一極集中! 2015年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果

2015年3月6日 金曜日

去る3月6日(金)の新聞各紙で、大阪府公立高後期選抜に向けた「第3回進路希望調査結果」が掲載されました。

今回のエントリーではこの調査結果と今後の展望についてご紹介したいと思います。

さて、今回の調査結果によりますと、普通科は募集定員2万3589人に対し、2万8245人が志望しており、平均倍率は1.20倍となり、前年度同期比0.03ポイント減となっています。

一昨年記録した「ここ数年の中では最も高い倍率」の水準を今年もある程度は維持しています。

ここ数年の進路希望調査時点の平均倍率は次のように推移しています。

2015年度 1.20倍
2014年度 1.23倍
2013年度 1.25倍
2012年度 1.17倍
2011年度 1.05倍
2010年度 1.15倍
2009年度 1.23倍

2012年度⇒2013年度で大きく倍率が上昇した理由としては、「2013年度から普通科でも開始となった前期選抜に定員の一部を割いたので、後期での定員が昨年から減ったため」というものが有力でした。

その状況が2014年度入試でも続くことが確実視されたことに加え、昨年は中3卒業生数が昨年より約2,000名多かったということもあり、40校で各40名の募集定員増加が図られ、2013年度⇒2014年度では若干の倍率低下となりました。

また、希望者数が募集定員に満たなかった、いわゆる「定員割れ」の全日制普通科は24校となり、昨年24校と同数になっています。近年で最も少ない定員割れ校数となった一昨年の17校と比べて高い水準になってしまっています。

以下、定員割れ校数の変遷です。

2015年度 24校
2014年度 24校
2013年度 17校
2012年度 26校
2011年度 49校
2010年度 21校

その一方で、倍率が高かった学校として三国丘高2.02倍・豊中高2.02倍・北野高2.00倍・四條畷高1.96倍・大手前高1.86倍といった所が挙げられます。これらの学校は全て「進学指導特色校」という大阪府公立高を代表する学校であるという共通点がありますが、2倍もの高倍率になっている学校がこれだけ出ていることは、定員割れ校の多さと合わせて考えると「二極化」という言葉が当てはまるのではないかと思います。

ここからは旧学区ごとに主要な高校の調査結果をご紹介してまいります。2009~2014年度の調査時点倍率・最終倍率も合わせてご紹介していきます。

まずは旧第1学区の主要校の様子です(画像をクリックすると拡大します)。

先にご紹介をしました通り、北野高2.00倍・豊中高2.02倍と高倍率になっています。豊中高は昨年最終倍率1.80倍だった(それでも倍率は大幅増ですが)のですが、北野高は同1.56倍でしたので倍率の上昇幅はかなりのものとなっています。この要因として考えられるのはやはり「北野高・天王寺高 定員の全てを文理学科に」というニュースが駆け巡ったから、ではないでしょうか。当ブログではこちらのエントリー「北野高・天王寺高 普通科を廃止し定員全てを文理学科に」でご紹介をしていますので、是非ともご一読下さい。

大阪府教育委員会では、両校を文理学科一本にする理由をいくつか発表していますが、そのうちの1つが「普通科においても、文理学科に匹敵する課題研究活動をはじめ、質の高い教育活動を行っていること」となっています。

この事から、北野高の普通科にも多大な期待が寄せられた、ということになったものと思われます。

旧第1学区では、春日丘高の倍率上昇も見逃せません。昨年最終倍率の1.45倍は近年まれに見る低倍率でしたので、受験生に「狙われた」ようです。昨年ほどの緩い争いにはならないことは確実視されますので、注意が必要です。

続いては、旧第2学区の状況です(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

ここでも進学指導特色校である大手前高(1.86倍)と四條畷高(1.96倍)が飛びぬけて高い倍率となっています。ここでも、文理学科を持つ学校への期待感というものが数値として顕著に表れている、そんな気がします。

東高が1.59倍とかつてない高倍率を記録しています。昨年最終倍率は1.15倍と例年の1.3倍程度を大きく下回る水準でしたので、受験生に狙われているものと思われます。

現時点では交野高が0.96倍と定員割れを起こしていますが、今回のこの調査結果を見て受験生が交野高に流れてくるでしょうから、少し注意した方がよいでしょう。

続いては、旧第3学区の状況です(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

天王寺高1.63倍・生野高1.68倍・高津高1.73倍と、こちらも進学指導特色校への一極集中がみられます。進学指導特色校への期待感、ここでも数値として確実に表れています。

ただ、この学区には清水谷高(1.55倍)・夕陽丘高(1.56倍)という、中堅どころでも例年高倍率をマークする学校があります。両校とも昨年並みの厳しい争いになることを覚悟の上で出願されるようにしましょう。

この学区でもう1つ特徴的なのは、狭山高の倍率の動きです。毎年、進路希望調査段階では定員割れを起こしていますが、最終倍率では結局の所きっちりとした倍率にまで上昇しています。定員割れを期待している受験生の皆さん、きっとアテは外れると思いますので、期待しないで待つようにしましょう。

最後は、旧第4学区の状況です(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

三国丘高が2.02倍となっており、大阪府下普通科の中では豊中高とならんでトップの倍率となっています。昨年の最終倍率は1.23倍だったことを考えると、信じられないような倍率の上昇です。さすがにこれは、最終倍率では倍率のダウンとなるでしょう。これだけ倍率が高いにも拘らず、本当に三国丘高を志望している受験生の皆さんにとっては「出願先を変えない」という勇気が必要な決断をする必要があります。不安も大きいでしょうけども、同高を受験する受験生は皆同じ気持ちであることに気づき、冷静に日々を過ごすことが出来れば合格に近づくのではないでしょうか。

和泉高と登美丘高も1.6倍前後と高倍率になっています。両校とも進路希望調査でも最終倍率でもこれだけ高い倍率を記録したことはありませんでしたから、異常事態です。この倍率からはさすがに下がるとは思いますが、最終倍率も高水準になることは確実でしょう。

大阪府公立高後期の出願期間は3月9・10日の両日、学力検査は3月16日(月)、運命の合格発表は3月23日(月)となっています。

最終倍率が発表になりましたら、また当ブログでお知らせを致します。

 

関連記事:
過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率②
過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率①
高止まり! 2014年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果

 

▼おすすめの教育イベントはこちら▼