高津高 自律や自己責任を自覚させる校風

2011年8月4日 木曜日

高津高の受験生・保護者対象の説明会にお邪魔してきました。

高津高

教育方針として挙げられているのは次の3つです。

①充実した教科指導と綿密な進路指導によって、生徒一人ひとりの自己実現を目指し、難関大学への進学をはじめとした進路実績を向上させる
②学校でのあらゆる活動を通して、守るべき規範と果たすべき役割を自覚させ、課題を自ら発見し解決する能力を養う
③知的好奇心と探究心にあふれ、幅広い教養を身につけた次代を担う人材を育成する

今春より設置された文理学科では、情報と保健の週4時間分を以下に代替するのが特徴点となっています。

①1年生を対象とした教科横断型授業「高津LCⅠ」
幅広い能力と科学的素養を身につけるため、国語・英語・数学・情報・保健の5分野で週2時間の教科横断型授業を実施。
②2年生対象の課題研究「高津LCⅡ」
理数系の各分野に2~8名に分かれて、水と環境をテーマに課題研究を実施し、大阪府や校内、その他の発表の場で研究成果を発表する。

高津高では、公立高らしく型にはめる指導ではなく、自律や自己責任を自覚できるように細かい規則は作っていない。以下がその例です。

①制服がない
②頭髪についても特に規則は設けていない
③携帯電話の持ち込みは可能(校内の使用は禁止)
④アルバイトも禁止していない

まさに「自主自律」を重んじた方針となっていますが、一点だけ厳しくかつ具体的に指導されているのが「ビーチサンダルとハイヒールは禁止」という、なんとも随分細かいところに対する注文です。廊下や階段を歩く音が大きく、授業の妨げになるからなのでしょうけれども。

授業面についてです。

50分×7コマが週3日あるほか、土曜・早朝・放課後等で講習が実施されているなど、学習機会は多く確保されている印象です。特に土曜は午前中はクラブ禁止としているだけでなく、高3にもなると午前から17時までみっちりと講習が組まれているなど、大学受験に向けてのサポートもしっかりしてくれています。

公立高と言えばやはり「全員で盛り上がる多くの行事ごと」を思い浮かべますが、高津高では行事は少ない方、ということだそうです。ただ、特にユニークなのが文化祭と体育祭を立て続けに実施する「記念祭」。次のようなスケジュールで立て続けに実施されます。

1・2日目 文化祭
3日目 休み
4日目 体育祭

なかなかハードですが、このスケジュールだと全員が何らかの役目に当たらないといけなくなるので、その点においては「全員で作り上げる」ことが実現されているのではないでしょうか。

高津高では生徒・保護者対象に学校の取り組みなどについてのアンケートを行っているようですが、特に「入学して(させて)よかったか」の回答状況は次のようになっています。総じて満足度は高い様子です。

生徒
そう思う 61%、ややそう思う 30%、ややそう思わない 7%、全くそう思わない 3%
保護者
そう思う 65%、ややそう思う 29%、ややそう思わない 5%、全くそう思わない 1%

2002年にはエルハイスクール、2008年にはスーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、今年春には進学指導特色校の10校に選ばれ、文理学科も設置されました。このようにここ数年で高い教育力があちこちで評価をされ、同時に今後にも期待が集まる高津高の様子でした。