国公立大 2次出願に向けて ~系統別人気動向~

2011年1月28日 金曜日

1月15・16日に行われた大学入試センター試験の自己採点結果も返却され、受験生の皆さんはいろいろと考えを巡らせていることと思います。なお、今回のセンター試験の平均点(中間集計)や各予備校が予想する平均点についてはこちらのエントリー「2011年度センター試験 予想平均点と難易度変化」でご紹介しています。

いよいよ1月24日(月)からは国公立大の出願が始まっています。自分が志望している系統、大学・学部の人気傾向については非常に気になることと思います。

今回のエントリーでは、今回のセンター試験結果を受けての国公立大の各系統別人気動向をご紹介します。なお、今回ご紹介するのは駿台「データネット」の集計結果に基づく資料となります。

まずは、大きなくくりでの人気傾向をご紹介します(クリックすると拡大します)。

センターリサーチ動向(駿台)①

系統ごとに示されている数字は、「昨年の志望者数を100とした時の、今年の志望者数」を示します。100を超えている系統は「昨年よりも志願者数が集まっている」ことを示し、逆に100を下回っている系統は「昨年よりも人気が低い」という事を表します。

右端の数字は国公立大全体の志願動向を示していますが、今年は昨年よりも多いことがわかります。「長引く不況で国公立大志向が高い」ということと、「センター試験の平均点が高かったので、国公立大チャレンジ組が多い」ということが、国公立大志望者を増やしているようです。

今年特に人気があるのが「国際関係学」「生活科学」「医学」「薬学」「工学」といった系統です。特に、「生活科学」「医学」「薬学」といった系統「資格」や「就職先に困らないだろう」というイメージが強い系統です。昨今の就職の困難さを見てこれら「資格系統」を志望している受験生が多いようです。

また、「工学」と合わせて「理学」も人気を集めています。今年は早くから「文低理高」と言われる志望動向となっており、今回のセンター試験を終えてもその傾向が続いていることが示されています。

さて、逆に人気を落としている系統としては「法学」「経済・経営・商学」の2系統です。経済状況や就職状況が良くない年によくあることですが、この「経済・経営・商学」の系統は嫌われます。就職に直結しにくい学問系統だから、ということでしょう。

「法学」も人気が低いのですが、こちらは経済系とは逆に弁護士などの資格につながる系統ですので、人気になってもおかしくありません。しかし、今回の志望調査だけでなく、今年度1年間通しての模擬試験の志望動向、秋~冬にかけて実施された私立大の公募推薦入試における受験状況など、どれをとっても法学系は人気がありません。やはり「法科大学院まで行かないといけない」ことと、「大学院まで行っても司法試験の合格率が低い」ということで、敬遠されているようです。

次に、各系統の志望動向をもっと細かく分割したものを表2つでご紹介します(それぞれクリックすると拡大します)。

センターリサーチ動向(駿台)②

センターリサーチ動向(駿台)③

赤く示している系統は昨年よりも志願者が大きく増えているところ、青く示している系統は昨年よりも大きく志願者が減っているところ、を表しています。

2つの表を見てみますと、赤く示された系統ばかりになっていることに気づきます。先ほどご紹介したとおり、国公立大の志願者数自体が昨年の5%増しとなっております。そのことが各系統の志願者数増加につながっているようです。

上でご紹介した系統の他に今年人気を集めている系統としては「教員養成系」が挙げられます。この不況・就職氷河期の中で一般企業に就職することは至難の業なので、その代わりに「学校の先生」を就職時に狙ってやろう、ということでしょうか、この系統が注目を浴びているようです。

長々とした文章になってしまいましたが、国公立大2次出願に向けてこのデータを参考にして下さい。

国公立大2次の出願締め切りは2月2日です。お忘れなく!