最上位校が難化! 2015年度大阪府公立高後期 最終倍率①

2015年3月12日 木曜日

去る3月11日(水)の新聞各紙に、大阪府公立高後期選抜の最終倍率が掲載されました。今回と次回のエントリーでは、大阪府公立高後期の最終倍率について考察して参ります。今回のエントリーでは、取り急ぎ主要各校の最終倍率を、進路希望調査結果のデータとも合わせて7年分ご紹介します。

結論から申しますと、文理学科を持つ10校のうち5校において直近7年間で最も高い倍率、しかもダントツに高い倍率となっている所もいくつかあるなど、最上位校に受験生が「殺到」している状況です。

中堅どころの学校においても、過去の倍率推移とは全く違うような例年よりも明らかに上の倍率となっている所もありますが、一方でこれまでなかったほどの明らかな人気薄、となってしまっている学校もあります。

以下、旧学区ごとに主要校の倍率についてご紹介致します。

まずは旧第1学区です(画像をクリックすると拡大します)。

北野高・・・さすがに進路希望調査時点の倍率(2.00倍)からはダウンも、今回ご紹介している今年を含む7年間で最高の倍率(1.83倍)。ハイレベルな戦いになることが明白。
茨木高・・・1.43倍とここ数年ではかなり低い倍率となり、北野高とは真反対の落ち着いた入試となりそう。
豊中高・・・進路希望調査時点の2.02倍という高倍率を見ても受験生は全く動かず、わずか0.04ポイントダウンの1.98倍。これは、掲載している7年間で最も高い倍率。
三島高・・・1.11倍は直近7年間で最も低い倍率。昨年の1.41倍という高倍率が嫌われてのダウン。
北千里高・・・ご紹介している7年で最も低い1.03倍という、とんでもなく「お得」な倍率となった。
刀根山高・・・昨年と同水準の1.40倍。昨年の1.42倍という高倍率にも臆することなく、今年も果敢に挑戦する受験生が集まった。

続いて、旧第2学区です(画像をクリックすると拡大します)。

大手前高・・・昨年の1.54倍から大きく上げた1.84倍で、直近7年間ではダントツの最高値をマーク。調査時点でも1.86倍と高倍率だったが、それに臆さず受験生が動かなかった。
四條畷高・・・昨年1.85倍は普通科全校で最も高い倍率、かつ、表でご紹介している過去6年(2014年時点)の中で最も高い倍率である、というオマケつきだったが、そこから更に上昇した1.96倍で、過去最高を更新。
東高・・・昨年は直近6年(2014年時点)で最も低い倍率(1.15倍)となった事を受け、今年は反動で1.56倍まで上昇。こちらは直近7年で最高値となるなど、年によって上下の浮き沈みが激しく、合格に必要な難易度の「揺らぎ」も相当なものとなるだろう。
枚方高・・・進路希望調査時点(1.39倍)から若干のダウンに留まり、直近7年で最も高い1.34倍に着地。例年のラインぎりぎりでは合格しそうになさそうなので、要注意。
交野高・・・進路希望調査時点の0.96倍からは上げ、かろうじて定員割れを逃れる1.01倍。直近7年では最も低い倍率。

続いては、旧第3学区の様子です(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

天王寺高・・・1.57倍。昨年から下げたとはいえ、直近7年では昨年に次ぐ高倍率。やはり「定員全てを文理学科に」という報せが利いているのか?
生野高・・・昨年1.69倍から下げた1.53倍となり、近年では少しだけ手ごろ感が出る倍率となった。2012年度入試水準の戦いとなりそう。
高津高・・・進路希望調査時点の1.73倍から全く動かず、1.74倍。過去をひも解くと2013年度入試の1.82倍に次ぐ高倍率。高倍率でも果敢に挑戦する、強気の受験生が多くいる模様。
八尾高・・・昨年最終倍率の1.37倍から大きく下げて1.12倍となり、直近7年では最低倍率タイという、お得感満載の倍率に。
河南高・・・昨年最終倍率1.30倍は近年稀に見る高倍率だったにもかかわらず、今年もまた上昇して1.33倍となる。

最後に、旧第4学区の状況です(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

三国丘高・・・進路希望調査時点の2.02倍という超高倍率は避けたものの、1.80倍は直近7年でダントツの最高値。三国丘高史上最もハイレベルな争いが展開されるのか?
岸和田高・・・1.49倍。昨年最終倍率1.41倍から若干の増加。
登美丘高・・・1.48倍は直近7年で最高の倍率、しかもダントツの高値となっている。昨年のボーダー付近の成績だと厳しい結果になりそうな予感。
東百舌鳥高・・・登美丘高と同じく、直近7年で最高の倍率(1.23倍)。定員割れすれすれだった倍率の時期があったことがウソのような、高い人気に。

昨年度より「学区撤廃」となっている大阪府公立高入試です。初年度の昨年はあまり受験生の動きは活発ではない様子でしたが、今年は学区間の行き来が盛んになったのでしょうか、人気面での「二極化」が色濃く出てきている印象です。

ここまでは各学区の主要校の最終倍率を、過去の最終倍率や進路希望調査結果などと絡めて見てきました。次回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項について検証します。こちらもお見逃しなく。

 

関連記事:
一極集中! 2015年度大阪府公立高後期 進路希望調査結果
北野高・天王寺高 普通科を廃止し定員全てを文理学科に
過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率②
過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率①