2013年度中学入試 結果分析③ ~大学附属校の人気動向~

2013年6月15日 土曜日

6月中の毎週土曜日に更新をする5回シリーズとして今春の中学入試結果についてお送りをしています。これまでは・・・

2013年度中学入試 結果分析① ~府県別受験率~
2013年度中学入試 結果分析② ~午後入試の台頭~

の2つのエントリーで、近畿2府4県の中学受験率、近年実施校が増えている「午後入試」について検証しました。

今回のエントリーでは、毎年多くの受験生が志望校として選ぶ「大学附属校」、その中でも特に関関同立附属校の人気動向について検証してみます。

今回取り上げますのは、関関同立それぞれの学校法人が直接設置している学校、もしくは「特定のコースの生徒だけでなく、在籍生のほとんど全員が提携の大学に進学する」といった「関関同立附属校に限りなく近い存在の学校」のみを取り上げて比較しています。

また、比較対象としているのは「統一解禁日 受験者数」としています。例えば同志社系列は各校とも1回しか入試が無いのに対し、関西大学北陽中や関西大学中、立命館中といった所は複数回の入試を実施しています。すべての入試回の受験者数を計上してしまうと純粋な比較になり得ません。よって、今回取り上げる全校が入試を実施している「統一解禁日」のみにスポットを当てました。

まずは、関西大学の附属校3校についての過去5年間の受験者数の推移です。

今春入試では附属3校合計の受験者数が昨年より微増となりました。昨年は大きく減らしたことを考えると、まだまだ全盛期の受験者数にまでは戻っていませんけれども、まずまず良い傾向にあるのではないでしょうか。5年前の2009年度と比較しても約5%の受験者数増加となっており、この後ご紹介する他3大学附属と比較すると圧倒的に良好な受験者動向になっています。

続いては関西学院大学系列3校の動向です。

昨年は関西学院中の共学化初年度で、難化を恐れた受験生が男子・女子とも敬遠をしてしまい、大きな受験者数の減となりました。今年はその反動で受験者数を大きく増やし、附属3校で約12%の受験者数増加につながっています。ただ、この5年間の動向は芳しくなく、5年前から約2割の受験者数減少となっています。

同志社大学系列はいかがでしょうか。

今春入試では昨年度とほとんど同じ受験者数を維持することに成功しています。同志社女子中が大きく受験者数を伸ばしています一方で、特に同志社国際中が30名もの受験者数減となっており、明暗が分かれています。

立命館大学附属3校の動向は大変厳しいものとなっています。

今年度は約12%の受験者数の減、3校すべてで減らしてしまっています。ここ数年は受験生の増減が少なく、「踏ん張っていた」と言える立命館宇治中と立命館守山中ですが、残念ながらとうとう今年度は息が切れてしまっています。長期的に見ますと今回ご紹介している4大学附属の中で最も厳くなっており、5年前の2/3にまで受験者数が減ってしまっています。

上のグラフは4大学附属校の受験者数合計がこの5年間でどのように推移してきたか、を示すものです。

5年前は約3,400名もの受験者数を集めていましたが、今年は2,800名となり、一時に比べて500名もの受験者数が減ってしまっており、率にして16%の減少となっています。

「小6生人口の減少や中学受験率の低下との関係性は?」という疑問もありますので、次のような表を作って検証してみました。

上の表では、統一解禁日午前の総受験者数の何%が(上でご紹介した)関関同立直系附属校とその他全校を受験したのか、を調べたものになります。

2009⇒2010で約300名の受験者数の減少となっていますが、この大半は同志社中・立命館中2校の「併設小 内部進学~」によるものですが、2012年度に関しては特段の理由が無く受験者数が減り、今春はその受験者数を維持した、という流れになっています。

2009年度は18%ちょっとのシェアを占めていた関関同立附属校13校ですが、その率が下がったまま戻ってきていません。

では、どういった学校が関関同立附属校から受験者数を奪っているのでしょうか?それに関しては、次週土曜日のエントリーでご紹介します。

そして、関関同立附属校もこの状況を良しとしておらず、次年度入試に向けて「大きな動き」を見せることがわかっています。こちらについては、来週のエントリーでご紹介出来る予定です。