関関同立 こんな所でも熱い闘いが

2011年11月15日 火曜日

関西学院大、関西大、同志社大、立命館大の4大学は「関関同立」とひとくくりにされ、何かと比較対象や競争相手として挙げられることが多いのは皆さんもご承知のことと思います。

過日こちらでご紹介したエントリー「関関同立について考える① ~志願者数推移~」と「関関同立について考える② ~学部の新設~」では、4大学それぞれの過去約10年に及ぶ学部新設の動き、それに伴う志願者数の増減の様子をご紹介し、熾烈な受験生獲得競争が繰り広げられていることを確認しました。

しかし、大学入学後の方がいろんな面で比較したり・されたり、競争相手として意識したり、はたまたお互いに手を取り合って1つの目的に進んでいくなど、「関関同立」という言葉を意識する機会が圧倒的に多いことを、受験生の皆さんはご存知でしょうか?

その最たる例として、大学野球における関西六大学の「関関戦」と「同立戦(立命館大の方々は立同戦と呼んでいるそうです)」が挙げられます。

野球に限らず様々なスポーツで交流戦が行われるだけでなく、大学院になると「関西四大学大学院単位互換制度」があるなど学術研究面でもこれら4大学の交流が存在するなど、様々な分野において時にはライバル、時には仲間(友)であるという良き関係を築いてきました。

このように、長きに渡ってまさに「切磋琢磨」してきたこれら4大学が、この度新しい分野で激しい火花を散らしています。以下、最近新聞紙上をにぎわせた記事の転載(一部)です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

関関同立版の「ランチパック」誕生(2011年10月31日産経新聞)

山崎製パン(東京都)の人気商品「ランチパック」の「関関同立版」が1日から2カ月間、近畿地方のコンビニエンスストアなどで販売される。各大学の人気メニューなどを参考に、学生らが開発を手がけた。

開発された商品は、同志社大「ぜんざい風味」▽関西学院大「チキンカツたまごあんかけ風」▽関西大「紫いもあん&ホイップ」▽立命館大「ハンバーグとたまご」-の4種類で、140円~170円。今年4月から各大学の学生らがアイデアを出し合い、山崎製パン側と試作を重ねた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

と、中高生やOL・会社員の食事、勉強や仕事の合間のちょっとしたオヤツなどで人気のヤマザキのランチパックが関関同立の学生たちとのコラボによって「キャンパスランチパック」として発売されています。これは、関関同立4大学それぞれでマーケティングや栄養を学ぶ学生の企画による商品として、関西地区限定商品として年内限定で発売されているものです。

各大学が考案したランチパックの名称と、ポイントは次のようになっています。

・関西大学「紫いもあん&ホイップ(求肥入り)」
商学部荒木孝治教授のゼミ生による企画。スクールカラーの紫紺をイメージし、ランチパックのキャラクターは関西大を代表するスポーツであるアメフトとアイススケートの衣装を着ている。

・関西学院大学「チキンカツたまごあんかけ風」
商学部の学生7名による企画。学内食堂で学生人気メニューをアレンジ。商品パッケージには時計台を入れて関西学院大らしさを出し、ランチパックのキャラクターはアメフト部とチアリーダー部のユニフォームを着ている。

・同志社大学「ぜんざい風味」
経済学部の学生の企画。同大の創設者である新島襄の好物がぜんざいであったことから、もち風フィリングと粒あんを入れてぜんざい風味にアレンジ。パッケージには同志社大のキャンパスが位置する京都らしいイラストがあしらわれている。

・立命館大学「ハンバーグとたまご」
大学院・スポーツ健康科学研究科の学生の企画。他大学と違う点は、①栄養を学ぶ大学院生が栄養バランスを考慮したところ ②白いパンにはハンバーグとグレービーソース風フィリング、全粒粉入りパンにはたまごフィリングをサンドして2つの味が楽しめるところ。

いかがでしょうか?すでに食べられた方はどの味がお気に入りでしょうか?年内いっぱい限定販売だそうですから、まだ食べてない方はこの機会に食べ比べしてみませんか?

関関同立の熱い闘いがこんなところでも繰り広げられています、というちょっとした話題でした。

2012年度近畿地区中学入試 入試日程②

2011年11月14日 月曜日

2012年度近畿地区中学入試 入試日程①」に続くエントリーです。2012年度近畿地区中学入試の入試日程と注目点を順にご紹介しております。前回のエントリーでは大阪府の男子・女子校についてご紹介しました。こちらも合わせてぜひお読み下さい。

今回は大阪府共学校全校の入試日程を検証いたします(画像をクリックすると拡大します)。

近畿地区中学入試 入試日程②

近畿地区中学入試 入試日程③※作成には万全を期していますが、入試日程は各校入試要項等で必ずご確認下さい

男子校・女子校と同じく、14日(土)~16日(月)の3日間に入試日程が密集していることがお分かり頂けると思います。各校とも、早い入試日の設定として受験生・入学生を早くに確保してしまおう、ということが見て取れます。

なお、大阪府共学校で14日(土)・15日(日)の2日間連続で入試日程を組んでいる学校は以下の通りとなります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

14日(土)・15日(日) 連続入試実施校
(大阪府共学校)

共学校(44校中24校 54.5%)
上宮太子中・追手門学院中・追手門学院大手前中・大阪学芸中・大阪国際大和田中
大阪産業大学附属中・大阪青凌中・大阪体育大学附属中・開明中・関西大倉中
関西大学北陽中・関西大学連携浪速中・金光大阪中・金光八尾中・四天王寺羽曳丘中
常翔学園中・常翔啓光学園中・太成学院大学中・帝塚山学院泉ヶ丘中
東海大学付属仰星中・初芝富田林中・初芝立命館中・箕面自由学園中・桃山学院中

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

大阪府共学校の実に半数以上で2日間連続の入試日程とされています。先ほど述べましたとおり、入試日を早く設定することで早期の入学者確保を狙う、という思惑が見てとれます。

特に2012年度入試では近畿大学附属中の後期が、例年の火曜日実施から月曜日実施に変更になっている点が、「入試日程の前倒し」傾向にある大阪府内各校の中でも特に大きな動きです。

また、大きなニュースとなったのが同志社香里中の後期入試新設です。当ブログではこちらのエントリー「同志社香里中 後期入試実施へ!」で詳しくご紹介しています。

入試日程を減らす学校の中で注目なのが上宮中です。ご存知の通り、この春の共学化で高校では大変な受験者増となりましたが、中学に関してはそこまでの過熱感はありませんでした。実際、今年の2次B(午後入試)においては入学者が数名に留まったこともあり、思い切って2012年度入試では3回入試から1回減少させて2回入試とされています。

入試日程を減らす、ということではありませんが、もう1校注目校があります。関西大学第一中が2日目(日曜日)に実施していた面接試験を初日午後に移動させることによって、2日間入試から単日入試に戻されています。このことによって、15日の併願校に大きな変化が出てくることが予想されます。

男子校・女子校と同様に、大阪府の共学校においても午後入試を導入している学校数が多くなっています。以下、午後入試を実施される学校の一覧です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

午後入試導入校
(大阪府共学校)

共学校(44校中12校 27.3%)
大阪産業大学附属(1次B)・大阪桐蔭(前期・中期)・関西大倉(B・C日程)
関西大学北陽(2次)・四條畷学園(2次A)・常翔学園(B日程)・常翔啓光学園(B日程)東海大学付属仰星(C日程)・初芝立命館(B日程)・桃山学院(B方式)
履正社学園豊中(前期2次)・早稲田摂陵(第3回)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2012年度入試において午後入試を新設される学校の中には、併願パターンに大きな影響を与えそうな学校がいくつかございます。特に大阪桐蔭中の中期、関西大倉中のB・C日程、履正社学園豊中中の前期2次といったところでの午後入試新導入には注目が集まっています。

次回は兵庫県各校の状況をご紹介します。府県が変われば入試日程の位置取りの傾向が大きく変わります。その辺りの所もおわかりいただけるようなエントリーになると思いますので、どうぞお楽しみに。

京都産業大 一般入試対策講座を開催

2011年11月11日 金曜日

京都産業大では、こちらのエントリー「京都産業大 公募推薦対策講座」でご紹介した公募推薦入試向けのイベントに続いて、一般入試対策講座を12月に実施されます。詳しくは次の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

京都産業大 一般入試対策講座

京都産業大 一般入試対策講座

日程・会場:
12月10日(土) 大阪北 阪急グランドビル
12月11日(日) 草津 ホテルボストンプラザ草津
12月11日(日) 金沢 ホテル金沢
12月17日(土) 京都 京都産業大学
12月18日(日) 大阪南 難波御堂筋ホール
12月23日(祝) 神戸 三宮研修センター
12月23日(祝) 津 ホテルグリーンパーク津

時間:いずれの会場も13~17時半

内容:
一般入試ガイダンス
京都産業大の一般入試について、制度のポイントや日程、また検定料優遇制度による併願のテクニックなどについて詳しく説明します。
一般入試対策講座
英語・国語・日本史・世界史・数学(理系)※の出題傾向や重要ポイント、勉強方法などを解説します。
※数学(理系)対策講座は京都・大阪北会場のみの実施
個別相談
入試や学部での学び、学生生活などの相談に対応します。(科目の相談については、各講座終了後に対応します)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

京都産業大の一般入試(前期)は1/27(金)を皮切りに28(土)・29(日)・31(火)・2/1(水)の5日間設定されています。31(火)では一部学部のみの実施となりますがその他の4つ試験日では全学部受験可能です。よって、1学部で最大4もしくは5回の受験が可能となります。

また、3科目型・2科目型・高得点科目重視3科目型・高得点科目重視2科目型など、方式もたくさん用意されています。

少しでも有利に一般入試を戦うためには、こういった日程や入試方式についての情報を的確に仕入れておく必要があります。そのためにも、この一般入試対策講座には必ず参加しておくべきかと思います。

2012年度近畿地区中学入試 入試日程①

2011年11月10日 木曜日

近畿地区の中学入試統一解禁日は2012年1月14日(土)となっており、残りあと約2ヶ月となりました。

毎週土曜・日曜になりますとあちこちの学校で説明会・オープンスクール・プレテストといった受験生対象の行事が実施されています。受験生とその保護者の皆さんにおかれましては相当忙しい毎日をお過ごしのことと思います。

今回から数回のエントリーで、近畿地区中学入試における各校の入試日程についてまとめてみたいと思います。これらのエントリーでは、府県別あるいは府県を越えて各校の入試日程の位置取りを把握していただけます。

1回目となる今回は、大阪府男子校・女子校の位置取りについて確認していきたいと思います。下の表をご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

近畿地区中学入試 入試日程①

※作成には万全を期していますが、入試日程は各校入試要項等で必ずご確認下さい

14日(土)~16日(月)は午前・午後それぞれに欄を設けておりますが、それ以降の日程については分けずに記載しています。その関係で、17日(火)以降で午後入試を行う所については黒丸印の前に「P」と入れています。お知りおきの上、表をご覧ください。

黒丸のあるところは入試を実施するところ、ということになりますが、その丸の位置が全体的に左寄りに分布していることがすぐに分かると思います。つまり、各校とも統一・解禁日以降出来るだけ早い時期に入試を終えたいということで、このような日程を組まれています。

2012年度大阪府男子校・女子校において、土日連続で入試日を設定しているのは以下の通りとなっています。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

14日(土)・15日(日) 連続入試実施校
(大阪府男子校・女子校)

男子校(4校中1校 25.0%)
明星中

女子校(17校中12校 70.6%)
大阪薫英女学院中・大阪信愛女学院中・大阪聖母女学院中・金蘭会中・堺リベラル中・樟蔭中
城南学園中・聖母被昇天学院中・相愛中・帝塚山学院中・梅花中・羽衣学園中

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

日程面において、今年は特に大阪府の男子校で大きな動きがあります。1つが「清風中が統一解禁日午後に新形態の入試を導入する」こと、もう1つが「高槻中が20日(金)に入試日程を追加する」というものです。

清風中については「清風中 理Ⅲ選抜試験を統一解禁日午後に実施!」と「清風中 前期理Ⅲ選抜には遅刻者対応時間割あり!」で、高槻中の入試日程増については「高槻中 入試回数増加へ」で、それぞれ当ブログで過去にご紹介をしています。

高槻中が新たに入試日として設けた20日(金)は、京都府を代表する進学校の1つである洛星中の後期とバッティングしています。例年、多数の優秀な受験生が洛星中の後期試験にやってきています。高槻中の思惑としては、大阪・兵庫の受験生で最後まで頑張る成績優秀生たちを京都に送らずに高槻でせき止めてしまおう、ということなのではないでしょうか。

また、近畿地区の中学入試においては「午後入試」の実施校数が増加傾向にあります。大阪府男子校・女子校で午後入試を導入されている学校には次のような所があります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

午後入試導入校
(大阪府男子校・女子校)

男子校(4校中1校 25.0%)
清風中(前期理Ⅲ選抜)

女子校(17校中5校 29.4%)
大阪薫英女学院中(B日程2次)・樟蔭中(B・C入試)・城星学園中(B・C日程)
帝塚山学院中(2次)・羽衣学園中(2次A・B・C)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

清風中が2012年度から午後入試を導入されることとなり、大阪府男子校でも午後入試実施校が初めて出現したことになります。一方で、女子校では常套手段してここ数年午後入試を実施されている学校が多いのが特徴です。女子校の人気が今一つの状況の中、他校の入試が終了したあとの午後に入試日を構えることで、より受験してもらい易く配慮されています。

次回のエントリーでは大阪府共学校の入試日程の位置取りをご紹介いたします。

1点に泣かないように!主要大 合格最低点周辺の人数分布

2011年11月9日 水曜日

大学の公募推薦入試が本格的に実施されている時期となっています。公募推薦入試が一段落し、年が明けて1月下旬ごろからいよいよ一般入試が開始となります。

各私立大の多くにおいてはこの一般入試、とりわけ2月に実施されるで最も多い募集人数を設定されています。大学受験生の皆さんにとって一般入試は「最大のチャンス」となります。

また、関関同立を例に出してお話をしますと、関西大と立命館大は3月にも一般入試(後期)が実施されるものの、同志社大・関西学院大では2月に実施する一般入試が(センター利用型などを除いて)筆記試験による最後の入試機会となります。

その最大かつ最後のチャンスに確実に合格をとるために必要な力は一体何なのでしょうか?

次のグラフをご覧ください。

合格最低点周辺の人数分布②

上のグラフは、関西大の法学部一般入試において、2010年度と2011年度それぞれで「合格最低点周辺の点数に何人の受験生がいたか」を示しています。棒グラフ上の白抜き文字が、その点数を取った実際の人数となっています。

合格最低点を中心とした+3~-3点の間にこれだけの受験生がひしめいているのです。+3~-3点といいますと、問題数でいえば1問~2問の差といったところです。つまり、1問の出来・不出来が合格・不合格を分けた(と思われる)ケースがこんなにもたくさん起こっていた、ということになります。

関西学院大のケースも見てみましょう。

合格最低点周辺の人数分布③

こちらも今年(2011年度)の入試では1点差・2点差で不合格となった受験生が合計で30名もいたことになります。2点差ということは、まさに「1問の間違いが明暗を分けた」形となります。1問差で憧れの関西学院大の合格通知を手にし損ねたこの30人の受験生たちがかわいそうでなりません。

最後に龍谷大のデータです。

合格最低点周辺の人数分布④

経済学部 スタンダード文系方式の2年分のデータです。毎年、1点差で不合格となっている受験生が25名ほどいることがわかります。

大学受験生の皆さん。これから先の学習において注意してほしい点は、「1点の重み」を十二分に意識した学習をするように心がけること、です。そのためにはまず・・・

・誰が読んでも分かる字で答えを書く(記述型の答案の場合)
・マークシートを塗りつぶす時も雑にならないように
・マークミスや答えの写し間違いといったケアレスミスをしない

といった点を確実にこなせるようにしておきましょう。

教科書や問題集で知識をインプットすることももちろん大切なのですが、それ以上に大切なのが「持っている知識や導き出した答えを、正確に答案用紙に反映させる」ことです。

「1点の重み」を十二分に意識した学習をしましょう。

関関同立について考える② ~学部の新設~

2011年11月8日 火曜日

私立大学入試では圧倒的な人気となっている関関同立。それらについて、特に各大学の人気動向や学部新設の動きといった視点から関関同立を考えてみるというシリーズ、今回は2回目のエントリーとなります。

こちらのエントリー「関関同立について考える① ~志願者数推移~」では、関関同立各大学が21世紀に入ってからどのような志願者数の増え・減りを見せているのか、についてご紹介を致しました。

今回は、各大学の学部新設の動きについてご紹介いたします。下のグラフ・表は前回のエントリー「関関同立について考える① ~志願者数推移~」でご紹介した志願者数推移のグラフに、それぞれどの大学がどの年度にどういった学部を新設したか、についての情報を追加したものになっています(画像をクリックすると拡大します)。

関関同立学部新設の動き

上でご紹介したグラフ・表では関関同立がこの10年程の志願者数推移と学部の新設状況をご紹介していますが、この10年の間に各大学とも様々な学部を新設し、定員を増加させてきています。この10年間の関関同立における学部新設の傾向について以下に簡単にまとめてみました。各大学とも学部新設においてはそれぞれのポリシーを持って当たられていることが分かると思います。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

関西大:法学部・工学部の改組という「既存学部の再編」に力を入れつつ、人間健康学部・社会安全学部という他大学に無い名称・ジャンルの学部を新設することで新規の受験者層の獲得を狙う。なお、2009年度新設の外国語学部は法・文学部を越えて関西大の中で今最も入試難易度が高い。

関西学院大:学部新設に関しては4大学の中では消極的な方だが、聖和大を法人合併する形で教育学部が誕生したという「大学同士の合併」が行われた点については日本全国でも稀なケース。

同志社大:2000年以降実に7つもの新設学部が誕生しているなど学部新設については積極的で、生命医科学部やスポーツ健康学部といった医療・健康の分野に新たに進出している。2011年度にはグローバル・コミュニケーション学部を新設し、今後も国際系の新学部設置が予定されているなど、国際系での動きが出てきている。

立命館大:情報理工学部・生命科学部・薬学部といった理系学部の新設が目立つなど、理系に注力しているのが他3大学と異なる点。さらに、映像学部という、芸術系としてカテゴライズ出来る学部を新設しているのも他大学には無い特徴。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

このように、それぞれの大学がそれぞれのポリシーに沿って、10年の間に新たな学部をたくさん作って定員を増やしてきています。その結果、あしかけ10年で志願者数がどの程度増えたのか、について調べてみようと思います。

下は各大学2011年度の志願者数が2001年度志願者数からどれだけ増えた・減ったのかと、2001年度からの増減率を計算してみました。次の通りとなっています。

関西大 +10,458 増加率113.8%
関西学院大 +6,033 増加率115.2%
同志社大 +17,102 増加率154.5%
立命館大 -25,894 増加率74.5%
関関同立合計 +7,699 増加率103.1%

学部新設を最も積極的に行った同志社大は今年度、2001年度と比べて1.5倍の志願者数を集めています。また、関西大と関西学院大は率にするとほぼ同程度の増え幅になっており、両大学ともセンター利用方式における志願者数の増加に助けられている点においても共通する部分です。

関関同立では唯一、しかも大きく志願者数を減らしているのが立命館大です。理系学部を中心にして学部の新設を積極的にやられてはいるものの、昨今の「理系離れ」が手痛い影響を与えているのではないでしょうか。

4大学合計で見ますと、この10年で7,699名の志願者数増となっております。ちなみに、マンモス大学で知られる近畿大の2012年度入試における総募集定員は6,720名です。近畿大の総募集定員以上の数が関関同立に流れ込んできているわけですから、いかに関関同立の人気・評価が高まっているかが分かります。

と、大変大雑把ではありますが、関関同立各大学の近年の動きについてご紹介してまいりました。

北野高 伝統に培われた実績とアカデミックな校風

2011年11月7日 月曜日

北野高の保護者・受験生対象の説明会に行ってきました。

北野高①

北野高では「伝統に培われた実績とアカデミックな校風」を背景に、文武両道・授業第一主義を貫き、次代のリーダーとなる人材の育成をめざす」とされており、はぐくみたい3つの力として以下を挙げておられます。

・高い志とチャレンジ精神で臨み、進路目標を達成する力
・知・心(徳)・体にバランスの取れた豊かな人間性
・広い視野と豊かな知識を持ち、次代のリーダーとしての資質

教育面で最も特徴的なのは、65分×5コマの授業設定です。他校では通常50分×6コマであるところですが、この設定によって他校よりも1日25分間授業時間を多く確保できています。

また、それに加えて8時10分始業(冬は20分繰り下がる)によって15時には授業が終了しますから、クラブ活動の時間も十二分に確保出来ています。

この2つこそが北野高が進学実績で一流の結果を出しつつ、クラブ活動も盛んに行えるヒミツなのです。

高2生の希望者を対象として、週1時間の大阪大での講義(基礎セミナー)があるのも特徴です。知的好奇心をくすぐるような話が聞けそうな取り組みですね。ちなみに、今年の高2生のうち62名がこれを受講されたようです。

他校同様に2年進級時に文系・理系に分かれるようですが、文系・理系の大きな違いといえば「数学の進度」程度だそうです。国公立大への進学者が多数を占める北野高ですから、文系・理系とも5教科まんべんなく学習するカリキュラムになっている、ということです。

他に学習面での特徴としては、数学に関しては高校3年分の内容を2年で終えて残り1年を受験対策に回したり、高3になると英数国で少人数制授業を展開する、といったものがあります。

さて、北野高では古くから併設されていた定時制が2009年に閉課程となりました。そのことで施設に余裕が出来たことから、20時まで利用可能な「夜間自習室」を設置しているなど、スペースを有効活用されています。

北野高②

北野高、と言えば体育がハードであることが有名です。いろいろある競技などの中でも、なわとび・水泳・長距離走(クロスカントリーなど)に力を入れておられます。特に、タテ50メートル×ヨコ25メートルという、公立高では茨木高・富田林高とここ北野高にしかない大きなプールがあるのが特徴で、そのせいか水泳が盛んな様子です。水泳が苦手な方は覚悟しておいた方がよさそうです。

北野高③

続いて、クラブ活動のお話に移りましょう。

クラブ数は運動系21・文化系16・同好会3という構成となっています。クラブ活動の参加率は以下の通りです(同高自治会2009年度発行資料より)。

高1 文化系24%・運動系63%・兼部6%・無所属7%
高2 文化系25%・運動系58%・兼部4%・無所属13%

北野高④

上の写真は説明会当日の発表の1つであるオーケストラ部の皆さんによる演奏の様子です。北野高には吹奏楽部の他にオーケストラ部があるなど、音楽系のクラブが充実しています。

阪急各線の十三駅から歩いて10分ほどで着くという好立地にある、今年で創立138年を迎える北野高の様子でした。

関関同立について考える① ~志願者数推移~

2011年11月4日 金曜日

今回と次回の2回のエントリーに分けて、関関同立各大学の大きな動きについて考えてみたいと思います。

関関同立それぞれがどんな大学なのか?については大学案内やHPでいくらでも調べることが出来ますので、中々まとめて調べたり状況を把握したりすることが難しいような情報である「志願者数の推移」や「学部新設の動き」といったものについて、2回のエントリーに分けて考察していきたいと思います。

まず今回は、関関同立4大学の近年の志願者数推移について考えてみたいと思います。

先日、新聞各紙に「全国の私立大の4割が定員割れを起こしている」という記事が一斉に掲載されました。新聞各紙の中から毎日新聞に掲載された記事を以下に引用し、まずは私立大学入試に関する全体的な状況を掴みたいと思います。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

4年制私立大:39%定員割れ 18歳人口減、厳しさ続く(2011年7月30日毎日新聞)

今春、4年制私立大で定員割れしたのは39%で前年度より1ポイント上昇したことが29日、日本私立学校振興・共済事業団の調査(速報値)で分かった。昨年とほぼ横ばいで、依然、厳しい状況が続いている。事業団は「来年度は18歳人口が1万人以上減る上、不況の影響もあり、厳しい状況は変わらないだろう」としている。

回答したのは全国のほぼ全校の572校。定員割れしたのは5校増えて223校で、定員を上回ったのは2校減り349校。定員に占める入学者の割合を示す入学定員充足率が50%未満の大学は13校から16校に増えた。

充足率は全体では106%で前年度より2ポイント減。全国を21に分けた地域ごとでは東京が112%と最高で、宮城111%、埼玉108%、愛知、京都、大阪、福岡が107%と続いた。低いのは宮城を除く東北82%、四国の88%など。

定員規模別の充足率は「100人以上200人未満」「500人以上600人未満」の大学などで100%を下回ったが、「3000人以上」は110%、「1500人以上3000人未満」は113%。学部別では医や歯、薬、家政など資格につながる分野で上昇した。志願者は1%増の延べ約321万人、入学者は1%減の約48万2000人。志願倍率は前年度と横ばいの7倍だった。

私立短大の定員割れは前年度から4ポイント増の67%で、5年連続で6割を超えた。定員充足率は90%で7年連続で100%を下回った。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

少子化と深刻な不況によって特に私立大では定員を充足出来なかった大学が全体の約4割もある、という大変な事態となっています。中には定員充足率50%未満、つまり、定員の半分以下しか入学者がいない、という大学も存在します。ちなみに今年は16校がそれに該当しています。定員の半分以下しか入学者がいなかった、ということですから、これに当たる大学は今かなり厳しい財政状況になっているものと思われます。

それでは、近畿地区を代表する私立大である関関同立はどのような状況になっているのでしょうか?次のグラフ・表は関関同立4大学の2001~2011年度の志願者数推移についてまとめたものです(画像をクリックすると拡大します)。

関関同立志願者数推移

2011年度入試における志願者数の増減については、今春「グローバル・コミュニケーション学部」を新設した同志社大が約2000名のプラスとなったものの、他3大学については志願者数を減らしています。

しかし、立命館大を例にとってみますと、ピーク時よりも大きく志願者数が減っているとはいえ今年度の立命館大の一般入試倍率は「2.8倍」という高倍率を維持しており、人気・難易度とも引き続き高い水準で維持されていることがわかります。

志願者数の移り変わりはこのようになっていますが、ただ増えた・減っただけを見るのではなく、増えたり減ったりした原因をしっかりと見ておく必要があります。次回のエントリーでは、志願者数の増減に最も大きな影響を与える「学部の新設」について詳しく見ていく予定です。

関西学院大 大学・入試説明会を開催

2011年11月2日 水曜日

関西学院大が各地で大学・入試説明会を実施されます。近畿地区各地で実施される説明会について、内容とも合わせてご紹介します。詳しくは以下の通りです(画像をクリックすると拡大します)。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

関西学院大 大学・入試説明会

関西学院大 大学・入試説明会

日程・場所・時間:
11月8日(火) 京都 メルパルク京都 16:30~19:40
11月9日(水) 神戸 生田神社会館 16:30~19:40
11月15日(火) 大阪北 梅田センタービルクリスタルホール 16:30~19:40
11月16日(水) 大阪南 天王寺MIOホール 16:30~19:40
11月17日(木) 奈良 なら100年会館 16:30~19:40

内容(大学HPより抜粋):
・大学紹介DVD放映
大江千里(プロミュージシャン、本学出身)が西宮上ケ原キャンパスをご案内。さまざまな場面で活躍する本学学生へのインタビューを通じて、関西学院大学の魅力を紹介する内容です。全国屈指といわれる西宮上ケ原キャンパスの美しい佇まいも合わせてお楽しみください。
・大学紹介と学生支援のあらまし
関西学院大学の教育理念と学びの特徴を中心にお話し、合わせて関西学院大学の学生支援(奨学金、留学、キャリア)についても紹介します。「関学はどのような教育方針なのか」「何が学べるのか」「学生支援はどうなのか」など、関西学院大学への理解を深めていただくためのプログラムです。高1、高2生、保護者の方もご参加ください。
・入試概要説明
2012年度一般選抜入試の概要(日程、方式など)を詳しく説明するプログラムです。入試の仕組みをきちんと理解することは、合格への第一歩です。是非ご参加ください。
・学生講演
関西学院大の学生が自身の入試体験と学生生活を語り、後輩の皆さんにエールを送ります。皆さんの受験学習の参考となる話が聴けるかもしれません。
・入試問題の特徴と学習対策のポイント
関西学院大学入試問題のうち、英語、国語、数学(文系、理系)についてその特徴と学習対策のポイントをお話します。関学入試を「攻略」する絶好のチャンスです。受験生必聴。
・個別相談コーナー
入試部スタッフが受験生、高校生、保護者の皆さんのあらゆる疑問にお応えします。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

各会場とも3時間みっちりのプログラムが組まれています。受験生の皆さんにとっては入試問題に関するプログラムが最も気になる所かと思いますが、その前に組まれている「学生講演」で実際に関西学院大に通われている学生さんのお話が聞ける点も見逃せないと思います。入学後4年間を過ごす大学ですから、よく調べずに入学してしまうととんでもないことになってしまいます。今回の説明会では「関学に入学したらいったいどんな生活が待っているのか」についてはしっかりと聞いておくべきでしょう。

開成公開テスト 無料受験のチャンスに自分のチカラを知ろう

2011年11月1日 火曜日

今回は「模擬試験」についてのお話です。

今、本当にいろいろな模擬試験があちこちで実施をされています。出版社あるいは教材などを作られている会社が作られている模擬試験は、お金を払えば誰でも受験が可能です。その一方で、進学塾が独自に問題を作成・実施している模擬試験に関しては、往々にして各塾に在籍している生徒だけが受験可能となっており、他の塾に通っている方やどこにも塾には行っていない方は受験が出来ないケースがほとんどです。

そんな中開成教育グループでは、普段は主に塾生を対象とし、塾生以外の方には有料で受験いただいている模擬試験「開成公開テスト」を、今回は一般の生徒の皆さんにも無料でご受験いただけるようにいたしました。

この「開成公開テスト」について簡単にご紹介しておきますと、単元別の習熟度評価とともに、開成教育グループ内での相対的な学力レベルを正確に判定できる実力テストとなっています。中学2・3年生に関しては、内申点も含めた公立高校の合格可能性と、A~Eの私立高校合格判定もご提示しております。

開成公開テストの無料ご招待についての詳細は以下の通りとなっています。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

開成公開テスト 無料ご招待

開催日:11/5(土)
開催時間:教室により異なります。各教室までお問い合わせください。
開催場所:全教室にて実施
対象学年:小3~中3生
テスト科目:
小3~6生 国語・算数
中1・2生 国語・数学・理科・英語
中3生 国語・数学・理科・英語・社会
※中2・3生には志望校判定データあり
受験料:全学年無料
受験者特典:開成NETによる模試解説授業の無料視聴(小4~6生算数、中3生英数理社 対象)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

開成公開テストの受験後には、一部の学年・教科に限定はされますが、開成NETでの解説授業も視聴でき、より深く確実に学力の定着を図ることができます。特に中3生に対しては国語以外の4教科の解説を用意していることもあり、「模試受験⇒分からなかった所の定着」を徹底的に行うことが可能です。

より詳しくお知りになりたい方は、以下のバナーからご案内のページに飛んでいただけます。そちらでご確認いただき、無料受講ご希望の方は必要事項をご記入・送信下さいますようお願いいたします。

開成公開テスト