文系?理系? どっちが多くお給料をもらえる?①

2012年2月13日 月曜日

お金だけがすべてではありませんが、将来進むべき道を探している若者たちにとってはぜひとも知っておいて欲しいデータです。

1年程前のエントリーとなる以下3つでは、学歴が毎月のお給料・お給料の上がり幅、果ては退職金の額にまで大きく影響を与えることをご紹介し、一生涯の収入を大きく左右する要素であることをご紹介しました。

大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い①
大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い②
大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い③

今回はこれらのエントリーの続編とでも言うべきものになりますでしょうか、高校時代に得意だった科目が何であるかによって大きく収入が変わる、というデータをご紹介したいと思います。

なお、このシリーズでご紹介するデータや分析に関しては、「高等学校における理科学習が就業に及ぼす影響-大卒就業者の所得データが示す証左-(独立行政法人 経済産業研究所)」で発表されたものに基づいています。

データの分量が多いので、今回と次回の2回のエントリーに分けてご紹介してまいります。

まずは、大学就業者が高校時代英語・国語・数学・理科・社会の5教科のうちどれが得意だったかを調査し、5つの教科に「特になし」を加えた6分類それぞれの平均所得を、グラフ内に示した3世代別で比較したものをご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

得意科目別 平均所得(3世代別)

グラフを見てみますと、3世代すべてで数学が得意な方の所得が最も高いことがわかります。数学に次いで理科が僅差に迫っています。高校時代に理系科目が得意だった方が、その後の人生でよりよい所得を得ているようです。

上のグラフではどうやら理系が有利そうな感じがしてきましたが、では、もっと大きなくくりである「文系」「理系」で平均所得の差がどれぐらいあるのか、を見てみましょう。次のデータは、今回のこの調査に協力してくれた方全員である約1万人の平均所得と、文系と理系それぞれに分けた平均所得を示しています。

有所得者1万人の平均所得

有所得者約1万人の平均所得は552万円。そのうち、理系出身者は637万円、文系出身者は510万円で、理系は文系より実に127万円も多い所得になっていることがわかります。

文系と理系でここまではっきりとした差が出てしまっており、これにはちょっとした驚きがあります。

ここまで見てきた分で言いますと「理系は圧倒的に高所得!」ということになりますが、理系の方の中で高校時代に理科4科目のうちどれが得意だったか、でまた平均所得が大きく変わるようです。次回のエントリーでは、その点にスポットを当てて詳しくご紹介したいと思います。