2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②

2012年9月3日 月曜日

2012年度滋賀県公立高入試問題各教科の小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していますこのシリーズ、今回で2回目となります。

初回はこちらのエントリー「2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①」で、国語についてご紹介をしています。

2回目となる今回ですが、数学についてのご紹介となります。小問別正答率は以下の表の通りになっています。

滋賀県公立高 数学

2012年度 数学の平均点は100点満点で43.2点(昨年45.0点)でした。

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析の一部を以下にご紹介します。

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大問1の数と式の計算、方程式、関数の基礎的・基本的な問題については正答率が比較的高く、よく理解できていた。サッカー場でゴールに向かってシュートを打つことを素材とした問題は、弦の垂直二等分線と円周角の定理の逆を利用して等しい角度となる点を作図する内容であったが、正答率が低かった。作図の方法を図形の対称性に着目して、見通しをもって作図をする力の育成が求められる。

大問2のガス会社の料金表をもとに、使用量と料金について、関数関係を見いだす問題の正答率は高かったが、グラフや式に表して考察する力や数学的に処理する力をみる問題は正答率が低かった。日常生活における事象について、与えられた条件を的確にとらえ、グラフに表す力、事象を数理的に考察する力の育成が望まれる。

大問3の折り紙を折ってできた八角形をもとに、三角形の合同や相似条件、三平方の定理などを用いて、平面図形の性質について、考察する力や数学的に処理する力をみる内容であったが、正八角形の一辺の長さ、相似の証明や条件を満たす図形の求積の問題は正答率が低かった。与えられた図形の性質について直観的にとらえたり、見通しをもって論理的に思考し、根拠を明確にして推論の過程を的確に表現する力の育成が求められる。

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問題全般についてですが、数と式の計算に代表されるような基礎的・基本的な問題だけでなく、思考力をみる応用問題まで出題されています。出題分野についても関数、方程式、図形、確率等ほぼ全分野の出題が見られますので、非常にバランスがよくとれた問題になっています。また、身近な題材から数学的な思考力を問うような工夫が多くみられるのも特徴です。

一方で、全体的に説明の文章が多く(長く)、内容を把握するのが難しいと感じた受験生も多くいたのではないかと考えます。読解力の差が数学の出来にも影響を与えたかもしれませんね。

また、滋賀県教育委員会からは全体の講評に「数や式の計算、方程式、関数、図形の計量等の基礎的・基本的な事項や概念についてはおおむね理解できているといえる。今後は、断片的な理解や知識の習得にとどまることなく、課題解決の過程で、数学の各領域の内容を関連付けて活用する力を高めるとともに、言葉、数、式、図、表、グラフを用いて考えたり、説明したりするなどの学習活動を積極的に取り入れながら、数学的な思考力・判断力・表現力を育成することが望まれる。」と記載しています。

いろいろな考え方を用いて解く必要がある図形の問題に代表されるような、数学的な思考力・判断力・表現力が必要な問題になると正答率が低くなっている、ということです。この部分の力をつけることが、今後他の受験生と大きく差をつけるポイントになるでしょう。残りの半年ではここを意識して対策を進めましょ う。

次回は社会についてご紹介いたします。