滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①

2010年8月27日 金曜日

どの入試でもそうですが、「出された問題すべてに正解する」事は必要ありません。

試験当日に「絶対に正解しておかないといけない問題」「出来なくてもそれほど心配ない問題」の見極めをつけることができ、正解すべき問題に時間をかけて取り組み、確実に正解を導きだすことが出来れば、合格に大きく近づきます。

過去問を使って入試対策を進める上でも同じです。

過去問対策を進める際、学校によっては小問ごとの「正答率」が公表されているケースがあります。この「正答率」が高い問題ほど「基礎的な問題」と位置づけることができ、 そのような問題は何よりも優先して確実に解けるようになっておく必要があります。

さて、今回のエントリー以降(不定期になりますが)では2010年度滋賀県公立高入試問題の科目ごとに小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していこうと思います。

今回は国語についてです。

全体の平均点は52.3点(100点満点)でした。下の表で小問別の正答率をご紹介しています(クリックすると拡大します)。

滋賀県公立高入試 小問別正答率(国語)

正答率と合わせて、出された問題のポイントや受験生の解答状況について詳しく分析されたものも公開されています。以下、滋賀県教育委員会が発表した解答の分析の一部です。

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大問一において、漢字の問いについては「徒歩」の読みの正答率が若干低い以外は良好であった。また、比喩表現の内容を読み取り答えを選ぶ問いや、古文を読み取る基礎的な力をみる問いについても、正答率はおおむね良好であった。しかしながら、品詞を見分ける問いや、抽象的な表現で書かれている部分の具体的な意味を、文章の展開に即して読み取ることができるかをみる問いについては正答率がやや低く、文章全体の要旨をとらえ、自分でまとめて記述して答える問いの正答率も低かった。このことから、文章に親しむ態度の育成を今後も一層進めるとともに、語と語の関係をとらえながら、内容を丁寧に読み取る力や読み取った内容を簡潔にまとめて表現する力を身につけさせる必要がある。

大問二の作文では、与えられた材料をもとにして自分の考えをまとめ、適切に表現する力を求めた。受検生にとっては身近なテーマであったが、ポスターに書き入れるふさわしい言葉を選択したうえでその根拠を明確にして表現させる問いであったので、条件をふまえて考えをまとめることができていない解答が多く、正答率も低かった。このことから、必要な情報を取り出し、解釈し、身近な生活の中で経験したことや学習したことを活用して、自分の考えをまとめる力のさらなる育成が望まれる。

大問三において、漢字の問いについては「先導」の書きの正答率が若干低い以外は良好であった。また、漢字の知識をもとに書写における行書についての理解をみる問いや、表現の特徴を選ぶ問いについても、おおむね良好な正答率であった。一方、文脈に即して比喩の内容をとらえることができるかをみる問いや、動詞の音便や活用形の理解をみる問いについては、正答率がやや低かった。また、筆者が主張していることの理由に当たる部分を読み取って制限字数内で記述することを求めた問いについても正答率が低かった。言葉のきまりに関する基礎的な力や表現の特徴に注意して読む力、書かれていることを正確に読み取り的確に表現する力のさらなる育成が求められる。

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上の文章を読んでいる限りでは、書かれた内容の意味を理解するような問題についての出来は良い反面、「理解した内容について自分がどう考えるか」を簡潔にまとめ、適切に書き表す力が少し弱い、そんな印象を受けます。要するに「記述」問題に対応する力をもっとつけておくべきなのだと思います。滋賀県公立高入試では、大問二の「作文」こそが記述力を求められる代表的な問題になります。

随分前のエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②」では、2009年度大阪府公立高 国語の小問別正答率などをご紹介しましたが、そちらでも「国語で最も正解率が低いのが「記述の問題」です」とご紹介しています。

やはり、国語は「記述力」が大きく合否を分ける、と言ってしまって良いでしょう。残り約半年の間、記述力をつける勉強も意識して進めるようにしてほしいと思います。

これ以降、国語以外の教科についても不定期にご紹介していこうと思います。滋賀県にお住まいの中3生の皆さんはこのブログをよくチェックしておいてください!