やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率②

2013年3月11日 月曜日

やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率①」に続くエントリーです。

いよいよ本日、3月11日(月)は大阪府公立高後期選抜の実施日です。その大阪府公立高後期選抜の倍率などについて考察しているシリーズです。

前回のエントリーでは、主要校の倍率を、各学区ごとにご紹介をしましたが、今回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項といった、もう少し全体的な状況について検証します。

まずは、大阪府全体の平均倍率推移をご紹介します。

今年度の特徴は、何といってもその「倍率の高さ」にあるでしょう。今年度は1.25倍となり、ここ約10年で最も高い倍率となっています。原因としてはやはり「前期選抜で普通科の募集を開始したために、定員をそちらに割いた結果後期で定員が減少した」ということになるでしょう。

そして、今年度は「定員割れ校数が極端に少ない」ということも特徴の1つにあります。今年度は4校が定員を割っていますが、過去をひも解きますと昨年度は14校、一昨年度はなんと41校もありました。これも定員減のおかげであることは確かです。

もう一つ特徴的な事柄としては、「普通科総合選択制各校の倍率も高い」ということが挙げられます。

2010年度以前と2011年度以降の3年間では計測している学校種が異なります。画像内に記載されている通り、普通科総合選択制が2011年度から後期選抜で選考されることになりましたので、2010年度までは含まれていなかった数値が2011年度以降では含まれてしまっていることになります。このままでは純粋な比較はできないことになりますので、昨年・今年のデータから普通科総合選択制各校のデータを除いたものを、下でご紹介します。学区再編前後の動きがわかるように合わせてグラフを加工しています。

普通科総合選択制を含む倍率と含まないそれとでどの程度の差があるのか、以下に記します。

2013年度 含む場合1.25倍 ⇒ 含まない場合1.25倍 その差    なし
2012年度 含む場合1.16倍 ⇒ 含まない場合1.18倍 その差0.02倍
2011年度 含む場合1.05倍 ⇒ 含まない場合1.09倍 その差0.04倍

特に2011年度では普通科総合選択制を含めて計測した際には大きく倍率が低くなる(=普通科総合選択制の学校の倍率が低い)状況でしたが、今年度はとうとう含む場合と含まない場合で差が全く無くなりました。これは、普通科総合選択制の各校でも高い倍率となっていることを示します。

前回のエントリーである「やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率①」をご覧いただいた方の多くはお気づきになられていると思いますが、特に進学指導特色校10校の倍率が高くなっています。それら10校とその他の学校では一体どのくらいの差があるのか?についても検証してみました。以下の表は、進学指導特色校10校トータルの倍率などと、その他97校トータルの倍率などを比較したものになります。

進学指導特色校10校トータルの倍率は1.58倍で、昨年と変わりませんでした。昨年と同様に、今年もこの10校で約1,100名が不合格となり、おそらくは併願で合格している私立高へ入学することとなるでしょう。

一方で、その他約100校の倍率が0.09倍上昇しています。表をよくご覧頂きますと、募集定員の減り幅に対して志願者数の減りが少なくなっており、それが結果として倍率の高騰を呼んでいます。依然として進学指導特色校10校の倍率とは大きな差があるものの、一昨年の1.02倍のことを考えると随分と倍率が上昇していることがわかります。前期選抜で普通科を募集した「効果」がここにくっきりと表れている、そんな感じです。

これまでは進学指導特色校10校とその他の学校では大きな倍率の開きがあり、「2極化」と捉えてきましたが、今年度に関してはその差が若干縮まったかもしれません。

今年の高校受験生たちは例年になく「苦しい戦い」となっているようです。

本日実施された後期選抜の合格発表は来週3月18日(月)となっています。