過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率②

2014年3月10日 月曜日

いよいよあさって、3月12日(水)は大阪府公立高後期選抜の実施日です。その大阪府公立高後期選抜の倍率などについて考察しているシリーズです。こちらのエントリー「過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率①」の続きとなります。

前回のエントリーでは、主要校の倍率を、各学区ごとにご紹介をしましたが、今回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項といった、もう少し全体的な状況について検証します。

まずは、大阪府全体の平均倍率推移をご紹介します。

昨年度1.25倍はここ約10年で最も高い倍率となりましたが、今年度も1.23倍と、昨年の高水準を維持した形です。昨年から前期選抜で普通科の募集を開始しており、定員をそちらに割いた結果後期で定員が減少しています。そのせいで、昨年度から高い倍率が続いています。

今年は中3卒業生数が昨年より約2,000名多いということもあり、40校で各40名の募集定員増加が図られていますものの、倍率の大幅低下にはつながりませんでした。

大阪府公立高入試は、今年大きなターニングポイントを迎えています。それは「学区撤廃」です。

大阪府の過去の学区制の変遷である「9学区⇒4学区⇒学区撤廃」の3期間に区切って、公立高普通科の倍率を示してみました。

9学区⇒4学区へと移行してすぐの数年は公立高人気が高くなっていることが分かりますが、以降は大きな乱高下となっています。この間、大幅な定員の増加や減少が毎年のように繰り返されたので、このようなことになっています。

前述の通り、「中3卒業生数の大きな違い」「大幅な定員増加」ということで昨年度との単純比較が難しくなっています。しかし、学区撤廃直前の2013年度の倍率が1.25倍で、学区撤廃初年度の倍率が1.23倍。恐らくは「学区撤廃だから私立高専願から公立高受験へ」と流れた受験生は少ないものと思います。こちらは、今後「旧来の学区を超えて他の学区の学校を受験する方がどれぐらいいたのか」ということが分かれば、何かしらの結論は出せることでしょう。

続いては、「定員割れ校数」の考察です。昨年度より前期でも普通科の募集が開始となっていることから、後期では定員割れ校数が極端に少なくなっています。定員割れ校数の変遷は以下の通りです。

2014年度 7校
2013年度 4校
2012年度 14校
2011年度 41校

こちらのエントリー「高止まり! 2014年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果」でご紹介をしましたが、希望調査時点では24校で定員割れ状態となっていました。その後、そういった定員割れ校への出願先変更が多く出て、最終的には定員割れ校数が7校にまで落ち着きました。

しかし、この定員割れ7校のうち、実に6校で今年度定員が増加(各40名)されている、という事実があります。40名の定員増加が無かったとしても定員割れとなる学校も3校あり、これらの学校は定員を増やす必要があったのかどうか、疑問が残ります。

こちらのエントリー「高止まり! 2014年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果」をお読み頂いた方はお気づきになられていると思いますが、特に進学指導特色校10校の倍率が高くなっています。それら10校とその他の学校では一体どのくらいの差があるのか?についても検証してみました。以下の表は、進学指導特色校10校トータルの倍率などと、その他97校トータルの倍率などを比較したものになります(画像をクリックすると拡大します)。

進学指導特色校10校トータルの倍率は1.59倍で、昨年・一昨年の1.58倍とほとんど変わりませんでした。昨年・一昨年に続き、今年もこの10校で約1,100名が不合格となり、この受験生たちは併願で合格している私立高へ入学することとなります。定員が全体の8%ほどしかないたった10校の進学指導特色校に、実に志願者の約11%が集まっており、これら10校は非常に厳しい入試になっていることがわかります。

一方で、その他97校の倍率が0.02ポイント下降しています。表をよくご覧頂きますと、募集定員の増え幅に対して志願者数の増えが少なくなっており、それが結果として倍率の低下を呼んでいます。2011年度入試での1.02倍のことを考えると昨年度・今年度と随分と倍率が上昇していますが、これは前述の通り「前期での普通科募集開始による、後期での定員減」が主な原因と考えられ、「公立高人気が急激に上昇した」と手放しでは言えないのが現実です。

簡単に言いますと、進学指導特色校10校とその他97校とでは、大きな倍率の差、つまりは大きな人気の開きがあることになります。

大阪府公立高後期選抜はあさって12日(水)実施、合格発表は翌週3月19日(水)となっています。受験生の皆さんの「最後の戦い」を、開成教育グループ 入試対策課は応援します!