最上位校が難化! 2015年度大阪府公立高後期 最終倍率②

2015年3月13日 金曜日

昨日、こちらのエントリー「最上位校が難化! 2015年度大阪府公立高後期 最終倍率①」にて、大阪府公立高後期の倍率を主要校のみですがご紹介を致しました。

本日は、各校の倍率というミクロの視点ではなく、大阪府全体の倍率や過去からの推移、特徴といったマクロな視点から大阪府公立高後期について切り込んでいきます。

全日制普通科(総合選択制を含む)の倍率推移について考察します。

次のグラフは、過去10年ちょっとの大阪府公立高後期の倍率推移となります(画像をクリックすると拡大します)。

今年は募集人員2万3589人に対して、2万8441人が出願し、平均倍率は前年度を0.02ポイント下回る1.21倍となりました。

前期でも普通科の募集が開始となって今年で3年目。普通科の定員が前期に割かれるようになって後期の定員が減り、2013年度入試から後期の倍率が高い傾向にあります。今年は前年から若干のダウンとはなっているものの、その昔の1.1倍台が当たり前だったころのことを考えると、気の毒な倍率であることには変わりありません。

大阪府公立高入試は、昨年大きなターニングポイントを迎えました。それは「学区撤廃」です。

大阪府の過去の学区制の変遷である「9学区⇒4学区⇒学区撤廃」の3期間に区切って、公立高普通科の倍率を示してみました(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

9学区⇒4学区へと移行してすぐの数年は公立高人気が高くなっていることが分かりますが、以降は大きな乱高下となっています。この間、大幅な定員の増加や減少が毎年のように繰り返されたので、このようなことになっています。

学区撤廃直前の2013年度の倍率が1.25倍で、昨年の学区撤廃初年度の倍率が1.23倍。今年は1.21倍と昨年とほぼ同じ水準となっていることから、恐らくは「学区撤廃だから私立高専願から公立高受験へ」と流れた受験生は少ないものと思います。こちらは、今後「旧来の学区を超えて他の学区の学校を受験する方がどれぐらいいたのか」ということが分かれば、何かしらの結論は出せることでしょう。

続いては、「定員割れ校数」の考察です。3年前より前期でも普通科の募集が開始となっていることから、後期では定員割れ校数が極端に少なくなっています。しかしながら、今年は残念なことに、前期での普通科募集開始前の水準にまで戻ってしまいました。

定員割れ校数の変遷は以下の通りです。

2015年度 14校
2014年度 7校
2013年度 4校
2012年度 14校
2011年度 41校

今年の定員割れ校数は14校。前述の通り、前期に普通科の定員を割くようになったのが2013年度入試からで、その年から定員割れ校数が極端に減ってはいたのですが、今年また2012年度水準である14校にまで膨れ上がってしまいました。

こちらのエントリー「最上位校が難化! 2015年度大阪府公立高後期 最終倍率①」をお読み頂いた方はお気づきになられていると思いますが、特に進学指導特色校10校の倍率が高くなっています。

ここで簡単におさらいを致します。今回の後期において倍率が高い学校を「高い順」にご紹介を致しますと・・・

◎豊中高1.98倍
◎四條畷高1.96倍
◎大手前高1.84倍
◎北野高1.83倍
◎三国丘高1.80倍
◎高津高1.74倍
春日丘高1.61倍
◎天王寺高1.57倍
東高1.56倍
◎生野高1.53倍

(◎は進学指導特色校)

となり、上記でご紹介した10校のうち実に8校が「進学指導特色校」となっています。

進学指導特色校10校とその他の学校では一体どのくらいの差があるのか?についても検証してみました。以下の表は、進学指導特色校10校トータルの倍率などと、その他95校トータルの倍率などを比較したものになります(画像をクリックすると拡大します)。

進学指導特色校10校だけの倍率は今年1.72倍で、過去の1.5倍台から考えるとかなりの倍率上昇となっています。上の表によりますと、10校の募集定員1,880名というのは過去5年間はほぼ変わっていませんが、志願者数が年々増えてきていることがわかります。ということは、その分不合格となってしまう受験生も多くなります。年を経るごとに倍率が上昇し続ける進学指導特色校。人気の程はかなりのものです。

その一方で、その他95校の倍率が昨年から0.04ポイント減の1.16倍となっています。こちらは進学指導特色校の傾向とは反対に、2013年度を頂点に年々減少し続けています。昨年は募集定員が増やされた一方で志願者の増加幅はそれほど大きいものではなかったことから、前年からの倍率低下となっていました。今年は、定員が減っているのですが、それ以上に志願者数も減っているようです。

2011年度入試での1.02倍のことを考えると2013年度・2014年度と随分と倍率が上昇していますが、これは前述の通り「前期での普通科募集開始による、後期での定員減」が主な原因と考えられ、「公立高人気が急激に上昇した」と手放しでは言えないのが現実でした。それがまた今年1.16倍となり、連続して減っていることも合わせて考えると、「公立高人気で倍率が高い」とは言えないと思います。

簡単に言いますと、進学指導特色校10校とその他95校とでは、大きな倍率の差、つまりは大きな人気の開きがあることになります。

大阪府公立高後期選抜は3日後の16日(月)実施、合格発表はその翌週3月23日(月)となっています。受験生の皆さんの「最後の戦い」を、開成教育グループ 入試対策課は応援します!

 

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