北野高・天王寺高 普通科を廃止し定員全てを文理学科に

2015年2月26日 木曜日

大阪を代表する公立高校である北野高と天王寺高が、ついに定員全てを「文理学科」とすることになりました。

去る2月20日(金)に開催された大阪府教育委員会議におきまして、「文理学科の拡充」についてが議題として挙がり、かねてから噂があった「一部の学校をオール文理学科とする」件についてとうとう着手されることとなりました。

明けて21日(土)には新聞各紙でも報じられましたが、そのうちの一つである朝日新聞の記事を以下に転載します。


北野・天王寺高、文理学科に特化へ 普通科廃止
(2015年2月21日朝日新聞)

府教育委員会は20日、進学実績の高い府立高10校(グローバルリーダーズハイスクール)のうち、北野高と天王寺高で、普通科を廃止することを決めた。全クラスを、特に進学指導に力を入れる文理学科に改編する。

文理学科は大学進学指導の強化などを目的に、2011年春に設置。入試では普通科より難易度の高い問題を出題し、今春までは10校で各4クラス(160人)ずつ募集していた。北野高と天王寺高は、10校の中でも共通テストの成績が高く、進学実績も優れていることから対象校に選定。募集人数は今年11月に決定する。

23日に実施する今年の前期入試の文理学科の志願倍率は、10校平均3.04倍と高倍率だった。来年春からは普通科などとともに3月の後期入試に一本化される。


今回のこの決定ですが、大阪府教育委員会は理由を以下のように説明しています。

決定理由
①全学年の共通テストの結果及び進路の実績調査から、学習指導要領で定められた標準(普通科)を越えた、難度の高いカリキュラムに十分対応できる生徒が、全学的に在籍していること。
②GLHS評価審議会において、平成23~25年度までの3か年の事業評価において、両校とも高い評価(北野高等学校10点満点中9点、天王寺高等学校10点満点中10点)を受けており、特に「これまでのパフォーマンス及び今後の伸長を鑑み、文理学科の拡充など、GLHSの中枢の役割を果たし、事業の推進を担う学校として、さらなる成果を期待するものである」とのコメントを得ていること。
③普通科においても、文理学科に匹敵する課題研究活動をはじめ、質の高い教育活動を行っていること。

そして、今後の文理学科の拡充についてですが、大阪府教育委員会では「GLHSにおける文理学科のカリキュラムに対応できる生徒数や学校の指導体制等を総合的に勘案し、今後の拡充について検討する」としており、今後の拡充についても若干の含みを持たせています。今後の展開にも期待したいところです。

さて、記事の中には具体的な「文理学科一本化」の開始年度がありませんが、他紙あるいは大阪府教育委員会によりますと「2016年度入試より」ということになっています。つまり、現在中学2年生の皆さんからが対象となります。

現在中2生の皆さんと言いますと、「評定が相対評価から絶対評価になる」「公立高入試が前期・後期制を廃止して実質一本化に」「自己申告書と活動/行動の記録がボーダーゾーン内の判定材料となる」などなど、大規模な入試制度変更に直面する学年です。

それらに加え、今回のこの「北野高・天王寺高 オール文理学科化」が加わります。

2016年度大阪府公立高入試は、変更・変更の嵐です。入試制度が大きく変わることで、受験生の皆さんにとっては大きな心配があると思いますが、今やれることを悔いなくやっておくこと、これに尽きると思います。

なお、両校は文理学科一本とされますが、気になる募集定員については11月に発表される予定です。

 

関連記事:
確定! 2015年度大阪府公立高 前期 最終出願状況③
確定! 2015年度大阪府公立高 前期 最終出願状況①
大阪府公立高 文理学科10校の志望者平均偏差値