帝塚山学院中 2014年度入試に向けて早くも説明会を開催

2013年3月14日 木曜日

2013年度入試が終了してまだ間もないこの時期ですが、帝塚山学院中が早くも次年度入試に向けて説明会を開催されます。

今回ご紹介する説明会ですが、同内容のものが複数の会場で実施されることになっています。今回はその内2か所についての情報をご案内しますが、下の画像では初回である3月21日(木)のものを代表として掲載しています(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。

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帝塚山学院中 ~未来を見据えた中学校選び~

日時・場所:
①2013年3月21日(木)10:30~11:30【西宮北口会場】西宮市プレラホール5F 練習室
②2013年3月25日(月)10:30~11:30【生駒会場】生駒市コミュニティセンター 会議室206
対象:中学校受験にご興味のある小学生(女子)の保護者
内容:なぜ私立中学校を選ぶのか、女子校の特徴、帝塚山学院学校説明
※要事前申込(各会場 先着10組様)

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帝塚山学院中では、昨年もこれと同様の説明会を開催されており、当ブログではこちらのエントリー「帝塚山学院中 入試イベントを次々と実施」でご紹介をいたしました。

昨年は5月から説明会を開始されていましたが、今年は3月から開始されることになっており、早期から受験生にアピールを進めていかれるご予定になっている点が昨年と大きく異なっている所です。

今回の説明会ですが、学校の説明を中心とされておらず、「中学校受験を通しての親の役割」「公立との違い」「女子教育から見た女の子の成長」といった内容が中心となる予定、となっているのが内容面での特徴です。

また、上記では西宮北口と生駒会場についてご紹介していますが、4月以降もまた様々な地域でこれと同様の説明会を開催される予定にされているそうです。

近畿地区主要私立大 2013年春のオープンキャンパス

2013年3月13日 水曜日

私立大入試は2月で一般前期を終え、3月に入り最後のチャンスである一般後期が実施されております。また、2月末からは国公立大入試が始まっており、いよいよ大学入試は折り返し地点を過ぎた感があります。現在チャレンジ中の大学受験生の皆さんはあとひと踏ん張り、頑張って下さい。

さてそんな中、今高校2年生・1年生の皆さんを主に対象とするオープンキャンパスが、この春休み中に早くも実施されます。今回のエントリーでは近畿地区の主な私立大が実施する春のオープンキャンパス日時についてご紹介します。


※作成には万全を期していますが、開催日時・場所等については
各大学HPで必ず確認下さい

同じ日に複数の大学が実施しているケースがあります。両方とも見学しておきたいのであれば、各大学のHPでプログラムをお探しいただき、どうしても参加したいプログラムが何時に行われているのかを把握し、2校を上手に回るためのタイムスケジュールを立てましょう。

まだまだ入試本番まで時間があるのですが、だからこそ今のうちにゆっくりと各大学を回っておき、大学入試に関する制度全般や個々の大学の様子などを知り始めておくと良いと思います。

大きく変わる! 京都市・乙訓地域の公立高入試

2013年3月12日 火曜日

こちらのエントリー「揺れる高校入試 ~諸制度が続々と変更・変更予定に~ ②」でもご紹介をしました通り、「公立高校の特色ある学校づくりをさらに推進し、生徒一人一人の進路希望や学習ニーズにより柔軟に応えられるようにするとともに、中学生が自らのキャリア形成に向けて、目的意識を持って、これまで以上に主体的に高校を選択できるよう」という目的の下、かねてから検討が行われていた京都市・乙訓地域の公立高入試制度の見直しですが、去る1月24日(木)に正式な制度が発表となりました。

今回のエントリーでは、その新しい制度について簡単にご紹介を致します。

まずは、新制度の概要です(京都府教育委員会HPより)。

1.全日制普通科の教育制度 ~「類・類型制度」の廃止~
普通科第Ⅰ類と第Ⅱ類を廃止し、「普通科」として一本化
志願時ではなく、合格後に、希望や学力状況に応じてコースを選択
体育などの普通科第Ⅲ類は、普通科の中の専門的なコースとして存続

2.通学区域 ~通学圏の統合~
普通科の通学区域を京都市北・南通学圏(2通学圏)から1通学圏に統合
21校から選択が可能

3.入学者選抜制度
(1) 受検機会の複数化
これまでどおり複数の受検機会を確保
前期選抜(2月中旬)⇒中期選抜(3月上旬)⇒後期選抜(3月下旬) ※名称は仮称
(2) 前期選抜
現在2月に実施している、学科等によって異なっている選抜(推薦入学、特色選抜、適性検査)を廃止し、「前期選抜」として一本化
(特別入学者選抜の枠組は残し、原則これまでと同じ方式で実施)
(3) 中期選抜 ~総合選抜制度の廃止~
現在、普通科第Ⅰ類で実施している総合選抜制度を廃止し、各高校が学科ごとに合格者を決定する単独選抜制度を導入
(4) 後期選抜
前期選抜及び中期選抜を実施した後、なお相当の欠員がある場合に実施

4.新制度の実施時期
2014(平成26)年度入学者選抜(現在の中学校2年生対象)から実施

5.その他
・新制度の詳細については、入学者選抜要項で後日決定。
・他の通学圏にも共通することについては、併せて見直しが行われる。

「類・類型制度の廃止」「通学圏を1区に」「総合選抜の廃止」というのが大まかなポイントとなります。

続いて、前期・中期それぞれの選抜でどのようにして合否が決められるのか、についてです。

まずは前期選抜についてです(画像をクリックすると拡大します)。

現行制度で2月に実施している「推薦入学」「特色選抜」等に相当する受検機会となっています。また、学科等によって異なっていた選抜(推薦入学・特色選抜・適性検査)は廃止し、新たな選抜方法が採用されています。これは「多元的な評価尺度による各校裁量の選抜方法のもと、生徒一人一人の多様な個性・能力等を重視する」ことが目的とされているようです。

続いては中期選抜です(画像をクリックすると拡大します)。

現行制度で3月に実施している「一般選抜」に相当する受検機会となっており、現行の普通科第Ⅰ類で実施している「総合選抜制度」を廃止、各高校が学科ごとに合格者を決定する「単独選抜制度」とすることが目玉となっています。

中期選抜を簡単にまとめますと、「まず第1志望第1順位者で定員の90%分の合格者を決定、定員の残り10%については第1志望第1順位の選抜で上位90%に入らなかった者と、他の高校の第1志望第1順位の選抜で上位90%に入らなかった者で当該高校を第1志望第2順位とする者をあわせて選抜を実施し合格者を決定する」となります。

なお、中期選抜での学力検査と報告書の配点比率は、概ね1:1となるようです。

最後に後期選抜についてです。

後期選抜は現行制度で3月に実施している「2次募集」に相当する受検機会となっています。これは、前期選抜及び中期選抜を実施した後、なお欠員がある場合に実施するというものになります。よって、募集人数は募集定員から前期選抜及び中期選抜の合格者数を除いた数となります。

選抜方法は、以下の3つにまとめられます。

①各高校が学科ごとに合格者を決定する「単独選抜制度」とする。
②全校共通の学力検査(国・数・英)及び報告書,面接を検査項目とする。
③検査項目を総合的に判断して合格者を決定する。

最後に、今回発表された新制度が1枚にまとまったものを以下に貼ります(画像をクリックすると拡大します)。

今の中学2年生の皆さんを始めとする受験生・保護者へこの制度を知ってもらう必要がありますが、今後は以下のようなことが予定されているようです。

・新制度の内容をまとめたリーフレットや京都市・乙訓地域の各高校の概要や普通科に設置するコースの内容等をまとめた冊子を作成し、2月中に保護者等に配布予定
・中学生や保護者等対象の説明会を2月下旬から年度内に複数回開催予定(日程等は中学校を通じてお知らせ)

また、大変気になる各高校の「前期選抜」の詳細(検査項目の配点比率等)ですが、4月中を目途に公表される予定とのことです。こちらは気をつけて続報を待ちましょう。

やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率②

2013年3月11日 月曜日

やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率①」に続くエントリーです。

いよいよ本日、3月11日(月)は大阪府公立高後期選抜の実施日です。その大阪府公立高後期選抜の倍率などについて考察しているシリーズです。

前回のエントリーでは、主要校の倍率を、各学区ごとにご紹介をしましたが、今回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項といった、もう少し全体的な状況について検証します。

まずは、大阪府全体の平均倍率推移をご紹介します。

今年度の特徴は、何といってもその「倍率の高さ」にあるでしょう。今年度は1.25倍となり、ここ約10年で最も高い倍率となっています。原因としてはやはり「前期選抜で普通科の募集を開始したために、定員をそちらに割いた結果後期で定員が減少した」ということになるでしょう。

そして、今年度は「定員割れ校数が極端に少ない」ということも特徴の1つにあります。今年度は4校が定員を割っていますが、過去をひも解きますと昨年度は14校、一昨年度はなんと41校もありました。これも定員減のおかげであることは確かです。

もう一つ特徴的な事柄としては、「普通科総合選択制各校の倍率も高い」ということが挙げられます。

2010年度以前と2011年度以降の3年間では計測している学校種が異なります。画像内に記載されている通り、普通科総合選択制が2011年度から後期選抜で選考されることになりましたので、2010年度までは含まれていなかった数値が2011年度以降では含まれてしまっていることになります。このままでは純粋な比較はできないことになりますので、昨年・今年のデータから普通科総合選択制各校のデータを除いたものを、下でご紹介します。学区再編前後の動きがわかるように合わせてグラフを加工しています。

普通科総合選択制を含む倍率と含まないそれとでどの程度の差があるのか、以下に記します。

2013年度 含む場合1.25倍 ⇒ 含まない場合1.25倍 その差    なし
2012年度 含む場合1.16倍 ⇒ 含まない場合1.18倍 その差0.02倍
2011年度 含む場合1.05倍 ⇒ 含まない場合1.09倍 その差0.04倍

特に2011年度では普通科総合選択制を含めて計測した際には大きく倍率が低くなる(=普通科総合選択制の学校の倍率が低い)状況でしたが、今年度はとうとう含む場合と含まない場合で差が全く無くなりました。これは、普通科総合選択制の各校でも高い倍率となっていることを示します。

前回のエントリーである「やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率①」をご覧いただいた方の多くはお気づきになられていると思いますが、特に進学指導特色校10校の倍率が高くなっています。それら10校とその他の学校では一体どのくらいの差があるのか?についても検証してみました。以下の表は、進学指導特色校10校トータルの倍率などと、その他97校トータルの倍率などを比較したものになります。

進学指導特色校10校トータルの倍率は1.58倍で、昨年と変わりませんでした。昨年と同様に、今年もこの10校で約1,100名が不合格となり、おそらくは併願で合格している私立高へ入学することとなるでしょう。

一方で、その他約100校の倍率が0.09倍上昇しています。表をよくご覧頂きますと、募集定員の減り幅に対して志願者数の減りが少なくなっており、それが結果として倍率の高騰を呼んでいます。依然として進学指導特色校10校の倍率とは大きな差があるものの、一昨年の1.02倍のことを考えると随分と倍率が上昇していることがわかります。前期選抜で普通科を募集した「効果」がここにくっきりと表れている、そんな感じです。

これまでは進学指導特色校10校とその他の学校では大きな倍率の開きがあり、「2極化」と捉えてきましたが、今年度に関してはその差が若干縮まったかもしれません。

今年の高校受験生たちは例年になく「苦しい戦い」となっているようです。

本日実施された後期選抜の合格発表は来週3月18日(月)となっています。

やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率①

2013年3月8日 金曜日

去る3月6日(水)の新聞各紙に、大阪府公立高後期選抜の最終倍率が掲載されました。今回と次回のエントリーでは、大阪府公立高後期の最終倍率について考察して参ります。今回のエントリーでは、取り急ぎ主要各校の最終倍率を、進路希望調査結果のデータとも合わせて5年分ご紹介します。

まずは第1学区です。

第1学区全体の倍率は1.29倍で、昨年1.17倍から0.12ポイント上昇しています。各校の倍率の動きが大変気になりますので、早速主要校の動向を以下にご紹介します。

北野高・・・昨年の最終倍率1.51倍から0.17ポイントアップの1.68倍。4年前の2009年度は1.3倍にも乗っていなかったのですが、年々倍率が上昇しています。
茨木高・・・昨年最終倍率から0.12倍上昇の1.61倍と高倍率ですが、せめてもの救いなのが進路希望調査時点の倍率から0.3ポイントのダウンとなっているところ。
豊中高・・・今年の1.67倍で、昨年最終倍率1.65倍とほぼ同じ。昨年並みのラインになりそう。
春日丘高・・・府内最高倍率となる1.93倍で、今回ご紹介している5年で最高の倍率。合格に必要となるレベルがかなり高くなると予想されます。
池田高・箕面高・・・共に昨年最終倍率から若干下げていますが、昨年の最終倍率が例年になく高かったのでその揺り戻しと考えるべきでしょう。
三島高・北千里高・・・共に昨年最終倍率から大きく倍率を上げています。春日丘高の高倍率化を嫌った受験生が多く流入していることが考えられますので、倍率の高さと相まってかなりハイレベルな争いになる可能性もあります。

第2学区についてです。

第2学区全体の倍率は1.25倍で、昨年の1.16倍から0.09ポイントのアップです。以下、各校の動向です。

大手前高・・・最終倍率1.66倍は、今回ご紹介している過去5年で最も、そしてダントツに高い倍率となりました。進路希望調査時点の倍率からもほとんど動きがないので、「自信がある」受験生たちが集まっていることと思われます。
四條畷高・・・2009から2012年度と続いてきた倍率上昇がようやくストップし、1.58倍と昨年最終倍率から0.24ポイントもの大きな下落となりました。
寝屋川高・・・手ごろ過ぎた昨年の最終倍率1.19倍から大きく上げて今年度は1.46倍。昨年よりははるかに高いレベルとなることは確実ですが、2年前や3年前と比べても厳しい戦いになることでしょう。
牧野高・・・昨年最終倍率から0.04ポイント増の1.20倍と、他の学校と比べると比較的手ごろな倍率に見えますが、ここ5年で最高の倍率となっています。
東高・・・昨年最終倍率から0.14ポイントものアップで、1.44倍。合格に必要となるレベルが例年より高くなることが予想されます。

第3学区です。

第3学区全体の倍率は1.25倍、昨年1.14倍から大きく上昇しています。各校の動向はどのようになっていますでしょうか。

天王寺高・・・最終倍率1.50倍で、昨年最終倍率から0.12ポイントものアップとなっています。かなり高いレベルでの争いになることでしょう。
生野高・・・毎年上がる一方の最終倍率ですが、今年度も昨年から0.07ポイント上昇の1.62倍。せめてもの救いなのは進路希望調査時点の1.82倍から大きく下げている点。
高津高・・・昨年最終倍率からなんと0.22ポイントもの上昇となる1.82倍で、進学指導特色校10校の中では最も高い倍率となりました。やはり合格に必要となるレベルが相当高くなると予想します。
富田林高・・・昨年最終倍率から0.16ポイント上昇の1.33倍。例年1.1倍台で推移していましたから、大きなレベルアップとなるでしょう。
八尾高・・・1.21倍の最終倍率は昨年度や2010年度とほど同様の倍率となっており、他校の「倍率大幅上昇」と傾向が異なります。例年通りの落ち着いた入試になるのではないでしょうか。
清水谷高・夕陽丘高・・・共に進路希望調査時点では1.4倍程度でしたが、そこから清水谷高が大きく下げ、夕陽丘高は調査時点とほぼ同等の倍率に留まりました。清水谷高の高倍率化を避けた受験生が夕陽丘高に逃げ、その夕陽丘高からまた他の高校へ受験生が逃げ・・・と玉突き状に受験生が動いた可能性があります。

最後、第4学区です。

第4学区全体では1.20倍で、昨年の1.16倍から0.04倍の微増に留まりました。各校の動向です。

三国丘高・・・昨年最終倍率1.76倍が高すぎたこともあり、今年の最終倍率は1.37倍と妥当なラインに収まりました。一昨年程度の合格ラインに落ち着くのではないでしょうか。
岸和田高・・・こちらも昨年の最終倍率1.69倍から大きく下げ、1.27倍となりました。2009・2010年度とほぼ同じ倍率ということもあり、昨年・一昨年のようなハイレベルな争いにはならないでしょう。
泉陽高・・・最終倍率1.38倍はここ5年で最も高いもので、昨年と比べてかなり上昇しています。三国丘高や岸和田高を当初予定していた受験生がこちらに受験先を変更していることが考えられますので、厳しい戦いになるかもしれません。
和泉高・・・昨年度最終倍率とほぼ同等の1.36倍。昨年から大きく変動が無いという意味では、昨年と同程度のラインになりそうな、落ち着いた入試になりそうです。
佐野高・・・昨年最終倍率から0.24ポイントものアップ、1.28倍となりました。昨年のラインでは合格することは難しくなりそうです。

ここまでは各学区の主要校の最終倍率を、過去の最終倍率や進路希望調査結果などと絡めて見てきました。次回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項について検証します。こちらもお見逃しなく。

2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率⑤

2013年3月7日 木曜日

2012年度大阪府公立高後期選抜 教科別平均点
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率①
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率②
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率③
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率④

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。これまで「~①」では昨年の後期選抜の国語、「~②」では社会、「~③」では数学、「~④」では理科についてそれぞれご紹介しました。

今回はいよいよ最終回。英語についての情報です。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府教育委員会からはこの英語の入試問題について以下のような見解が出されています。

・基本的な語彙や文法に関する問題の得点率は比較的高くなっています。
・一方、英文の内容を文脈に沿って把握して日本語で説明する問題や、与えられた日本語に合う英文を書く問題では得点率の低いものがみられます。
・英文全体の流れを把握しなければ解答できない記述問題において無答率が高くなっています。
・リスニングについては、筆答問題と比べるとおおむね高い得点率を示しています。

共通問題についですが、本文を要約した英文の空所に適切な単語を補充する問題である⑺の得点率は、(ⅱ)が10.7%、(ⅲ)が14.7%です。無答率は(ⅱ)が18.7%、(ⅲ)が12.1%です。全体の流れを把握し、その内容を別の表現を用いて言い換えるためには、学習した文法・語彙をもとにして、要点をとらえて的確に表現することが必要です。

同じ共通問題の3の英作文ですが、まとまった内容の英文を書く問題で「アメリカにいる友人に‘Happy Birthday’というメッセージを送る際、航空郵便またはEメールのどちらの方法で送るかを選び、その理由を30語程度の英語で書く」という問題です。得点率は26.3%、無答率は13.3%となっています。大阪府からは「内容的にまとまりのある一貫した文章を書くには、語と語のつながりなどに注意して正しく文を書くことや、自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように、文と文のつながりなどに注意して文章を書くことが大切です」という指摘が出されています。

同じく大阪府の総括の中には次のような文章もあります。

英語を学習する際に大切なことは、基本的な文法を理解した上で、基本的な語彙や表現を繰り返し書いたり暗唱したりすることです。さらに、学習した内容を実際のコミュニケーション活動において使うことができるようにするために、「聞く」「話す」「読む」「書く」という4領域をバランスよく学習し、特定の場面や状況に合った適切な表現を身に付けることが重要です。

対策を立てる際の参考にしてください。

近畿大 2013年度一般後期に向けて

2013年3月6日 水曜日

近畿大が受験生を対象として開催された、一般入試後期向けの説明会に参加してきました。


三宮会場 入り口前

近畿大の後期入試ですが、おそらく全国で最大規模の受験者数・合格者数となっているのではないでしょうか。昨年・一昨年の定員及び合格状況は以下の通りとなっています。

一般後期 募集定員507名 合格者数1594名(一昨年1520名)
C方式後期 募集定員163名 合格者数468名(一昨年409名)
PC方式後期 募集定員98名 合格者数460名(一昨年402名)
合計 募集定員768名 合格者数2522名(一昨年2331名)

一般後期等での受験科目・配点(判定)は以下の通りとなっています。特にセンター試験と近畿大が課す試験の2つで判定される「PC方式」では、上手くいけば得意な科目1つだけで判定してもらえるという判定方式になっています。

一般後期 「3科目受験⇒高得点2科目で判定」の形がスタンダード
C方式 センター高得点2科目を200点に換算して判定
PC後期 一般後期3科目の中から高得点1科目+センター高得点1科目で判定


東大阪キャンパス会場 対策講座の様子

文系学部他学部併願方式では今年から文芸学部も選択可能となっているのを始めとして、センター利用・センター併用も含めて併願方式が多彩に用意されており、最大で1日7つの判定が可能となっています。一般後期は2日間の試験日程となっていますので、7回の判定×2日間で、最大14回の判定を行ってもらえることになります。


三宮会場 説明開始前の様子

さて、こちらのエントリー「近畿大 公募制推薦入試を終えて」でご紹介をしましたとおり、近畿大は今年大変多くの志願者数を集めている模様です。よって、全般的には受験生のとって「大変厳しい」入試状況になっているようです。

そんな中でも、公募推薦及び一般前期終了時点で志願者数が昨年を割っている学部・学科・専攻がいくつかあるようですので、以下にご紹介します。

工学部 ロボティクス学科 64.7%
文芸学部 芸術学科(舞台芸術専攻) 83.8%
文芸学部 文学科(外国語外国文学専攻 中国・韓国語文化コース) 92.5%
生物理工学部 食品安全工学科 94.6%
生物理工学部 生物工学科 97.2%

これらの学部・学科・専攻が直ちに「狙い目」であると言うのは早計ですが、この中では工学部 ロボティクス学科に関して、今回の説明会中で研究内容や就職率・就職先を「わざわざ時間を割いて」紹介していたことから、よっぽど厳しい状況なのかな?と思わせられました。

近畿大の合格目指して最後まで頑張り続ける受験生を、開成教育グループは応援します。

2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率④

2013年3月5日 火曜日

2012年度大阪府公立高後期選抜 教科別平均点
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率①
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率②
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率③

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。これまで「~①」では昨年の後期選抜の国語、「~②」では社会、「~③」では数学についてそれぞれご紹介しました。

今回は、理科についての情報です。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府教育委員会からはこの理科の入試問題について以下のような見解が出されています。

・基礎的・基本的な事項に関する問題についてはおおむね高い得点率になっています。
・一方、科学的な思考力・表現力を要する問題では得点率が低くなっています。観察・実験を通して基礎的・基本的な知識・技能を習得するとともに、学習内容と実社会や実生活でみられる事物・現象とを関連付けて考えることにより、科学的な見方や考え方を身に付けることが大切です。

身近な自然の事物・現象を題材として取り上げて、中学校で学習する基礎的・基本的な事項についての理解を問いつつ、観察・実験に基づく科学的な思考力・表現力の有無を見るという、非常に良い問題だと思います。

大問3は天気図や気象観測のデータを題材にした問題です。⑷①②は湿度から水蒸気量や露点を求める問題で、得点率は39.0%と低くなっています。⑷③は露点と水蒸気量との関係に関する問題で、露点の変化に直接関係のない「ア」「ウ」としている誤答を合わせると全体の40.9%もありました。また、⑸ は日本の春秋の天気の特徴に関して説明する問題で、得点率は29.1%と低く、無答率も15.3%と高くなっています。

「湿度や露点について理解すること、日本の気象の特徴について日本付近の大気の動きに関連付けてとらえることが大切です」と、大阪府からの資料には記載されています。また、観測結果などを分析して解釈し表現する力を身に付けることも大切です、ともありました。

次回は最終回、英語に関するデータ・分析をお送りします。

倍率上昇! 2013年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果

2013年3月4日 月曜日

去る3月2日(土)の新聞各紙で、大阪府公立高後期選抜に向けた「第3回進路希望調査結果」が掲載されました。

今回のエントリーではこの調査結果と今後の展望についてご紹介したいと思います。

さて、今回の調査結果によりますと、後期選抜を実施する全日制公立高校107校の平均倍率は1.25倍となっています。昨年の調査時点平均倍率1.17倍という倍率から0.08ポイントアップしており、ここ5年の中では最も高い倍率となっています。ここ数年の進路希望調査時点の平均倍率は次のように推移しています。

2009年度 1.23倍 ⇒ 2010年度 1.15倍 ⇒ 2011年度 1.05倍
⇒ 2012年度 1.17倍 ⇒ 2013年度 1.25倍

今年これほど倍率が上昇している理由としては、「今年から普通科でも開始となった前期選抜に定員の一部を割いたので、後期での定員が昨年から減ったため」というものが有力です。

ちなみに、昨年から今年にかけて全日制普通科107校の後期選抜の定員は「6711名減」となっているのに対し、今回の進路希望調査における107校全校の希望者数は「5594名減」となっており、希望者数よりも定員の減り幅の方が多くなっています。その結果、倍率の高騰を呼んだ形となります。

このように、特に前期選抜で先に募集を行ったために後期選抜の定員が減ってしまった学校については倍率が昨年などから上昇しているところがほとんどですが、「専門学科を持つ高校」については前期で普通科の募集を行わなかったため、80名の定員を前期に回した他の「普通科のみの学校」とは違い、倍率的に昨年などとほぼ変わらない状況となっており、合格難易度の予想も比較的やりやすい状況です。

また、希望者数が募集定員に満たなかった全日制普通科は17校となり、昨年の26校を下回っています。2012年度調査時点での定員割れ校数は26校、2011年度49校、その前の年である2010年度で21校となっていますから、近年で最も少ない定員割れ校数となっています。

ここからは学区ごとに主要な高校の調査結果をご紹介してまいります。2012・2011・2010・2009年度の調査時点倍率・最終倍率とを合わせてご紹介していきます。

まずは第1学区です。

北野高・・・定員は160名のままですが、希望者が多く増えており、昨年最終倍率から0.2倍もアップしています。
茨木高・・・普通科前期選抜とは関係なく定員が40名減っていますが、希望者は昨年並みに残っている様子です。
春日丘高・・・定員80名減に対し希望者数の減少は少なかったため、現時点で2倍を超えています。
池田高・・・前期選抜で80名の定員を割いたにもかかわらず、倍率が昨年とほぼ変わっていません。希望者数が大きく減っていることになります。
箕面高・・・前期で普通科の募集を行っていないので定員は減っていませんが、希望者が昨年から1割程度減。狙い目の学校となっています。

続いて第2学区です。

大手前高・・・定員変わらず、希望者数が増加しており、倍率が大幅に上昇しています。
四條畷高・・・定員変わらず、希望者数が激減しています。一時のことを思えば手ごろな倍率に収まりつつあります。
寝屋川高・・・前期に80名の定員を割いたので後期では定員が減っていますが、希望者数は昨年から増えています。例年通りの難易度では合格が厳しい生徒も出てくるかもしれません。
枚方高・・・前期で普通科の募集をしていませんので定員は変わっていませんが、希望者が激減しています。現時点では狙い目となっていますが、周辺の高倍率高を嫌って枚方に鞍替えしてくる受験生が多く出てくる可能性があります。

第3学区はどうでしょうか。

天王寺高・・・定員に変更はありませんが、希望者数が増えており、倍率が上昇しています。恐らく最終の倍率も同様に昨年より高くなると思われます。
生野高・・・希望者数が大幅に増加しています。難易度の上昇も考えられますので、要注意。
高津高・・・生野高以上に希望者数が大幅に増えています。難易度の上昇は確実だと思われます。
富田林高・・・近年の進路希望調査結果でも、今回ほどの高倍率が出たことはありません。高いレベルの争いになるのではないでしょうか。
八尾高・・・定員80名減に対してほぼ同規模で希望者数も減少しています。普通科前期でも他校に比べて落ち着いた倍率だったこともあり、後期も落ち着いた入試になるのではないでしょうか。

最後に、第4学区の動向です。

三国丘高・・・一昨年程度の倍率となっており、このままいけば1.5倍を下回る倍率もあり得ます。
岸和田高・・・定員が40名増えているのですが、希望者数は昨年から減っており、2010年度の調査結果とほぼ同じ倍率になっています。ひょっとすると1.2倍程度に収まる可能性もあります。文理学科を持つ10校の中では一番の「狙い目」です。
泉陽高・・・定員減に対し希望者数はほとんど減っていません。一昨年程度の難易度が必要になってくるのではないでしょうか。
和泉高・・・定員減とほぼ同規模で希望者数も減っています。例年並みの争いになると思われます。
登美丘高・・・調査結果では高い倍率となっていますが、例年調査結果から大きく倍率を落とすのが登美丘高の特徴なので、今年も最終的には手ごろな倍率に収まることが期待されます。

今後ですが、出願期間は3月4~5日、新聞等における中間集計の発表は3月5日、最終集計の発表は6日に予定されています。こちらのブログでは8日(金)から最終倍率をご紹介出来れば、と考えています。お見逃しなく!

2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率③

2013年3月1日 金曜日

2012年度大阪府公立高後期選抜 教科別平均点
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率①
2012年度大阪府公立高後期選抜 教科ごとの小問別得点率②

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。これまで「~①」では昨年の後期選抜の国語、「~②」では社会についてそれぞれご紹介しました。

今回は、数学についての情報です。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府教育委員会からはこの数学の入試問題について以下のような見解が出されています。

・基礎的・基本的な内容に関する問題においては、基礎的な概念の理解や数学的に表現し処理する力について不十分な点がみられます。
・数学的な見方や考え方を必要とする問題や論理的思考力・表現力が要求される問題では、得点率が低く無答率が高くなっています。まず、問題文の内容を正確に理解する力を身に付けることが必要です。その上で、問題を解決するに当たっては、単に答えを出すだけでなく、答えに到達するまでの過程を論理立てて確実に表現することを大切にするとともに、そこで用いた考え方についてさらに振り返ってみる学習が必要です。

選択問題A・Bともに、特に図形に関する問題の得点率の低さが目を引きます。図形に関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深めるとともに、図形について見通しを持った上で論理的に考察をする力を持つようにする必要があるでしょう。まずは平面図形の性質や条件から図形についての理解を深め、論理的な思考力を身につけるように訓練していきましょう。

図形問題の出来が良ければ、他の受験生と大きな差をつけることが可能です。残り短い期間ですが、図形問題対策に力を入れることも1つの作戦かもしれません。

次回は理科についてご紹介します。