2011年度大阪府公立高後期 最終倍率①

2011年3月14日 月曜日

3月10日(木)に出願締め切りを迎えた大阪府公立高後期選抜ですが、早速翌日11日(金)の新聞各紙にて最終倍率が発表されました。

今回と次回のエントリーでは、大阪府公立高後期の最終倍率について考察して参ります。今回のエントリーでは主要各校の最終倍率を、進路希望調査結果のデータとも合わせて3年分ご紹介します。いずれの画像もクリックすると拡大します。

まずは第1学区です。

2011年度大阪府公立高後期 最終倍率(第1学区)

一番左端から最終倍率、進路希望調査時点の倍率、昨年の最終倍率と今年のそれとの差、今年の進路希望調査の倍率と今年の最終倍率の差、を表示しています。これら4つについて表内を黄色くしています。

進路希望調査時点で第1学区トップの倍率だった茨木高の2.13倍ですが、調査時点から0.41倍下がって1.72倍となりました。調査時点の倍率を見て驚いた受験生が同レベルの他の高校に出願先を変えたようです。この1.72倍は府下第3位の高倍率です。

同じことが豊中高にも当てはまっています。調査時点で1.99倍、そこから0.21倍下がって最終倍率が1.78倍となりました。しかし、この1.78倍は府下で最も高い倍率となりました。

その反対の動きとなったのが北野高です。調査時点では1.31倍ということで、文理学科を持つ10校の中で数えると下から3番目の倍率となっていました。茨木高や豊中高で考えていた層が北野高の倍率の低さを「狙い目」としたのでしょう、最終倍率は1.43倍、調査時点から0.12倍の上昇を見せました。

春日丘高は1.51倍となり、昨年から0.07倍のアップとなっています。調査時点から0.12倍下がったのがせめてもの救いですが、年々倍率が上がっている状況に今年も歯止めがかかりませんでした。

驚きなのが箕面高の1.03倍。昨年の最終倍率からなんと0.21倍も下げています。例年1.2倍台であることが当たり前だった人気校ですので、今年の受験生たちはこの低倍率にきっと喜んでいることでしょう。

第2学区を見てみましょう。

2011年度大阪府公立高後期 最終倍率(第2学区)

調査時点で最も驚かされたのが大手前高の定員割れ(0.96倍)でした。しかし、大方の予想通り最終倍率は持ち直して1.28倍、昨年の最終倍率から0.03倍アップとなりました。

反対に調査時点から大きく倍率を下げたのが四條畷高です。調査時点では2.20倍という「府内最高の倍率」を記録しましたが、それを見て受験生が大きく逃げてしまい、そこから0.51倍ダウンの1.69倍となりました。調査時点から大きく下がったのでホッとした受験生も多いでしょうけども、この倍率は府下で4番目に高い倍率です。

寝屋川高は昨年から0.01倍ダウンの1.32倍でした。例年通りの倍率となりましたが、事前の希望調査時点では1.17倍とかなり低い倍率となっていました。この倍率の低さに加えて四條畷高の調査時点の倍率の高さもあり、寝屋川高に鞍替えした受験生が多くでたのではないでしょうか。

第3学区はどうでしょうか。

2011年度大阪府公立高後期 最終倍率(第3学区)

天王寺高は1.20倍、昨年と全く同じ倍率に落ち着きました。事前の調査時点からも大きな変動はありません。学区トップ校、ということでレベルの高さは誰もが知っているところですから、「確実に合格出来る!」と思った受験生たちばかりが集まっているのではないか、言い換えればチャレンジ組は少ないだろう、と勝手に予想しています。

昨年から大きく倍率を上げたのが生野高と高津高の2校です。特に高津高は0.48倍のアップとなる1.73倍、府下第2位の倍率となっています。調査時点ではもっと高い1.94倍でしたが、さすがにこれを見てびっくりしたのでしょう、最終倍率は調査時点から0.21倍下げています。生野高に関しては今年から文理学科が設置されましたが、同じ文理学科を持つ天王寺高や高津高に比べると合格するのに必要とされる力が若干手ごろなレベルに写ります。チャレンジ受験が意外と多いのかなと、こちらも勝手に考えています。

最終倍率が昨年よりも大きく上下したところとしては狭山高(1.06倍、+0.13)や布施高(1.06倍、-0.10)といったところがあります。

第4学区の状況を確認してみましょう。

2011年度大阪府公立高後期 最終倍率(第4学区)

この学区の特徴としては、佐野高以上の高校の最終倍率が昨年から大幅に増えている点にあります。他の学区では学区トップ・2番手ぐらいまでが倍率アップとなっていますが、第4学区については3・4番手校まで大きな倍率上昇を見せていることが表からわかります。

反対に、それ以下の中堅校になると大きな倍率ダウン、あるいは手ごろ(学校によっては定員割れ)な最終倍率になっているところが目立ちます。こちらのエントリー「2011年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果」でもコメントしましたが、「前の年の倍率に惑わされず、行きたいと思う学校を受験する!」という気質がこの学区の受験生たちにはあるように見てとれます。

進路希望調査時点で非常に高い人気を示していた岸和田高ですが、そこから0.3倍下げた1.44倍で最終倍率は落ち着きました。三国丘高も調査時点から大きく下げて1.39倍。共に最終倍率は昨年を上回る値となりました。

泉陽高・和泉高・佐野高も昨年の最終倍率から大きく上昇しています。

反対に、登美丘高・金岡高・貝塚南高といった中堅校では定員割れとなっています。特に登美丘高・金岡高は南海高野線沿線に位置しておりますので、同じ沿線沿いにある高校に鞍替えしたものと思いたいのですが、同じようなレベルでそれに該当する高校がありません。したがって、この層の受験生たちの中には私立専願が多かったのではないだろうか、と見ています。

さて、ここまで各学区の主要校の最終倍率を直前の進路希望調査結果や昨年の最終倍率などと比べながらご紹介してきました。次回のエントリーでは大阪府公立高後期全体の倍率、各学区全体の倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項について検証します。こちらもお見逃しなく。