咲くやこの花中高 中学1期生の卒業を迎えて

2014年3月26日 水曜日

咲くやこの花中高では、今春中学1期生の卒業を迎えています。これまでの進学指導に関する取り組みと成果について、まだ大学入試結果の全てが判明していない時期ではありますが、ご報告の場を設けて下さいました。そこにお邪魔してお聞きした内容をご紹介します。

まずは、簡単に学校の概要をご紹介します。

大阪府唯一の「併設型中高一貫校」として、2008年度より開校した咲くやこの花高。開校にあたり、従来の大阪市立扇町高と大阪市立此花総合高を統合改編しています。また、中学校も同時開校しています。

高校にある現在の3つの学科(総合・食物文化・演劇)のうち、食物文化科は大阪市立此花総合高にあった系列を引き継いだ形となっています。

学科に関わらず、高3になると一週間の授業の半分近くが各学科の専門的な内容や選択授業が占め、専門性を高めることが出来るのが大きな特徴です。しかしながら、専門授業が多い一方で学力の基礎養成に充てる時間が少ないのが難点にもなっています。

こちら咲くやこの花高では、女子比率が非常に高くなっています。以下は学科別のデータです(太字下線付が女子比率)。

総合学科 35:65
演劇科 9:91
食物文化科 24:76
高校全体 29:71

さて、ここからが本題です。中学1期生の大学入試を迎えるにあたり、様々な取り組みを実践されてきています。進学指導の取り組みにおける3つの柱と具体的内容は以下の通りであるとご紹介下さいました。

①進路ガイダンス、進路講話、進路面談
「受験状況や環境の理解」「高い目標を持たせてワンランク上の受験を目指す」「進路意識を向上させる」ために、外部からの講演会・系統別説明会の実施、学級担任や進路指導部教員と面談を実施

②各種セミナー(進学対策講習会)
学内で「セミナー」と呼称される進学対策講習を開催するほか、自習室(図書館)の開放、進路資料室の整備・充実を図った

③外部テスト(実力テスト、模試)の活用
ベネッセのスタディサポート、GTEC、進研・全統・駿台全国ハイレベルの各模試を学内実施

また、生徒だけに勉強させるのではなく、先生方もしっかりと研究されてきています。全国の公立先進校である堀川高・尾道北高・槻の木高・西京高へ教員を派遣し、視察されています。

進学指導及び進学目標の設定に関して「教員間の目線合わせ」が不可欠であると判断され、進学指導に関する教員用のマニュアルを作成されたのも、非常に大きな取り組みかと思います。これにより、「進学指導方針が教員間で共通理解された」「教員間の意見交換が容易になった」「教員・生徒ともに面談が重視された」という点で効果があったそうです。

最初のご紹介の通り、毛色が違う3つの学科に加え、総合学科内にも6つの系統があるなど、「生徒の多様性」では他校の比ではなく、それゆえ「個別対応がものを言う」ことを早くから理解しており、そちらへシフトする方向性を採られたそうです。

そして、「目線合わせ」には、「進学=大学」「進学は推薦入試ではなく一般入試で」「大学入試センター試験は受験する」という、教員間での思考の方向性の一致も当然含まれていたとのことでした。

その結果、これまでは指定校推薦での進学者数は年間70~80名だった所、方向性を統一した結果今年度は10名足らずにまで減ったようです。加えて、センター試験受験者数も、高校1期生が9名だった所から今春は76名の受験にまで持って行けたとのことです。

その結果、中学1期生を含む今春の3月中旬時点の大学合格実績は、以下の通りとなっています。

京都大2・大阪大2・神戸大2(いずれも昨年は合格なし)
国公立大(前期のみ)15(昨年3名)
関関同立46名(昨年5名)

昨年の数と比較すると、大幅な上昇となっていることがお分かりいただけると思います。しかも、今回の説明会開催時点ではまだ国公立大後期の合格発表が行われていませんので、その分の上乗せも期待されます。

そんな中学1期生から進路面で成果を出した咲くやこの花中高ですが、中学入試では非常に特徴的な出題傾向となっており、受験生を苦しめています。

そんな中、中学校の入試に対応した対策を行う「咲くやこの花中(中高一貫公立中)受験準備コース(小6)」を、開成教育セミナー JR野田駅前教室で開講しています。教室のご紹介はこちら(http://www.kaisei-group.co.jp/seminar/school/200292/)でご覧いただけます。咲くやこの花中を受験希望の方は、ぜひ一度教室に足をお運びください。