確定! 2015年度大阪府公立高 前期 最終出願状況③

2015年2月23日 月曜日

去る2015年2月16・17日の2日間に渡って受付られました大阪府公立高 前期選抜の出願状況について詳しくご紹介をしているシリーズです。

これまで2つのエントリーで詳細をご紹介しています。

確定! 2015年度大阪府公立高 前期 最終出願状況①
主要な専門学科各校に関して、最終倍率だけでなく、昨年以前の過去6年間倍率と、毎年出願前に実施・発表されている「第2回 進路希望調査結果」と合わせてご紹介しました。

確定! 2015年度大阪府公立高 前期 最終出願状況②
普通科全校について、旧4つの学区に分けて状況を分析しました。

3回目となる今回ですが、学科単位での動向を分析し、学校個々の倍率上下ではなくより大局的な見方でもって、大阪府公立高 前期選抜に切り込んでみたいと思います。

今回は、以下1つの画像を使ってお話を進めさせていただきます(画像をクリックすると拡大します)。

普通科は3.31倍となり、昨年最終倍率の3.44倍から下げています。高すぎる倍率が嫌われているのは明らかですが、「早い時期に合格がほしい」志向が強い昨今の受験生は、高い倍率にもめげずにしっかりと挑戦をしているようです。

文理学科は3.04倍となり、設置初年度に記録して以来破られていなかった3倍台乗せを実現させ、過去最高の倍率となりました。昨年春には文理学科1期生が大学入試を迎え、「難関の国立大や私立大をまとめたグループで2年間平均は552人(16.4%)だったのに対し、13年度は663人と成果が見られた(2014年9月9日大阪日日新聞より一部抜粋)」と報じられた通り、実績面で初年度から成果を出した形です。それを受け、文理学科に対する「信頼」と「更なる期待」が持たれ、今回のこの倍率上昇につながっているものと思われます。

理数科も前年から0.23倍増の2.25倍という高水準となりました。文理学科設置後は同科に押され気味であったのが、ここへきて復調をしています。文理学科を目指す層の次に位置する層からの支持が集まっているものと思います。

理数科が盛り上がっている一方で、総合科学科は表内7年間の中で最も低い1.73倍にまで落ち込んでいます。昨年最終倍率は1.87倍ということで、高いとは思えない倍率だったことを考えますと、普通科のように「倍率が高いから逃げられた」ことにはなっていないようです。この減少分のうちいくらかは、理数科に流れているのではないでしょうか。

国際文化科も-0.15ポイントの1.69倍となり、少々手ごろ感が出ています。昨年は前年から0.24ポイント増の1.84倍という高倍率になったことが嫌われて、今年の受験生たちに避けられた結果と分析します。

昨年はとんでもない倍率上昇となった国際教養科は、その反動もあって0.46ポイント減の2.00倍となりました。昨年よりは幾分マシな倍率とはいいながらも、2013年度以前の5年間では2倍を記録した年はありませんので、その点から考えると「昨年から引き続き厳しい入試となる」と言わざるを得ません。

単位制は昨年4校⇒今年3校と1校減となっています。昨年から0.16倍増の1.69倍となっていますが、例年通りの入試になるかな?という程度の上昇幅となっており、穏やかな入試になるのではないかと思います。

総合学科ですが、エンパワメントスクールも含めると実に4校の増加となっています。トータルの倍率は1.50倍で、昨年から0.12倍の減となっています。今年度から総合学科として新たに加わった福井高と先のエンパワメントスクール3校については、比較的倍率が低い学校が多くなっており、それが全体の倍率低下を招いている部分があります。ただ、既存校ベースでも倍率を下げている所が多いのも事実で、今年は全体的に総合学科が盛り下がっている、という印象があります。

さて、詳しく見てまいりました大阪府公立高 前期選抜の倍率ですが、この「前期」という形での倍率分析は今年度が最後となります。2016年度入試からは「前期・後期の一本化」という、近年稀に見る大幅な入試制度の変更が予定されております。

本日は、大阪府公立高 前期選抜の実施日。現行制度下での最後の実施年度となります。受験生の皆さんが力を発揮できますことを願ってやみません。