2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③

2012年9月7日 金曜日

2012年度滋賀県公立高入試問題各教科の小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していますこのシリーズ、今回で3回目となります。

これまでは、国語と数学についてご紹介をしています。以下のエントリーをまだお読みでない方はこちらも合わせてお読みください。

2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②

3回目となる今回ですが、社会についてのご紹介となります。小問別正答率は以下の表の通りになっています。

滋賀県公立高入試 正答率 社会①

滋賀県公立高入試 正答率 社会②

2012年度 社会の平均点は100点満点で46.7点(昨年52.7点)でした。

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析の一部を以下にご紹介します。

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大問1は、略地図や資料をもとに、気候や、緯度と経度などの理解をみるとともに、日本の各地方の産業や世界の国々の貿易の特色について、考察し判断する力や適切に表現する力をみる問題であった。日本の各地方の産業について表やグラフ、地図から読み取る問題では正答率が50%以上であり、日本についての基礎的・基本的な事項の理解はおおむねできているといえる。しかし、緯度と経度、世界の国々の貿易の特色を世界地図や表から読み
取る問題では正答率が低く、今後は世界についての基礎的・基本的な知識を身につけ、世界地図や資料を適切に読み取り、表現する力を育てていく必要がある。

大問2は、表や資料、略地図をもとに、歴史の大きな流れや各時代の特色についての理解をみるとともに、わが国の文字や情報伝達の歴史について、考察し判断する力や適切に表現する力をみる問題であった。各時代の特色についての理解をみる問題については正答率が高く、基礎的・基本的な事項の理解はおおむねできているといえる。しかし、歴史の流れについて考察して判断し、説明する問題では正答率が低く、歴史の大きな流れを理解し、適切に表現する力を育てていく必要がある。

大問3は、図や資料をもとに、政治のしくみや日本国憲法などについての理解をみるとともに、経済と生活の関わりや福祉について、考察し判断する力や表現する力をみる問題であった。日本国憲法や経済と生活の関わりについての理解をみる問題では正答率が高いが、厚生労働省や国政調査権を答えさせる問題の正答率が低く、公民分野における基礎的・基本的事項の理解にはやや偏りがあることがうかがわれる。また、滋賀県の条例をもとに福祉について説明させる問題では正答率が低く、今後は、地域の課題について日頃から関心をもち、自らの生活との関連を考えさせるとともに、適切に表現する力を身につけられるような指導が望まれる。

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地理・歴史・公民の3分野からバランスよく出題されており、各種の資料を活用して考察させたり判断させたり、表現する力をみる内容が目立つ出題となっています。また、問題量も適切な量となっており、極端に難しいあるいは簡単な作りになっていない良問です。

滋賀県教育委員会からは「全体的に、地理、歴史、公民の各分野における基礎的・基本的事項についてはおおむね理解できている。しかし、資料からさまざまな情報を読み取り、適切に表現する力を身につけさせることが必要であり、基礎的・基本的な知識・技能を活用し、社会的事象を多面的・多角的に思考・判断して、表現する力を育成する指導が望まれる。」という指摘も出ています。

知識的な問題の正答率は全般的に高いのですが、資料を読み取って適切に表現する力を試される問題では正答率が低い、というのが特徴です。

残り半年の間は、資料からいろいろな情報を読み取る力と、読み取った情報を自分の言葉で上手く表現する力、この2つをしっかりと身につけるように対策を進めて欲しいと思います。もちろん、基礎・基本となる各分野の知識も身につけながら。

次回は理科についてご紹介します。