文系?理系? どっちが多くお給料をもらえる?②

2012年2月20日 月曜日

文系?理系? どっちが多くお給料をもらえる?①」に続くエントリーです。

このシリーズでは、高校時代に得意だった科目が何であるかによって大きく収入が変わる、というデータをご紹介しています。

なお、このシリーズでご紹介するデータや分析に関しては、「高等学校における理科学習が就業に及ぼす影響-大卒就業者の所得データが示す証左-(独立行政法人 経済産業研究所)」で発表されたものに基づいています。

ちなみに、1年程前のエントリーとなる以下3つでは、学歴が毎月のお給料・お給料の上がり幅、果ては退職金の額にまで大きく影響を与えることをご紹介し、一生涯の収入を大きく左右する要素であることをご紹介しています。まだお読みでない方はこちらも合わせてお読みください。

大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い①
大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い②
大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い③

前回のエントリーでは、文系と理系では理系の方が平均所得が高いことがわかりました。今回はさらに掘り下げて、理系は理系でも高校時代に理科4科目の中でどれが得意だったのかによって所得が変わるというデータをご紹介します。

下でご紹介しているグラフは、理系出身者(約3200名)を対象として高校時代の理科の得意科目別の平均所得を、世代別に調査したものの結果になります(画像をクリックすると拡大します)。

理科得意科目別 平均所得(3世代別)

どの世代を見てみましても、物理が得意だった方の平均所得が一番高くなっています。

話が少しそれますが、国公立大を目指すのであれば文系の方であっても大学入試で生物や化学を学習しておかないといけません。よって、文系の方でも英語や地歴公民よりも化学や生物が得意だ、という方もたくさんいることでしょう。

一方、物理になりますと理系の方だけが履修する、という傾向が強く、文系の方が物理で大学入試を戦うことはほとんどまれです。

理系は文系よりも圧倒的に人数が少ない一方で産業界の需要が多い、ということは大体想像の通りですが、特に物理分野になるとしっかり学習してきた方がさらに少ないこともありますし、上述の通り文系の方には簡単に手を出せない科目ということもあって、そう簡単に良い人材が見つからない、ということになります。

代わりの人が少ない分野であれば、その分お給料が高くなるのは当然のことです。

物理に強い人であれば、社会に出た後もより良い人生を歩むことができる確率が高い、ということでしょうか。

では、この3世代合計の平均所得はどうなっていますでしょうか?

理科得意科目別 平均所得(3世代合計)

高校時代に得意だった理科科目別、3世代合計で見てみますと最も高い平均所得となっているのは物理681万円、次いで地学647万円、化学620万円、生物549万円の順となっています。

4科目合計、つまり理系出身者全体の平均は637万円となっています。なお、前回のエントリーでご紹介したとおり、文系出身者の平均所得は510万円でしたから、その差約130万円、となります。

文系と理系ではどちらのお給料が高いのか?という素朴な疑問からスタートし、理系の中でも特に高校時代に物理が得意だった、という方の平均所得が高いことが分かるデータでした。