吹田東高 定員割れ校から脱却した理由

2012年5月14日 月曜日

大阪府立吹田東高の説明会にお邪魔をして参りました。

吹田東高①

説明会開始直後いきなり「本校は校則が厳しい学校です」と言われ、少々驚きました。受験生及び在校生からの評価としてもこの点が多く挙げられるようになってきている、ということを合わせてご紹介されました。

その「厳しい校則」ですが、具体的には「茶髪・化粧・ピアス禁止」「携帯電話は校舎玄関に設置の個人ロッカー内に入れ、下校までは一切触らせない」「遅刻が少ない(年2000件程度で、多い学校はこの10倍はあるそう)」といった点が挙げられます。

吹田東高では約10年前から「スイヒ改革」なるものが着手されています。様々な取り組みのご紹介をお聞きする限りでは、その改革が軌道に乗って良い形で循環していることが伺えました。

具体的にいくつか取り組みをご紹介します。まず、1・2年生で確かな学力の定着と向上を図るために、以下の取り組みを行われています。

①英語・数学・国語の小テストを週1回実施することで基礎学力を向上させる
②漢検・英検は全員受験が必須
③大阪大と提携し、阪大生を「校内家庭教師」として派遣してもらう「青葉台セミナー」
④大手予備校の講師による講習を実施する「S講座」
⑤全国模試は年2回受験(高3は年3回)

特に④については関関同立を狙うレベルの内容となっているため、生徒たちからは「難しい」との声があるそうです。しかしながら、吹田東高では関関同立に一般入試で合格させることが最大の目標とされているため、この講座についてはこのレベルで今後も進められるそうです。

また、3年生には以下の取り組みがあります。

①年間を通じての放課後講習・夏期講習(国語・数学・英語)
②大手予備校の講師による講習を実施する「S講座」、文系は英語・国語、理系は英語・数学

厳しい校則、上記のような学習面での取り組みなどは高校受験生たちにどのように映っているのでしょうか?受験生たちからの「評価」の1つとして測ることができる入試結果についてご紹介します。

今春の吹田東高の倍率は1.28倍、第1学区内の後期入試実施校の中では7番目に高い倍率となりました。数年前は定員割れが出るほどの学校でしたが、ご紹介したような取り組みが評価されて定員割れからの脱却に成功しておられます。

今春入学者の男女比は130:190で、女子が圧倒的に多い学年となっています。女子に人気となっている理由としては「変更した制服が人気となっている」とご紹介がありました。

吹田東高②

こちらが制服の写真です。特に女子はカッターシャツの色のバリエーションが豊富に用意されている点が特にウケている理由なのではないでしょうか?

在籍生徒の地域別割合は以下の通り(カッコ内は前年の占有率)となっています。

吹田市 40.6%(37.5%)、茨木市 35.6%(39.7%)、大阪市 11.3%(9.4%)
摂津市 6.8%(8.4%)、箕面市 2.8%(1.9%)、豊中市 1.9%(1.4%)
高槻市 0.9%(1.4%)

吹田東高が第一志望であったかどうか?の調査結果3年分は以下の通りです。

第一志望だった 現高1生 59.3% 現高2生 68.6% 現高3生 65.7%
現高1生で「いいえ」と回答した生徒の第一志望校:山田、北千里、槻の木、高槻北、刀根山
咲くやこの花、大阪ビジネスフロンティア、千里、箕面、摂津、春日丘、三島、市立東
千里青雲、吹田、関大北陽

特に今年は山田高の第一志望者が50名ほどいたそうで、年々第一志望校の顔ぶれや人数構成が変わってきているそうです。

高校入試に備えて塾に行っていたか?の問いに対する過去3年分の回答は以下の通りとなっており、吹田東高に入学するための塾での対策が重要になってきていることがわかります。

現高1生 85.2%、現高2 82.3%、現高3生 80.2%

学習面・生活指導面ともにしっかりとした面倒見で生徒をひっぱって着実に成績や大学合格実績を上げ、結果として高校入試において人気・レベルとも上昇傾向に入っています。スタートした当初は大変なご苦労があったと思われる「スイヒ改革」は、今完全に軌道に乗っています。