かつては顔文字も! 昔と違う大学の学部・学科名

2016年1月18日 月曜日

四年制大学の数が増えていることと、既存大学も学部新設を多くおこなっていることもあり、大学の学部数がこの15年の間に爆発的に増えています。これに至った背景には「大学設立の規制緩和」が関係しており、学部の数が増えるのに伴って、既存の学部と重ならない分野や名称となるように工夫がされ、それが学部名にも変化を起こしています。

ここで、かつて(1990年)と今(2015年)で、学部数と学部名の一般的な状況がどう異なっているのかについて、比較をしてみましょう。

学部数
かつて(1990年)1,306学部(509大学)
今(2015年)2,265学部(775大学)

学部名
かつて(1990年)文、法、理、工、医、農など「漢字一文字の学部名」が大半
今(2015年)こども○○、グローバル○○など「ひらがな、カタカナが入る学部名」が目立つようになり、今までにない学問分野も出現

大まかな区分で少ない学部数だったかつてにくらべ、現代社会の様々な問題を解決するため、大学の学びもそれに合わせる形で複雑化・多様化・細分化しています。今や多くの大学において、多種多様な学部・学科が設置され、今までにない学問や学生が求める学問に合うよう、選択の幅が広げられている状態です。

その結果、かつては学問としては成立していなかった分野であっても、現在の大学には新たな学びとして様々な名前を冠し、学部・学科として存在しています。次に挙げるのはそれらのほんの一部です。今や、受験生に興味をもってもらうためには「何でもアリ」状態になっている現状がお分かり頂けることと思います。

・京都精華大学 マンガ学部
・神戸芸術工科大学 芸術工学部 アート・クラフト学科 フィギュア・彫刻コース
・駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部
 ⇒ 開設当時は「日本最長の学部名」として話題になりましたが、『グローバル(Global)な問題を多角的にとらえる広い視野、複雑化したメディア(Media)を経由して大量のコンテンツが流れるしくみの理解、学問領域にとらわれない自由な発想での研究(Studies)の3つを柱(駒澤大学HPより)』とする学問内容になっています
・日本大学 危機管理学部
 ⇒ 自然災害・テロなどの多様な危機から社会を守るための方法や制度を研究するなど危機管理のエキスパートを育成すべく2016年4月に開設予定で、2015年に放映されたフジテレビ系の堤真一主演ドラマ「リスクの神様」のスポンサーとなるなど開設前から「大々的な宣伝」をされています
・東海大学 工学部 航空宇宙学科 航空操縦学専攻
 ⇒ 東海大学は1943年に航空科学専門学校として開校したという歴史があり、プロパイロットの養成コースである本専攻も日本初として2006年4月に設置、学費は高いですがパイロットの夢を持つ人にはオススメの専攻です
・神奈川工科大学 創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科
・明海大学 不動産学部
・宮城大学 食産業学部
・浜松大学 ビジネスデザイン学部 サービスと経営学科
・武蔵野音楽大学 音楽学部 ヴィルトゥオーソ学科
 ⇒ 『「ヴィルトゥオーソ」とは、「音楽の名手」、「芸術(音楽)の技術に優れた人」を意味するイタリア語。その名の通り、実技教育に重点を置き、特にプロの演奏家を育てるための学科です(武蔵野音楽大学HPより)』
・鈴峯女子短期大学 言語文化情報学科 日本語日本文化(^^)コース
 ⇒ おそらく全国初の顔文字入りコース名(現在は募集停止)

後日のエントリーでは、4月から高校3年生になる皆さんが大学入試を迎え、入学する年度「2017年度」から近畿地区の大学において新たに開設される予定となっている学部・学科について、現時点で具体的な内容が判明している情報の中から、特に受験生たちが注目するであろう大学・学部・学科について、まとめてご紹介します。