近畿大 日本一の志願者数に加え16年度には新学部誕生予定

2014年7月19日 土曜日

近畿大が高校・予備校対象に開催された説明会に行ってきました。

今回、近鉄富雄駅からバスで10分程度の所にある、農学部のキャンパスを訪れました。同じ近畿大とは言いながらも、東大阪Cとはまた違った雰囲気のキャンパス・学生の様子でした。

説明会ではまず、新学部構想について発表がありました。

2016年4月東大阪Cでの開設を目指し、外国語・国際系の学部新設を進めておられます。定員は500名を想定し、語学学習施設や全学的な留学制度の拡充を検討。英語コミュニケーション学科と文学部外国語文学専攻中国語・韓国語文化コースを新学部へ発展的改組する予定だそうです。ベルリッツと連携協力し、英語でビジネスの世界に飛び込んでいける人材を育成することを目標とされます。

1年次後期から長期留学をするなど1・2年次は主に英語に関する専門科目を、3・4年次には異文化理解を踏まえた教養科目を学ぶ予定にしているそうです。通常であれば「教養科目⇒専門科目(この場合英語?)」となるのですが、あえて反対のアプローチをされている、のが「後発」ならではのアイデアです。

出願の完全ネット化についても触れなければいけません。

2012年10月以降、ネット出願である「エコ出願」広報を開始。2013年度は公募推薦入試において61.3%でスタートしたネット出願率が、一般前期64.9%・一般後期70.0%と宣伝が行き届くにつれて率が上昇し、2014年度入試では「完全ネット化」とし、以下のような状況となりました。

・99.9%がネット出願(コールセンター利用は3名のみ)
・80.4%は受験生本人が入力(保護者8.7%、高校予備校講師3.6%)
・68.9%は自宅PCから、13.0%は高校予備校PCから、9.7%がスマホから出願

「分かり易い出願手続き」となったこともあり、以下のデータの通り、手続不備が激減したそうです。

2012年度5.6%⇒2013年度3.9%⇒2014年度3.3%

一方で「センター試験の成績請求票」「調査書」の郵送忘れが多いなど、ネットだけで全て完結すると勘違いされたことでの郵送忘れが多かった様子で、今後はその辺りの注意喚起が課題である、とおっしゃられていました。

全受験者がネットを通して出願していることを利用し、試験当日の交通機関の乱れに際し当該受験者へ時間繰り下げ等の連絡をメールで実施出来たことも大きな収穫だったようです。ネット出願化を推し進め、その過程でこういった「副産物」をもたらしたのは、今やイケイケの近畿大が「持ってる」証拠なのではないでしょうか。

就職状況ですが、今春就職率は94.0%。2013年度92.0%・2012年度90.2%・2011年度87.9%から見て順調に上昇。

2014年度入試結果です。

2011年度の志願者数は11万名を突破し、それまで5年連続で上昇していましたが、2012年度は久々に志願者減となり11万名を割りました。しかし、2013年度は大きく志願者数が増加。前年の108,719名に対し131,198名を集め、実に前年から31,956名増、前年比120.7%になっています。

その勢いは衰えることなく、2014年度は140,469名・前年比107.1%で、とうとう志願者数日本一となったことは皆さんもご承知のことでしょう。

その裏では、女子の志願者数・率も順調に増えています。今春は女子志願者数は増えたものの、占有率は前年からダウンはしていますが、長期的に見ると女子の数・率は順調に上昇しています。

2014年度 40,887名(29.1%)
2013年度 40,035名(30.5%)
2012年度 31,094名(28.6%)
2011年度 31,045名(27.6%)
2010年度 29,000名(27.1%)

入試方式別に見ると一般後期の倍率が2013年度11.5倍から大きく下がって5.7倍(2012年度は6.6倍)となっていますが、これは推薦入試~一般前期での歩留まり率が前年より低かった影響であるとのことです。恐らく関西大が一般前期で前年比約1割増の合格者数を出したことが手痛い影響を与えたものと思います。

一方で、全入試方式で合格者数が増やされました。一般前期では公募推薦よりも若干絞り気味だった合格者数も、一般後期で大放出されています。やはり、関西大の合格者数増の影響が一般後期で大きく利いている様子です。

学部別に見ると、志願者が減ったのは経済学部で前年比93.5%、総合社会学部で同86.5%の2つのみ。文系学部は前年比100.5%であるのに対し、理系学部は同113.2%と大幅増。理高文低が顕著です。

2015年度入試変更点です。主な変更点は以下の通りとなっています。

①公募推薦において「文系学部学部内併願制度」を新設し、文系学部において同一学部内の他の学科・専攻・コースが併願可能に。また、文系学部学部内併願方式により出願した学科にも高得点科目重視方式を追加可能。
②全日程で、併願先の学部にも高得点科目重視方式、PC方式が利用可能に。
③文芸学部の一部学科・専攻・コースの配点が変更。「高得点科目重視方式」「文系学部他学部併願方式」の対象範囲が拡大。

日本一の志願者数に加え、16年度には新学部誕生予定となっているなど、まだまだ勢いは止まりそうにありません。