2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③

2011年9月5日 月曜日

2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②
に続くエントリーです。

2011年度滋賀県公立高入試で出題された5教科それぞれにおける「小問別正答率」をご紹介しながら、各教科の出題傾向や対策ポイントについて考えているシリーズです。

3回目となる今回は、社会についてです。小問別正答率は以下の通りとなっています(画像をクリックすると拡大します)。なお、昨年度である2010年度の社会の小問別正答率はこちらのエントリー「滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③」でご紹介しています。合わせて対策にお役立て下さい。

2011年度滋賀県公立高 小問別正答率(社会①)

2011年度滋賀県公立高 小問別正答率(社会②)

今年度の社会の平均点は52.7点(100点満点)でした。

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析は次の通りです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

大問1は、略地図や資料をもとに、時差や大洋の分布などの基本的事項の理解をみるとともに、資料を正しく読み取り、世界の国々の貿易などの特色や、日本の各地方の農業の特色などについて考察し、正しく判断する力や適切に表現する力をみる問題であった。大洋の分布や季節風、農産物についての問題では正答率が60%以上であり、基礎的・基本的な力はおおむね身についているといえる。しかし、各地方の面積と人口からその特徴を読み取る問題や日本の農業の特色を考えさせる問題では、正答率が低く、今後は資料を適切に読み取る力を育てていく必要がある。

大問2は、わが国の歴史的建造物について、書院造、古代・中世の文化、日本の産業革命の特徴などを取りあげて、歴史的事象の特徴を的確にとらえる力や適切に表現する力をみる問題であった。古代・中世の時代の特色や文化についての問題からは、基礎的・基本的な事項の理解はほぼできているといえる。しかし、日本の産業について説明する問題では正答率が低く、資料を読み取り、適切に表現する力を育てていく必要がある。

大問3は、政治や裁判のしくみ、貿易についての基礎的・基本的事項の理解をみるとともに、滋賀県の地産地消に関する資料をもとに考察する力をみる問題であった。国と地方の政治のしくみに関する問題や裁判の種類に関する問題の正答率が高く、公民的分野における基礎的・基本的事項の理解がおおむねできていることがうかがえる。しかし、地産地消について考えさせる問題では正答率が低く、今後は、地域の課題について日頃から関心をもち、自らの生活との関連を考えさせる指導が望まれる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

社会の問題は、地理・歴史・公民の3分野について基礎的・基本的な事が分かっているか?について問われているだけでなく、多面的・多角的な見方や考え方ができるかどうか?についても見られているようです。また、地理的・歴史的なこと、社会的なことについても、地図・グラフ・図表などの資料を使いながらしっかりと判断する力や適切に表現する力があるかどうか、についても見られている、という点が特徴です。

「全体的に、地理、歴史、公民の各分野における基礎的・基本的事項についてはおおむね理解できている。しかし、資料からさまざまな情報を読み取り、適切に表現する力を身につけさせることが必要であり、基礎的・基本的な知識・技能を活用し、社会的事象を多面的・多角的に思考・判断して、表現する力を育成する指導が望まれる。」と滋賀県教育委員会が発表していますとおり、知識的な問題の正答率は全般的に高いのですが、資料を読み取って適切に表現する力を試される問題では正答率が低い、というのが特徴です。

残り半年の間は、資料からいろいろな情報を読み取る力と、読み取った情報を自分の言葉で上手く表現する力、この2つをしっかりと身につけるように対策を進めて欲しいと思います。もちろん、基礎・基本となる各分野の知識も身につけながら。

次回は理科についてご紹介します。

中高進学フェア