主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向①

2010年12月22日 水曜日

皆さんもご存じの通り、2011年度の私立大入試についてはAO入試などを皮切りに、10月下旬からの公募推薦入試の実施をもって本格化しています。

大手予備校が実施している模擬試験の志望動向で、ある程度の予想がされていた各大学・学部の人気傾向ですが、公募推薦入試が実施された大学についてはその時の志願者数や手続き状況(一般には公にはされていないデータです)を読み取ることで、人気がある大学・学部、つまりは受験を予定している受験生にとっては「注意すべき」大学・学部、逆にあまり志願者がいない、言わば「狙い目」の大学・学部を見つけ出す事が出来ます。

このエントリーも含め、今後数回に渡って近畿地区主要私立大の公募推薦入試終了時点の人気動向、それを踏まえた一般入試に向けた展望をご紹介していこうと思います。

トップバッターは摂南大についてです。

摂南大 外観

摂南大は今年の春から文系では経済学部を新設、工学部を理工学部に改組して生命科学科と住環境デザイン学科を新設し、話題を呼んだことは記憶に新しいところです。

今回のテーマとは違う話となりますが、2012年春に看護学部が新設される予定になっています。現在高校2年生の方が受験を迎える年の入試から募集開始、となります。こちらも今、かなり注目を集めています。

さてその摂南大ですが、今年の公募推薦入試終了時点の人気動向はどのようになっているのでしょうか?

まずは、志願者数についてご紹介します。今年の公募推薦入試終了時点の志願者総数は5268名。昨年同時期の志願者総数の120.9%ということだそうで、昨年と比べるとざっと2割増、ということになります。

しかも、昨年のこの時期に発表された志願者数は「昨年(つまり今から数えるとおととし)の17.5%増」ということでしたから、2年続けて志願者数が2割ずつ増えているという、非常に驚異的な伸びを示しています。

このことから、おととしから今年の入試の2年間で志願者数が1.5倍になっている、ということになります。

このように、摂南大は非常に高い人気となっていることがわかりますが、その一方で今年の公募推薦入試で人気が低く、比較的狙い目となっている学部があるのも事実です。順を追ってご紹介していきます。

まずは、法学部です。公募推薦入試では昨年の約1.5倍の志願者数を集めたようですが、どうやら合格者の手続き率が思ったよりも低く、予定よりも少ない数しか確保できていないようです。つまり、その分の埋め合わせを一般入試で行うことが予想されますので、昨年の一般入試よりも合格ラインが低くてすむ可能性が出てきました。

続いて外国語学部も狙い目となっているようです。こちらは、関西外国語大で新設される予定の英語キャリア学部に受験者が集まっていることが原因のようです。

薬学部も人気薄のようです。全国に数多くある薬学部の中で、摂南大の薬学部の志願者数はベスト10に入るほどの人気なのですが、現時点で手続き者数が少ないようで、狙い目となっています。また、摂南大の薬学部だけに限った話ではありませんが、一般的に薬学部は「学費が高い」ということで敬遠されがちですが、どうも授業で必要になる教科書も相当値が張るようです。一説によると、1年間で10万円ほどの教科書代が必要だ、ということらしいです。このことも少しは薬学部の人気薄の原因となっているかもしれませんね。

学科単位の情報としては、経営学部の経営情報学科も人気が低いことがわかっています。

さて、これら4つの学部あるいは学科については現時点で狙い目であることをご紹介しましたが、それも含めて摂南大の受験を考えている皆さんに1つ注意点があります。

それは、2012年春に新設される予定の看護学部が関係してくる話です。

今年受験生となっている皆さんはこの看護学部に入学出来ないのに、一体なぜ今年の入試に関係があるのか?それについてはまた改めて別のエントリーでご紹介することにします。

現段階での人気動向と今後の展望について、出来るだけ多くの大学の情報をご紹介していく予定にしています。このシリーズの記事は不定期の掲載となるでしょうけども、大学受験生の皆さんにはぜひ毎日このブログをチェックしてほしいと思います。