2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率⑤

2011年9月13日 火曜日

2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②
2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③
2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率④
に続くエントリーです。

2011年度滋賀県公立高入試問題各教科の小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していますこのシリーズ、今回で最終回となります。

最終回は英語となります。小問別正答率は以下の通りです(画像をクリックすると拡大します)。なお、昨年度の入試である2010年度の小問別正答率などについてはこちらのエントリー「滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率⑤」でご紹介していますので、合わせてお読みください。

2011年度滋賀県公立高 小問別正答率(英語①)

2011年度滋賀県公立高 小問別正答率(英語②)

なお、今年度の英語の平均点は44.3点(100点満点)でした。

以下、滋賀県教育委員会が発表した解答の分析の一部です。

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大問1の聞き取り問題では、絵を見て答えを選ぶ問題の正答率や、初歩的な会話の流れや内容を聞き取る問題の正答率が高く、中学校の授業で英語を「聞く・話す」活動に積極的に取り組ませている成果が現れている。しかし、具体的な内容を聞き取ったり、前後の流れから内容を理解したりする問題では正答率が低かった。日ごろから、相手が何を伝えようとしているのかを注意しながら聞き、話し手の考えについての中心となる部分を理解するような活動を一層充実させることが望まれる。

大問2は留学生と生徒のスピーチを題材にして、話し手が伝えようとすることを読み取る力や場面や状況に応じて英語で適切に表現する力を見る問題である。英文の基本的な構造を理解する問題では、比較的高い正答率であったが、本文の内容理解が必要な問題については正答率は低かった。日ごろから、相手との関係などを踏まえ、自分の意向を明確にしたうえで適切な表現を用いて書く力を育成することが望まれる。

大問3は、生徒たちと先生の会話を題材に、英語の理解力や表現力などを総合的にみる問題である。日常会話における適切な表現を選択肢から選ぶ問題や、会話の流れを把握しているかをみる問題では、比較的高い正答率であったが、場面や状況に応じて適切に表現する力をみる問題の正答率は低かった。まとまりのある英文を読み、その内容を的確に読み取ったり、内容の事実関係や順序などを整理したりする活動をより一層充実させることが望まれる。また、それにとどまらず、自分の考えや気持ちを明確にしたうえで、適切な表現を用いて応じたり書いたりする活動を取り入れることも重要である。

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今年度の英語の問題は「聞く、話す、読む、書く」の4つを総合的に問うことが意識して作られた感じです。実際に中学校で起こりえるような場面設定で出題されていたり、中学校での学習内容をしっかりと踏まえた問題が出題されていたり、問題の量も適当だったりと、良質な入試問題だったようです。

なお、滋賀県教育委員会からは「全体的には、初歩的な英語を聞いて話し手の意向を理解する力や、英文を読んで大まかな流れをつかむ力はあるが、大切な部分を聞き取る力や的確に読み取る力、相手との関係や相手の立場を踏まえ、自分の意向を明確にしたうえで適切に表現する力は十分に定着しているとは言えない。コミュニケーション能力の基礎を養う観点から、英文の正確な語順や構造を意識させるとともに、英語で表現することへの関心・意欲を高める工夫をする必要がある。さらに、他の生徒が聞いたり読んだりしたことについて、その内容を理解するだけでなく、自分なりの感想や意見などをもち、それをもとにコミュニケーションを図るような指導を一層充実することが望まれる。」とのコメントが発表されています。

英語は読んだり書いたりすることももちろん大切ですが、実際の会話において聞いたり話したりすることがさらに重要です。英語が公用語ではない国の中でも特に日本人の英語力が低いのは、前者である読む・書くことに重きを置かれた英語教育になっているからである、ということは周知の事実です。その点を打開する必要があるのですが、滋賀県公立高の英語の入試問題では、初歩的な英語を聞くことや読むことを通して話し手や書き手の意向を理解して自分の考えを英語で表現する、といった実践的なコミュニケーション能力を問う問題が出されています。

公立高の入試問題でそのような「実践的コミュニケーション能力を問う問題」が出ている以上は、中学生もそれに対応するような力を身につけておかないといけない、ということになります。

よって、今後残り半年ほどでは、特に読む・書くという点だけではない、特にコミュニケーション能力を養うような問題を中心に対策を進めていくことが大切になるのではないでしょうか。

今回の英語についてのご紹介をもちまして、当シリーズの全5回が終了となります。滋賀県の中学3年生の皆さんの入試対策のお役に立てば幸いです。

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