように日・世の選択率ダウン⇒文系数学選択率アップ という構図が現れています。日・世の問題については基本的な出題内容にするよう努力されているようなのですが・・・。今年出された日・世の問題を見て、現高3生がどう考えるかが見ものです。

さて、来年2011年度入試に向けての情報もたくさん得ていますが、お伝えすべきことが非常に多いので、次回以降のエントリーでご紹介することにいたします。