関関同立について考える① ~志願者数推移~

2011年11月4日 金曜日

今回と次回の2回のエントリーに分けて、関関同立各大学の大きな動きについて考えてみたいと思います。

関関同立それぞれがどんな大学なのか?については大学案内やHPでいくらでも調べることが出来ますので、中々まとめて調べたり状況を把握したりすることが難しいような情報である「志願者数の推移」や「学部新設の動き」といったものについて、2回のエントリーに分けて考察していきたいと思います。

まず今回は、関関同立4大学の近年の志願者数推移について考えてみたいと思います。

先日、新聞各紙に「全国の私立大の4割が定員割れを起こしている」という記事が一斉に掲載されました。新聞各紙の中から毎日新聞に掲載された記事を以下に引用し、まずは私立大学入試に関する全体的な状況を掴みたいと思います。

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4年制私立大:39%定員割れ 18歳人口減、厳しさ続く(2011年7月30日毎日新聞)

今春、4年制私立大で定員割れしたのは39%で前年度より1ポイント上昇したことが29日、日本私立学校振興・共済事業団の調査(速報値)で分かった。昨年とほぼ横ばいで、依然、厳しい状況が続いている。事業団は「来年度は18歳人口が1万人以上減る上、不況の影響もあり、厳しい状況は変わらないだろう」としている。

回答したのは全国のほぼ全校の572校。定員割れしたのは5校増えて223校で、定員を上回ったのは2校減り349校。定員に占める入学者の割合を示す入学定員充足率が50%未満の大学は13校から16校に増えた。

充足率は全体では106%で前年度より2ポイント減。全国を21に分けた地域ごとでは東京が112%と最高で、宮城111%、埼玉108%、愛知、京都、大阪、福岡が107%と続いた。低いのは宮城を除く東北82%、四国の88%など。

定員規模別の充足率は「100人以上200人未満」「500人以上600人未満」の大学などで100%を下回ったが、「3000人以上」は110%、「1500人以上3000人未満」は113%。学部別では医や歯、薬、家政など資格につながる分野で上昇した。志願者は1%増の延べ約321万人、入学者は1%減の約48万2000人。志願倍率は前年度と横ばいの7倍だった。

私立短大の定員割れは前年度から4ポイント増の67%で、5年連続で6割を超えた。定員充足率は90%で7年連続で100%を下回った。

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少子化と深刻な不況によって特に私立大では定員を充足出来なかった大学が全体の約4割もある、という大変な事態となっています。中には定員充足率50%未満、つまり、定員の半分以下しか入学者がいない、という大学も存在します。ちなみに今年は16校がそれに該当しています。定員の半分以下しか入学者がいなかった、ということですから、これに当たる大学は今かなり厳しい財政状況になっているものと思われます。

それでは、近畿地区を代表する私立大である関関同立はどのような状況になっているのでしょうか?次のグラフ・表は関関同立4大学の2001~2011年度の志願者数推移についてまとめたものです(画像をクリックすると拡大します)。

関関同立志願者数推移

2011年度入試における志願者数の増減については、今春「グローバル・コミュニケーション学部」を新設した同志社大が約2000名のプラスとなったものの、他3大学については志願者数を減らしています。

しかし、立命館大を例にとってみますと、ピーク時よりも大きく志願者数が減っているとはいえ今年度の立命館大の一般入試倍率は「2.8倍」という高倍率を維持しており、人気・難易度とも引き続き高い水準で維持されていることがわかります。

志願者数の移り変わりはこのようになっていますが、ただ増えた・減っただけを見るのではなく、増えたり減ったりした原因をしっかりと見ておく必要があります。次回のエントリーでは、志願者数の増減に最も大きな影響を与える「学部の新設」について詳しく見ていく予定です。