天王寺高 進学校のイメージとは真逆の「クラブ>勉強」

2011年7月7日 木曜日

天王寺高の生徒・保護者対象の説明会にお邪魔をしてきました。

天王寺高 外観

あまりよろしくない空模様の中で開始された説明会でしたが、途中から激しい雨が降り出してきました。それでもクラブ活動に励む生徒たちの声があちこちから聞こえてきたのが印象的です。

天王寺高 説明会会場

会場の様子ですが、毎度毎度参加するたび超満員となっておりまして、今回もご覧の通りぎっしりと席が埋め尽くされていました。

まずは、天王寺高の学習に対する取り組みを簡単にご紹介します。

45分×7コマ、週35コマの授業時間数、授業日数は年間192~194日となっています。毎日英数国が必ず1時間ずつ組み込まれているそうで、大学入試に必要不可欠なこれら3つは早いうちからかなり鍛えられていることが想像出来ます。

気になる文系・理系に分かれる時期についてですが、普通科・文理学科ともに2年生から文系・理系・医系に分かれることになっているようです。

天王寺高と言えば名だたる国公立大に多数合格させていることが広く知られています。そんな国公立大の対策として今回ご紹介いただいたのは、センター試験終了後の高3の2月に国公立大2次試験対策として志望大学別に講座を実施されている、ということです。

普通科と文理学科のカリキュラムの違いも気になります。普通科・文理学科とも同一の教科書を使用しているそうですので基本的には同じようではありますが、例えば文理学科では数学は少人数授業を展開しているなど、細かい部分での違いはあるようです。

会の途中には在校生・卒業生のスピーチがありました。

まずお話いただいたのは理数科高2女子の方。彼女なりの天王寺高のご紹介によりますと、「進学実績が高い高校だからさぞかしクラブは制限されるのだろうと思っていたが、クラブ>勉強の学校生活になっている」「ただし、クラブよりも優先されるのは運動会などの行事ごと」「天高のイヤなところは予習復習がキツイ所と課題が多い所だが、クラブとの両立を実現させるために時間の使い方が上手になった」ということでした。

やはり優秀な子たちは時間の使い方、集中力、気持ちの切り替えなどにも長けているな、と感じました。

次に登場されたのは今春京都大(法)に合格した、在学中は野球部に所属していた男子の方。この方も入学前の天高のイメージは「進学校、勉強がしんどい、クラブが出来ない」といったものだったようです。

彼の口から紹介いただいた中で興味深かったのは、土曜のクラブの前後の時間を利用してクラブ単位で自主勉強を行う「部学習」というものです。きっと仲間同士、あるいはクラブの顧問の先生を始めとしていろいろな先生からのサポートを受けつつ学習を進めていったことでしょう。良い先輩・後輩・先生に支えられた高校生活は何物にも代えがたいでしょう。

と、お二人からのスピーチが終わった所でふと気付きましたが、今年は「天王寺高は勉強ばかりではなくクラブはしっかり出来る」というメッセージで二人とも統一されていたようです。

毎年天王寺高の説明会では生徒や卒業生の方々がスピーチしてくれますが、いつも何か1つのメッセージの下に話が構築されている気がします。事実、昨年か一昨年の説明会ではスピーチされた2名とも天王寺高がある第3学区以外からの入学生、しかもかなり遠い生徒がチョイスされてお話されており、お二人とも「遠くても通う価値がある」というようなメッセージだったように記憶しています。

それはともかく、クラブと勉強を高次元で両立している姿は、今後の受験勉強やその後の高校生活を送る参考にするためにも、受験生であるならば必ず一度は見ておくべきでしょう。