大阪国際大和田中高 国公立大は30名合格

2011年7月14日 木曜日

大阪国際大和田中高の塾対象説明会に行ってまいりました。

大阪国際大和田中高

まずは中学校の取り組みや来年度入試の情報等をお伝え致します。

1コマは50分授業となっており、特に英語の授業ではクラスを2分割して両グループともネイティブ25分・日本人25分の授業を実施している、というものが特徴的な取り組みとなっています。

在校生を対象として毎年「満足度調査」をされておられるようですが、直近の満足度は中1が85%・中2で75%・中3で60%となっているそうです。学年が上がるに従って満足度が下がっているのと、中3の満足度が著しく低いのが気になります。中3の満足度が低い理由としては「学力が思ったように伸びていないから」という理由が多いそうで、この学年の皆さんにはきっと「自分はもっと上を目指すんだ!」という気持ちが強いのだろうな、と、学力を伸ばすことに対する飽くなき探求心が見え隠れします。

中高一貫生の今春の大学合格実績もご紹介いただきました。国公立大は神戸大1名を含む4名、関関同立は21名となっています。しかし、その一方で美容や音楽の専門学校に進学した生徒もいる、ということもご報告いただきました。本人たちの希望は尊重すべきでしょうからこの進路に対してとやかく言うべきではないのかもしれませんが、私立の中高一貫校に6年間預けた結果の進路が専門学校、ということに対してこれから受験校をお考えの保護者や受験生たちが納得するとは思えません。

中学校の2012年度入試については、いくつか大きな変更点があります。

①募集定員を80名から60名に減少させる。1次で40名、2次A・Bで20名の配分。
②これまで4科のみだった入試科目にも手が入り、1次は算国理3科⇒3科(250点)か2科×1.25の高い方で判定、2次A・Bは2科となる。

特に②についてはこれまでの4科固定だったことを考えるとかなり受験させやすくなりますので、大歓迎の変更点です。

続いて、高校についてのご紹介です。

高校はコース制をとっており、2010年から新設された「スーパー理数」、「理数」「英数」の3つで構成されています。

S理数は京阪神大を目指し、特に2次力教科にポイントを置いています。中でも週2回(水・土)に全員対象の「特別プログラム」で幅広い知識や興味・関心を持たせるように工夫しているのが特徴です。

理数は国公立大を目指して5教科7科目の学力伸長を目指すコースです。

英数は難関私大を目指すコースで、文系なら英国数(数の代わりに社会)、理系なら英数理の3科に特化したカリキュラムとしている。また、関大パイロット校提携(14~5名分)や指定校推薦枠を優先的に使用可能とされています。

これらのコースですが、2年進級時に3つのコース間でコース変更が可能となっています。また、S理数と理数の間については3年進級時にもコース変更が可能(カリキュラム等が似ているので)となっています。

今年の大学合格実績ですが、全体で国公立大は30名合格しています。理数コースの1/3が国公立大に合格している、というデータもご紹介下さいました。

また、英数コースの半分が関関同立を始めとする難関私大に合格しているというのも付け加えておきます。

今年2011年度の高校入試結果についてはどうでしょうか。

専願は136名ですが、その中で特に旧第4学区は77名と半分以上を占めており、昨年72名・一昨年62名とくらべて若干の上昇となっています。

併願合格者で実際に入学手続きをしたのは84名、合格者に対する率にすると12.8%です。昨年は手続き者106名・合格者に対する率は13.5%でした。併願は昨年よりも下回ってしまったことがわかります。

併願合格者の中で入学手続きをした84名は男子42名・女子42名とちょうど半分ずつの割合となっています。男子は266名の併願合格数のうち42名が手続きしたので、率にすると15.8%(昨年は13.0%)、女子は390名の併願合格に対して手続きは42名なので10.8%(昨年13.8%)となっています。これらの数値を見ていますと、男子よりも女子の手続き率が大きく下がっていますので、女子の公立高受験先は男子よりも堅実なものだった、と推測されます。

気になる併願者の公立高後期の併願先ですが、次の通りとなっています。

大手前高3名(昨年2名)、四條畷高15名(昨年14名)、寝屋川高22名(昨年31名)
大阪市立高10名(昨年11名)、牧野高8名(昨年13名)

なお、来年度入試である2012年度入試では特に変更点はありません。

同志社高 自由・自治・自立を重んじる校風

2011年7月13日 水曜日

同志社高の塾対象説明会に行ってまいりました。

同志社高①

同志社高②

同志社高③

かつての校地であった今出川からここ岩倉に中学校が移転して間もなく1年が経過します。

さて、同志社といいますと自由な校風、というのが多くの方がお持ちの印象だと思いますが、実際にも「自由・自治・自立」という標語の下、制服もナシ・校則もほとんどナシということで生徒の自主性や自律性を大変尊重されています。

同志社高④

今回の説明会の冒頭で、校長先生が「最近の生徒たちの間に無い「時間・空間・仲間」という「3つの間」を同志社では提供している」とおっしゃられていたのが印象に残っています。

ここからは、教育的な取り組みや大学合格実績についてご紹介をしてまいります。

土曜は希望者を対象とした「土曜特別補講」が4時間開講されており、向学心を持つ生徒たちのサポートの場を提供されています。

高3秋から併設大の商学部にて開講されている簿記の授業を受けたり、法学部の「ジャーナリスト講座」を受講したりすることで、同志社大との高大を接続している形です。

内部進学についてですが、毎年大体85%が同志社大・同志社女子大へ進学しており、15%が他大学へ出られているようです。今年は397名中329名が併設大へ上がり、他大学合格実績としては京都大13名を含む国公立43名、私立大106名という結果となっています。

同志社高の今年の入試結果についても簡単にご紹介しておきます。

今年2011年度入試より推薦入試を導入され、大変大きな話題となりました。その推薦入試では30名募集のところに51名が応募 ⇒ 30名が出願資格認定 ⇒ 全員合格 となっています。

また、応募した51名のうちで出願資格を得ることが出来なかった21名の中に一般に回って受験・合格を勝ち取った者も多かったそうです。ただ、今回の説明会では実際の具体的な人数は示していただけませんでした。

さてその一般の状況ですが、今年の志願者数(一般)は249名。昨年348名・一昨年404名とかなり減ってきているのが気になるところです。

来年2012年度入試に向けて大きな変更点が1つあります。これまで2日間入試だったところを、5教科を1日で実施することになります。これでかなり負担感が減って受験しやすくなりますので、来年は受験者数が増える予感がします。

桃山学院中高 国公立大合格者数が堅調に増加

2011年7月12日 火曜日

桃山学院中高の塾対象説明会に行ってまいりました。

桃山学院中高

桃山学院は2007年から改革に着手されており、2008年には中学の開校、昨年2010年春には改革1期生が高校を卒業し、大学合格実績が大きく向上しています。なお、昨年の大学合格実績の大幅な上昇についてはこちらのエントリー「桃山学院中高 2011年度入試大きな変更点」で詳しくご紹介しています。

中高それぞれの取り組みについて簡単にご紹介しながら、今年度入試の振り返りや来年度入試情報についてご紹介して参りたいと思います。

まずは中学校です。

月・水の16:30~18:00、木の15:30~17:00を「自習ステージ」、火・金・土はクラブ活動、という形で色分けをして勉強とクラブ活動を両立できるように工夫されています。

「Rゼミ」という、各教科の学習をフォローする不定期の指名講習があります。これは基礎力を徹底的に鍛える講習で、授業での不明点が多く進度の遅い生徒を指名し、速やかに学力を回復させるものです。

R1ゼミとは反対のコンセプトである上位者の引き上げについては「M1ゼミ」と呼ばれるものがあります。これは、応用力を教科する希望制の講習で、高校内容に入る中3の2学期から月・水・木の自習ステージ開催時に実施するもので、受講料は有料となっています。

今年2011年度入試の結果について振り返ります。

今年から午後に実施され注目されたB方式、併願状況と昨年との比較をご紹介いただきました。以下の通りとなっています。

桃山学院中 B方式併願校比較

これまでは3日目の月曜実施だったB方式の日程を変更、1日前倒しして日曜日の午後(15時半)に実施された、というのが今年のB方式です。

日曜日の午後実施、ということで併願先の顔ぶれが昨年とは少し異なっていることがわかります。特に同志社香里中や清風中といった昨年はあまり併願者がいなかった所が今年顔を出しているのが特徴です。

その他、B方式の出願者数の比較も含めて、公開いただいたデータを以下に列挙します。

他校併願受験者数 282名(昨年187名)
桃山学院3方式出願者 56名(昨年49名)
B方式出願者 307名(昨年214名)

2012年度入試についてですが、大きな話題を引き起こした昨年とは打って変わって「変更点なし」とされておられます。B方式は今年と同じく15日(日)午後の実施の予定となっています。

続いて高校についてご紹介いたします。

高校は週39コマの授業が展開されています。なお、これまで60分だった1コマの授業を今年から50分にされています。

授業以外のサポート面については、次のようなものがあります。

①2007年からスタートしたチューターによる質問受付が中心となる「自習ステージ」は月~金に実施。
②「M1ゼミ」は火~金の放課後に実施する講習で、授業の不明点を持ちこさないためでなく、早期に高い応用力を育成して大学受験に必要な実践力を身につけさせるもの。
③「R1ゼミ」は各教科の学習をフォローする不定期の指名講習がある。基礎力を徹底的に鍛える講習で、授業での不明点が多く進度の遅い生徒を指名し、速やかに学力を回復させるもの。

高校には「国際A」「国際B」というコースがあるのも大きな特徴です。

国際Aは1ヶ月間、国際Bは高1の1月下旬から1年間、共にカナダに留学することになっています。

大学合格実績についても触れておかねばなりません。

2007年から着手された学校改革1期生が昨年卒業し、今年は改革2期生が巣立ちました。

2010年度は国公立大118名(現役93名)、今年は126名(現役91名)と現役合格者数こそダウンしたものの、合格者総数は2008年度の41名と比較すると3倍にまで増えています。特筆すべきは標準(今年から文理に改称)から14名(昨年8名)の現役国公立大合格者を出したことです。

難関大の合格状況はどうでしょうか。東京大は2年連続合格、京都大は昨年1名から今年2名に、神戸大は2ケタに乗る10名。改革初年度の卒業生が出た昨年からの勢いをそのまま堅持していることがわかります。

一方で関関同立の合格者数については爆発的には増えていません。ただ、学校全体として国公立大志向が強くなってきているのであれば、ここは仕方無いと思われます。

ただ、関関同立も含めて私立大合格実績をよく見てみますと、浪人で佛教大10・畿央大13・龍谷大20など、高校入学時のレベルを考えると現役合格して当然の所でさえこの結果となっている点が気になります。

2011年度入試結果についてです。

志願者数は2205名、昨年1664名・一昨年1637名なので、大幅な増えを見せています。その内女子が300名程度増えています。この理由としては、これまで女子の回し合格先が「国際」しかなく、留学を希望しない女子受験生に嫌われていたところ、今年は文理(かつての標準)が女子の受け入れを開始したため回し合格となっても受容してもらいやすくなったため、と分析しています。

この事が大きく影響して、今年の入学者の男女比率は男子64.5%・女子35.5%となりました。ちなみに、3学年全体の女子比率は30%程度だそうなので、今年は女子比率が高かったことがよくわかります。

高校入試においても来年は大きな変更点はない、とのことです。

改革に着手されてから国公立大合格者数が増えている桃山学院中高。中学の1期生が今高1になっており、その生徒たちが大学入試を迎える年も含めて、これから先数年は目が離せない学校になりそうです。

公募推薦入試 評定平均値と合格率の関係は?①

2011年7月11日 月曜日

大学入試には実にいろいろな入試形態がありますが、その中でも今回は公募推薦入試について取り上げます。

公募推薦入試は、高校の成績がある一定以上のものを対象にして、入学試験・調査書・各種資格を点数化したりして合格者を決める入学試験です。関西地区のほとんどの大学で実施されており、募集人員も一般入試に次いで多い、というのが大きな特徴です。

指定校推薦入試と異なるのは、要件を満たしていればほとんどの高校の生徒が受験出来る、という点です。国公立大の公募制推薦は定員枠も少なく、出願条件とされる評定平均値が4.0以上と高めでセンター試験の受験が必須の場合もありますが、私立大の推薦入試の場合、成績(評定・調査書)についての条件が設けられていない場合も多々あります。つまり、「評定が○○以上でないと出願出来ない」といった条件を設けている私立大もあれば、そういった基準が一切ない私立大もある、ということです。

その代わり、私立大の公募推薦における成績(評定・調査書)の扱いとして最近増えているのが「評定の点数化」です。全国でも特に近畿地区の私立大では「学力試験+評定の点数化」のパターンが多く見られるのも特徴です。

次のグラフは東日本・西日本の私立大に対するアンケート調査を通して、公募推薦入試において高校成績をどのように利用するのかを尋ねた結果となっています。

公募制推薦入試における高校成績の利用

東日本と西日本では高校の成績の用い方がかなり違っており、東日本では出願要件(基準設定)として用いるのが主流であるのに対し、西日本では「合否判定の一環として明示」、つまり評定を点数化して総点に加算する用い方が目立ち、出願要件としての設定は東日本の私立大よりもはるかに少なくなっています。

さて、ここ関西の私立大で行われている公募推薦入試では「評定を点数化する」ケースが多いことがわかりましたが、通常、入試と言えば「入試当日に行われる学力試験の点数が高い者から順に合格する」ものであるのですが、「評定の点数化」を試験の中に組み込んでいる入試に関しては「試験開始前からすでに受験生たちの間で差がついている」ことになります。

評定を点数化する際の例として、龍谷大の公募推薦入試を取り上げて検証してみましょう。

例 龍谷大 公募推薦入試 の場合
(調査書を10倍して50点満点で換算)

Aくんの評定3.0 × 10 = 30点
Bさんの評定3.5 × 10 = 35点
Cさんの評定4.2 × 10 = 42点

いかがでしょうか。高校の成績(高1~高3の1学期)がこのように得点となって重くのしかかってきます。当然、これプラス当日のテストが300点満点や200点満点で実施されるものの、例えばAくんとCさんでは試験スタート前にすでに12点の差がついた状態となります。

さあ、このように入試開始前から受験生の間で大きな差をつけてしまう評定。実際に評定が悪いと公募推薦入試には合格出来ないのでしょうか?また、評定が悪くても公募推薦入試で合格を勝ち取るためには一体何をすればいいのでしょうか?

それらについては次回のエントリーで詳しくご紹介したいと思います。

帝塚山大 学生サポートがきめ細かい

2011年7月8日 金曜日

帝塚山大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

帝塚山大①

近畿地区の様々な会場でご実施されている説明会の中で、今回私は東生駒キャンパスで実施された回に参加致しました。

帝塚山大②

近鉄 東生駒駅からバスで5分ほどの所に位置しており、ご覧の通り緑に囲まれているキャンパスです。

帝塚山大は開学から約50年ほど経過した大学で、今回お邪魔した東生駒キャンパスには4学部、近鉄 学園前駅のすぐ目の前にある学園前キャンパスに2学部、合計6学部9学科を有する中規模大学です。

学生総数は今年の春時点で4848名、男女比率は58:42となっているそうです。近畿地区出身者は3957名(81.6%)に対し、近畿以外の出身者は891名(18.4%)と、圧倒的に近畿地区出身者で占められています。

6学部それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

①人文学部
日本文化学科ではフィールドワークを重視し、年間25回以上の学外実習を行う。英語コミュニケーション学科では日本文化を英語で紹介する「観光英語」の学外実習に注力。

②経済学部
社会人としての教養・経済知識・ITといった基礎学力を徹底的に修得させる。

③経営学部
来春より現在の経営情報学部から経営学部に名称変更予定。ITに呼応した経営や会計の知識・センスを身につける。

④法学部
公務員・企業・暮らしの法の3つのコースから1つを選んで学習する。ビジネスや日常生活に活かせる法律知識を学ぶ。警察官の採用においては一昨年に全国56位・近畿地区では12位という高さだった(今年は全くダメだったそう)。

⑤心理学部
少人数による基礎教育を重視。臨床心理士資格取得率は66.7%で、全国平均を上回る。

⑥現代生活学部 「食物栄養学科」「居住空間デザイン学科」「こども学科」から成る。食物栄養では管理栄養士合格率が85.4%で全国平均より上、居住空間デザインでは2級建築士だけでなく1級建築士の受験資格までも取得可能。こどもでは保育・幼稚園・小学校の3つの資格が取得出来るカリキュラムで、食物栄養学科との連携によって「食育」にも力を入れている。

個人的には⑥の現代生活学部の内容に興味を持ちます。

これら学部それぞれにも特徴的な取り組みがあるのですが、大学全体で取り組まれていることも合わせてご紹介いたします。

近年、大学入学者全体によく起こる問題である入学直後のギャップに対して特に力を入れて以下3つのサポートを実施されています。

①やる気を促すサポート(高校から大学への円滑な移行を支援)
・初年次教育
・学習支援室と学生相談室
・アドバイザー制度

②やる気に応えるサポート(学習を支える充実した奨学金支援)
・修学を支援する奨学金
・頑張りが報われる奨学金

③やる気を伸ばすサポート(キャリア支援と資格支援)
・1年生からはじまる「キャリアデザイン」科目
・各種インターンシップ
・特別資格サポート制度

入学直後に「どうやって大学生活を送ればいいのかわからない」という学生が多い事に対してしっかりと面倒を見つつ、4年後の就職に向けても早期から意識付けや体験機会を持たせておられます。

このように、学生生活・資格取得・就職支援といった事柄すべてにおいて大変きめの細かいサポートが実施されている点について大変好感が持てます。

最後に、2012年度入試についてです。主な変更点は次の通りです。

①公募制推薦(前期・後期 専門課程含)が、2科目型と1科目型の選択に。
②公募制推薦に小論文型を追加(①と②は併願可能)。
③AO入試を前期・後期・3月の3回に分けて実施。
特にAO3月はエントリー不要の志望動機を重視した入学試験で、「センター利用型」「第三者評価書利用型」の2パターンの選考方法あり。

大阪からは非常に通いやすいですが、京都からも1時間程度で着くということで交通アクセス面では良い位置にあります。帝塚山大、一度のぞいてみて下さい。

天王寺高 進学校のイメージとは真逆の「クラブ>勉強」

2011年7月7日 木曜日

天王寺高の生徒・保護者対象の説明会にお邪魔をしてきました。

天王寺高 外観

あまりよろしくない空模様の中で開始された説明会でしたが、途中から激しい雨が降り出してきました。それでもクラブ活動に励む生徒たちの声があちこちから聞こえてきたのが印象的です。

天王寺高 説明会会場

会場の様子ですが、毎度毎度参加するたび超満員となっておりまして、今回もご覧の通りぎっしりと席が埋め尽くされていました。

まずは、天王寺高の学習に対する取り組みを簡単にご紹介します。

45分×7コマ、週35コマの授業時間数、授業日数は年間192~194日となっています。毎日英数国が必ず1時間ずつ組み込まれているそうで、大学入試に必要不可欠なこれら3つは早いうちからかなり鍛えられていることが想像出来ます。

気になる文系・理系に分かれる時期についてですが、普通科・文理学科ともに2年生から文系・理系・医系に分かれることになっているようです。

天王寺高と言えば名だたる国公立大に多数合格させていることが広く知られています。そんな国公立大の対策として今回ご紹介いただいたのは、センター試験終了後の高3の2月に国公立大2次試験対策として志望大学別に講座を実施されている、ということです。

普通科と文理学科のカリキュラムの違いも気になります。普通科・文理学科とも同一の教科書を使用しているそうですので基本的には同じようではありますが、例えば文理学科では数学は少人数授業を展開しているなど、細かい部分での違いはあるようです。

会の途中には在校生・卒業生のスピーチがありました。

まずお話いただいたのは理数科高2女子の方。彼女なりの天王寺高のご紹介によりますと、「進学実績が高い高校だからさぞかしクラブは制限されるのだろうと思っていたが、クラブ>勉強の学校生活になっている」「ただし、クラブよりも優先されるのは運動会などの行事ごと」「天高のイヤなところは予習復習がキツイ所と課題が多い所だが、クラブとの両立を実現させるために時間の使い方が上手になった」ということでした。

やはり優秀な子たちは時間の使い方、集中力、気持ちの切り替えなどにも長けているな、と感じました。

次に登場されたのは今春京都大(法)に合格した、在学中は野球部に所属していた男子の方。この方も入学前の天高のイメージは「進学校、勉強がしんどい、クラブが出来ない」といったものだったようです。

彼の口から紹介いただいた中で興味深かったのは、土曜のクラブの前後の時間を利用してクラブ単位で自主勉強を行う「部学習」というものです。きっと仲間同士、あるいはクラブの顧問の先生を始めとしていろいろな先生からのサポートを受けつつ学習を進めていったことでしょう。良い先輩・後輩・先生に支えられた高校生活は何物にも代えがたいでしょう。

と、お二人からのスピーチが終わった所でふと気付きましたが、今年は「天王寺高は勉強ばかりではなくクラブはしっかり出来る」というメッセージで二人とも統一されていたようです。

毎年天王寺高の説明会では生徒や卒業生の方々がスピーチしてくれますが、いつも何か1つのメッセージの下に話が構築されている気がします。事実、昨年か一昨年の説明会ではスピーチされた2名とも天王寺高がある第3学区以外からの入学生、しかもかなり遠い生徒がチョイスされてお話されており、お二人とも「遠くても通う価値がある」というようなメッセージだったように記憶しています。

それはともかく、クラブと勉強を高次元で両立している姿は、今後の受験勉強やその後の高校生活を送る参考にするためにも、受験生であるならば必ず一度は見ておくべきでしょう。

龍谷大 臨床心理学科新設と国際文化学部の深草移転

2011年7月6日 水曜日

龍谷大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

龍谷大 瀬田C①

今回は瀬田キャンパスで行われた説明会に参加してきましたので、会の前後にキャンパス内をうろうろとしました。

龍谷大 瀬田C②

さて、龍谷大では来年2012年4月文学部内に臨床心理学科を新設されることになっています。定員は92名となるこの学科ですが、この分野については2002年から研究をされてきたそうです。

また同時に、文学部内の史学科を歴史学科へ、国史学専攻を日本史学専攻への名称を変更されることになっています。

その他、真宗学科や仏教学科等を含めると文学部の入学定員は870名となります。これは、短期大学部も含めて9学部25学科ある龍谷大全体の実に20%を占める、ということで最も大きな定員を持つ学部となります。

また、タイトルにもありますとおり、国際文化学部が深草に移転することも正式に発表になっています。

現在瀬田キャンパス内にあるのですが、2015年4月までに深草キャンパスに移転させる、ということになっているようです。よって、2012年度入試以降で同学部に入学される方は在学中にキャンパスが移る可能性があることを知った上で受験する必要があります。ご注意ください。

個人的には、京都には外国人が多くいるという点においても、また、日本文化を代表するものが京都には多数あるという点においても、国際文化学部を深草キャンパスがある京都に移転させるのは教育的にも大正解だと考えています。

さて、同学部の移転後、瀬田キャンパスには新しい学部が設置される予定になっている模様です。一体何学部が設置されるのか?大変気になるところではありますが、これについても近々発表がされる予定になっているそうです。正式な発表を待ちたいと思います。

2011年度の入試結果にも触れておきます。入試方式別の志願者・合格者数と昨年度(2010年度)からの増減について次の表にまとめました。

龍谷大 志願・合格者数と増減

トータルで見ると志願者が1割減少である一方で合格者数は昨年から微増、ということでかなり入りやすくなっていたことがわかります。

ただ、公募推薦においては志願者数が減っているにもかかわらず、合格者数をそれ以上に減らしていることから、公募推薦については少し狭き門だったことが予想されます。

表には現れていませんが、公募推薦では経済と国際文化、一般Aでは国際文化と短大、一般Bでは短大、一般Cでは社会と短大といった所が昨年よりも志願者数を増やしていますが、その他については昨年を割っています。

特に一般Cではトータル志願者数は昨年の86.1%であった一方で合格者数は175.5%も出されており、相当広き門になった模様です。3月の入試、つまり最後まであきらめなかった受験生たちの多くに合格通知が舞い込んできたようです。

センター利用入試は増えてはいるものの、公募推薦と一般で大きく志願者数を減らしている龍谷大ですが、逆に言うとここまで倍率が下がったのであれば来年の入試では「狙い目」として良いかもしれません。

京都女子大 高い就職率・資格合格率を誇る

2011年7月5日 火曜日

京都女子大の高校・予備校対象説明会に行ってきました。

当ブログでは昨年も何度か京都女子大のことについては何度かご紹介していますので、合わせてお読みください。

京都女子大 創立100周年を迎えての大改革
京都女子大 春のオープンキャンパス 行ってきました

京都女子大ではこれまで様々な改革に取り組まれており、その1つが今春より始まった「女子大初の法学部」です。そんな様々な改革の中で、特に最近ではどのようなことが行われているのか?についてまとめてみました。以下は2011年4月から実施されている諸改革です。

①キャンパス整備
2011年3月に法学部校舎、演習室棟、立体駐輪場が完成したが、今後も新学生寮、新図書館、研究所棟などの建設や、既存校舎の耐震補強工事を充実していく予定。

②教育課程の改善
少人数教育の充実、初年次教育の充実、履修指導の充実という3つの充実に加え、新カリキュラムを導入して学生の成長を支援し、教育・指導する体制を整備。

③学生支援体制の強化
キャリアセンター、教職支援センター、進路・就職課それぞれからのサポート体制を可能にし、学生一人ひとりに対してきめ細やかな支援が出来る体制を整備。

さて、今回のタイトルにもありますとおり、京都女子大は就職率や資格合格率において非常に優秀な成果を出されています。それも順番にご紹介していきます。

まずはやはり「就職率」でしょう。過去3年間の就職率の推移は次の通りとなっています。

2011年 94.8% ? 2010年 93.3% ? 2009年 97.1%

今年2011年の「大卒女子 就職率」は91.2%、「私立大全体の就職率」は90.4%という壊滅的な状況の中でもこれだけの数字(94.8%)を出せているのですから、大変立派だと思います。

また、就職された方のうちで正社員として採用された方の率は92%、従業員500人以上の企業には40%程度が就職されている、という大変頼もしいデータもございます。

資格関連ではどうでしょうか?

京都女子大出身者の各種資格の合格率と全国平均は次の通りです。

管理栄養士国家試験合格率 94.7%(全国の合格率40.5%)
社会福祉士国家試験合格率 45.5%(全国の合格率28.1%)

管理栄養士の合格率の高さが目を引きますが、社会福祉士の合格率についても「近畿地区女子大の中で1位」となっています。どちらも相当な好成績です。

また、教育学科(教育学専攻)と児童学科において、就職希望者のうちで教員や保育士に就職した方の率もお教えいただきました。

教育学科(教育学専攻):87.9%(昨年78.4%)
児童学科:89.4%(昨年68.8%)

教育学専攻の卒業生121名中73.6%となる89名が教員として採用されたそうですが、これより高い率となった大学は全国に4大学のみです。また、上記89名中「正規採用」となった方は43.8%となっており、この%より高い値となった大学は鳴門教育大と奈良教育大の2大学のみとなっているなど、こちらも先に紹介した就職率や管理栄養士・社会福祉士の合格率の高さと肩を並べる良い結果となっています。

これだけ「出口」の状況が良い大学もきっと中々見つからないと思います。

就職率・資格取得率が全国トップレベルの京都女子大。女子の皆さんにおかれましては第一志望として、あるいは第一志望が国公立大や関関同立である場合は、それらの併願先の最右翼として考えて欲しい大学の1つです。

開成教育グループ 入試対策課が自信を持ってオススメする大学です。

同志社香里中 後期入試実施へ!

2011年7月4日 月曜日

先日のエントリー「同志社女子中 後期入試実施へ!」では、同志社女子中が統一解禁日のみで実施していた入試に加え、同志社系列では初となる後期入試(日程は未定)を新設して入学者獲得に乗り出した件について、過去5年間の入試状況等も交えながらご紹介を致しました。

今回のエントリーでは、同志社系列校の1校である同志社香里中もまた後期入試を導入される件についてご紹介を致します。

詳しい入試要項については以下の画像の通りです(画像をクリックすると拡大します)。

同志社香里中 2012年度入試要項

赤字で示している部分が今年の入試からの変更点となります。

先にご紹介した同志社女子中との違いは次の通りです。

①入試科目は国算理社の4教科のみ
②前期はこれまで通り4科のみの判定
③後期は4科判定の他に国算理か国算社の2パターンの3科判定で最も高い者で判定

前期はこれまで通り4科での入試、ということになります。一方、後期については4科を必ず受験しないといけない、という点が同志社女子中と比べて厳しい条件になっているものの、3科での判定は国算社も含まれている、という点が同志社女子中には無い「ありがたい」点となっています。

こちらのエントリー「2011年度中学入試 結果分析③ ~大学附属校 その1~」でもご紹介していますが、同志社香里中はじわじわと受験者数を減少させてきています。

同志社香里中の入試状況についてまとめたのが下のグラフ等になります。

同志社香里中 これまでの入試状況

ご覧の通り、倍率はここ数年1.5倍で推移していますが、受験者数を見てみますと2007年度から2011年度にかけて徐々に減ってきていることがわかります。

最近では特にJR高槻駅前に完成した関西大学中の存在も大きく影響しているものと思われます。

同志社女子中と同じタイミングで同志社系列としては初めてとなる後期入試を設定されるわけですが、2012年度入試における最も大きな変更点ということで認識しておいてよいと思います。

気になる後期入試の日程は、同志社女子中同様にまだ決まっていません。続報を待ちたいと思います。

同志社女子中 後期入試実施へ!

2011年7月1日 金曜日

同志社女子中が2012年度入試より後期入試を導入することになりました。

詳しい募集要項は次の通りとなっています(画像をクリックすると拡大します)。

同志社女子中 2012年度入試要項
赤字で示されている部分が今春入試からの変更点となります。後期日程が新設された点と、これまで4教科受験が固定されていた所を3科4科選択制にされている点が大きな変更点です。4科で受験しておけば自動的に3科(国算理)の計算式に当てはめて計算し、どちらかの高い方で判定してくれる、というパターンです。

残念なのは、3科は国算理の固定となっている点です。こちらのエントリー「大阪女学院中 3科4科選択制入試導入へ」でご紹介したように、同じ女子校で今年から3科4科の選択制を導入される大阪女学院中では、4科の受験生を3科で判定する場合は国算理と国算社の2パターンを用意してくれています。

ちなみに、この後期日程が何日に実施されるか?については現時点では発表されていません。正式な発表を待ちたいと思います。

さてこの同志社女子中なのですが、こちらのエントリー「2011年度中学入試 結果分析③ ~大学附属校 その1~」では関関同立附属校の入試結果について詳しく分析を行いました。その中でも触れていますが、同志社女子中は同志社系列校の中でも特に志願者数の減少が著しく、非常に苦しい募集状況が続いています。

改めて過去5年分の入試状況についてまとめたのが下の画像となります。

同志社女子中 これまでの入試状況※2009・2010の受験者数に誤りがありましたので、修正しました。

今年2011年度入試における実質倍率ですが、WRコースだけを見てみますと2.7倍ということで高い倍率となっている一方、グラフ等にもありますとおり、全体では1.2倍と非常に落ち着いた倍率となっています。この傾向に歯止めをかけるべく、同志社系列では初めてとなる後期入試の実施に踏み切った、というのが正しい見方でしょう。

この後期日程導入がどのような影響を与えるのでしょうか?2012年度入試における最も大きなトピックスの1つとなることは確かですので、今後も注視してまいりたいと思います。

また、2012年度入試における最も大きなトピックスとなるであろう、もう1つの情報については次回のエントリーで詳しくご紹介いたします。こちらもお楽しみに。