立命館宇治中 複雑な推薦型入試

2011年9月6日 火曜日

かなり前に行われたのですが、立命館宇治中高の塾対象説明会の様子をご報告します。今回は中学校についての情報をお届け致します。

まずは教育内容から。

中学では「基礎力を鍛える」こと、特に学習姿勢・生活習慣・自律といった点に重点を置いた指導をされています。具体的には読書力向上のために3年間で200冊・2万ページ読ませたり、文章力をつけるために徹底した添削指導を行ったり、といった本格的なものです。

立命館宇治中と言えば、推薦型入試・一般型入試・帰国生向け入試・スポーツや特技を活かした入試といった様々な形態の入試を経て各自入学してくる学校ですが、帰国生などの英語が堪能な生徒たちは同じクラスに集める処置はとっているものの、基本的にはすべてミックスしてのクラス編成とされています。いろいろな個性の子が居て互いに刺激を与えあうことができるでしょうから、この方が学ぶ生徒たちにとってもメリットは大きいでしょう。

中学から併設高校へ進学する際には「一貫」か「SEL(SIP)」のどちらかのコースを選んで進学することになります。後者は1年間の留学が必須となるコースです。

さて、その高校では活用力・探究力を養成するべく、特に高大連携による高度な学びやキャリア教育に力を入れておられます。

SEL(AIP)コースでは国際バカロレア(IB)の世界水準の共通カリキュラムに基づいたイマージョン教育が実施されている点が大きな特徴となっています。

このIB、日本ではマイナーですが、世界では94万人が学ぶ大変規模の大きなプログラムで、これを経れば世界の名だたる大学に最短距離で入学できるという大きなメリットが得られます。ちなみに、以下は主要な大学における入学者のうちIB資格を持つ者が占める割合です。

ハーバード:13.1% イェール:15.1% スタンフォード:17.6%

続いては入試についてです。立命館宇治中の入試制度は大変難解です。

自己推薦では「模試・内申結果」と、提出は任意となる検定結果・文化・スポーツといった「特技」の面から判定されます。書類選考をパスして出願資格を得れれば、本番では100%合格となっているのも特徴です。

ここで1つ来年度からの変更点があります。自己推薦入試はこれまで入試当日は「作文」のみが課されていましたが、2012年度入試より「標準テスト」に変わります。これは、4教科内容を80分に圧縮して行うもの、だそうです。

i推薦では、「英検準2級以上の英語力」と「模試・内申結果」とで判定されます。

SA推薦というのもありますが、これは「スカラー・アスリート&アーティスト」の略称で、「特技とその実績・将来性」に「模試・内申結果」を加味して合否判定を行うものです。学校には無いクラブ活動における特技であること、が条件となっているものの、サッカーのユース所属者に関してはサッカー部が立命館宇治にありますがSAでの受験・入学は認められる、ということもお知りおき下さい。

上記3つの推薦については10月以降の学校説明会に参加をし、「申請書」「志願理由書」を受け取る必要があるります。

また、これらの推薦の他、一般と国際の2種類の入試もありますが、それらも含めて入試区分別入学者比率は次の通りとなっています。

自己推薦:43%(昨年47%)、i推薦:3%(昨年4%)、SA推薦:1%(昨年12%)
一般:26%(昨年42%)、国際:11%(昨年11%)

年内の推薦型入試が3種類、それで出願資格をもらえなくても年が明けての一般入試でのチャレンジが可能な立命館宇治中。まずは推薦型の入試でエントリーするのが得策でしょう。制度がいろいろあってややこしいのが難点ですが・・・。

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