2013年度大阪府高校入試 第1回進路希望調査結果

2013年1月8日 火曜日

昨年末、大阪府の公立中学校3年生を対象として実施された「第1回進路希望調査」の結果が、新聞各紙で取り上げられていました。今回のエントリーでは、それらの記事で出てきた数値・データをまとめ、今年の動向を探ってみたいと思います。

まずは、公立高への進学を希望する生徒の規模についてです。今年から前・後期で2度の受験が可能になった大阪府内の公立高全日制普通科ですが、今回の調査では、募集人員全体で計2万9380人に対し、3万4563人が希望、倍率は1.18倍となりました。このうち前期普通科の志望者は、計6,420人の募集に約2万6237人が希望しており、実に4.09倍という高倍率となっています。

また、前期選抜は普通科の他に「専門学科」の募集も従前から行われています。そちら専門学科の中ではやはり注目となるのが文理学科の存在ではないでしょうか。

気になる文理学科10校の平均倍率ですが、現時点では2.75倍、昨年2.49倍・一昨年2.57倍に比べて高い値となっているだけでなく、開設3年目で最も高い倍率となっていることになります。よって「人気は引き続き高いレベルで維持している」と考えてよいでしょう。

その他の学科の志望動向を見てみますと、「英語教育などを重視する」として新設予定となっている和泉高グローバル科が3.35倍と高倍率になっています。また、理数科2.24倍(昨年2.13倍・一昨年1.77倍)となっておりこちらも上昇しています。前期全体の倍率も昨年度の1.52倍から2.22倍に上がっています。

「普通科の前期募集」が受験生の「早期での進路確保」の動きを過熱させ、普通科はもちろんですが、それ以外の専門学科にも多くスポットが当たる機会があって前期では総じて高い倍率になっている、ということではないでしょうか。

一方で、大阪府内の私立高を第1志望にする生徒の割合は17.55%で、データの残る2000年度以降で過去最高を記録した昨年の17.95%から微減した形となっています。2年前から、私学授業料無償化の対象拡大で私学人気の上昇傾向が続いていますが、その傾向が今年も続いている状況です。

ちなみに、第1回進路希望調査時点での過去4年の私立高専願率は次のように推移しています。

10年度13.34% ⇒ 11年度16.14% ⇒ 12年度17.95% ⇒ 13年度17.55%

公立高前期の倍率上昇、私立高の専願率の高止まり。この2つから「受験生は早期に進学先を決定したい」という動きなのが明らかになっています。

反対に、公立高後期選抜まで頑張って残る受験生が例年よりも少なくなる可能性が高くなってきました。このことが、思いもしないような高校の低倍率化や定員割れを引き起こす可能性をも内包しています。ひょっとすると、後期選抜まで頑張った受験生が「トクをする」ような入試になる、そんな予感すらします。