【続報】上宮中高 2011年度より共学化

2010年7月16日 金曜日

随分前のエントリーですが、こちら「上宮中高 2011年度より共学化」で上宮中高の共学化についてお伝えしました。それ以降、新しい情報は入ってきてなかったのですが、この度実施された塾対象説明会でまとまった情報を得ましたので、ご紹介いたします。

上宮中高 説明会会場

事前にご準備されていた会場(それでも300人以上は入るでしょう)では収まりきれず、急きょ別室にテレビモニターを設置して、会場に入りきらなかった方々にはそちらの部屋で説明会会場の様子を見てもらう、というご対応をされていました。それだけ、上宮中高の共学化についてのお考えや具体的な取り組み内容、気になる入試に関する情報といったことを聞きたい!という塾の先生がたくさんいることの現れです。

さて、一番始めにお話された学校長のご挨拶の中で、共学化に至った経緯をご説明くださいました。

いくつか理由やお考えをお話下さいましたが、特に「ポジティブ」な理由としては、「高校のパワーコース1期生が今春卒業し、一定の進学実績を出した。その勢いを共学化でもって更に活性化させたい」というものがあるようです。

一方で共学化に至った「ネガティブな」経緯として、「少子化・共学化志向の昨今ではこのままだとレベルダウンは必至、一定の水準を維持している間に共学化に踏み切って対処しておくべき」ということだそうです。

今年創立120周年という大きな節目を迎え、121年目を迎えるにあたり何らかの「新しい挑戦」をすべきだ、ということはずっと念頭におありだったと思います。それに対する答えが「共学化」ということだったのかな、と私は思っています。

さて、共学化ということで、女子の定員数・女子を受け入れるコース・クラス分けのことなど、本当にたくさん心配な点があります。

まず、中学入試・高校入試共に「男女比は設けない」ことになっています。

女子を受け入れるコースは、中学・高校ともに「すべてのコース」です。

ただ、注意点があります。中学では特進コース、高校ではパワーと英数の両コースは女子生徒がどんなに少なくても(ゼロでは無い限り)男女混合クラスにする方針だそうですが、中学の標準コースと高校のプレップコースについては女子生徒が1クラスにまばらにしかいない、という状況は避けるため、女子を一定数固める「共学クラス」と女子が全くいない「男子クラス」に分けられる可能性がある、ということが発表されました。

・・・どれほどの女子が集まるのか全く予想できませんので、男子クラスが出来るという可能性が全く無いとは言い切れない、というのが今の段階で言えることではないでしょうか。

さて、設備面などでも共学に向けて着々と準備が進められています。現在では以下の点に取り組まれているようです。

・教室の改修工事
・号館ごとのトイレの設置
・体育・クラブのための更衣室設置
・保健室のベッド増設
・クラブの充実(文化系クラブはすべてで女子受け入れ予定)
・女子教員の増員
・共学に向けての研修会
・カウンセリングの充実

学校長のご挨拶の中で、「『しつけの行き届いた進学校』『より厳しくそしてより温かく』という基本理念は変わることはありません。」と言われていました。女子生徒についても、社会に貢献したいという思いを持った生徒に来てほしい、ということが基本方針としておありです。だから「自由にさせてくれて毎日が楽しければ良い、と思う生徒は希望しません」とはっきり言われていました。この点、受験生の皆さんはよく知っておくべきでしょう。

気になる入試についてもご紹介せねばなりません。

中学入試は、募集定員160名で今春から変更はありません。前述のとおり、男女比は設けられていません。

入試日程に大きく手が入っています。例年、初日・3日目・5日目という位置取りで3回の入試を行ってこられましたが、来春は1/15(土)1次・1/17(月)2次Aは例年通りの位置取りですが、2次Bが1日半前倒しになり1/17(月)の午後(15時)実施となります。よって、1/17(月)は午前・午後の連続実施、となります。

高校入試では募集定員は360名となり、今春より80名増えています。今春は英数コースの募集人員を80名→40名に減少させ、総募集人数を280名と変更しましたが、再度増やす形になります。こちらも男女比は設けられていません。

中高とも男女比を設けていないことから、合格に必要となるレベルについては「男女で同じ」と判断してよいでしょう。また、募集人数の減少もありませんので、「例年通りのレベル」で充分合格出来ると思われます。

最後に女子の制服ですが、(説明会会場では実物もありましたが)下のようなパンフレットで公表されています。

上宮中高 制服

女子はブレザータイプ、中学はブルーか白のブラウス・高校はピンクか白のブラウス、リボンは中学がブルー・高校はピンク、スカートも中高で若干異なり、中学はブルーのラインが入ったもの・高校はピンクのラインが入ったもの、だそうです。中学はブルー、高校はピンクが基調となるようです。

男子の制服はこれまでどおり詰襟です。ただ、高校男子の制服に変更点があります。高校男子の制服も、これまで中学校で採用されてきた灰色の詰襟に変更になるそうです。

今回、たくさんの情報をお伝えしましたが、例えば女子の夏服のことがまだ決まっていなかったり、これまでの男子校時代であれば進学先としてあまり選ばれることがなかったでしょうが、女子には人気のある「看護」「栄養」「被服」といった分野の進路先確保、もっと具体的に言えば「指定校推薦枠などでの女子大への進学はどうなるのか」といったところなど、まだこれから具体化されていくようなところも多々あるようです。

まだまだ上宮中高の動きから目が離せそうにありません。