浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました(神道-日本文化編)

2016年6月2日 木曜日

毎年初もうでに行き、地鎮祭や上棟式では神主さんをお願いし、受験前、出産時などには神社のお守りを身に付ける人が多い日本ですが、不思議な事に神社神道系の中学校・高等学校というのはあまりありません。全国でも「皇學館中学校・高等学校」、「國學院高等学校」、「國學院大學久我山中学校・高等学校」、「國學院大學栃木中学校・高等学校」、「浪速高等学校・中学校」の5校しかありません。しかも関西ではこの「浪速高等学校・中学校」しかありません。この神社神道の考えを生かした教育を受ける事ができるのはここしかないという訳です。

学校の正面左手に「学院神社」があります。この立派な鳥居は伊勢神宮の倭姫宮の明神鳥居を譲り受け移築したものだそうです。毎月1日にはここに全校生徒がお参りします。因みに古い社殿は東日本大震災で流失した岩手県大船渡市の神社に寄贈したのだそうです。

神社といえば日本文化と関わっています。日本文化といえば・・・というわけで、まず立派な和室がありました。家庭科で利用されているようですが、床の間が付いた本格的な形式です。建物内のベンチにも畳を利用しているものが随所に置かれています。芸術科目の一つとして書道も重視しているようです。もちろん茶道の部屋もあります。

武道は空手を採用しているようですが部活としても全国優勝レベルという素晴らしい戦績を残しています。剣道や弓道といった部活も強豪です。もちろん硬式野球やサッカー、ボクシングなど伝統的な日本の武道以外にも強いクラブはたくさんあります。

さらに特徴的なのは雅楽部と神楽部でしょう。神楽部は大阪天満宮の先生から直接指導を受けている本格的なものです。雅楽部は2012年の近畿高校総合文化祭(和歌山県大会)で奨励賞を受賞したというレベルで、昨年の「開成進学フェア」で実際に演奏をして頂きましたが、周りの空気感を変えてしまうような緊張感あふれる凛とした演奏が印象的でした。いずれも学内行事等での奉納演奏を担当しているそうです。

道徳教育も神社神道の考えを基礎として、他者とのつながりをテーマにした授業が中学校で行われています。この実践を元に道徳教育研究会がこの学校で開催されたほどです。

このように芸術、部活、道徳教育、学園生活の中に日本文化を重視する仕掛けが織り込まれているこのような学校は類を見ないものです。大人が見ても実際の住まいや生活から薄まりつつある文化を再確認できるような学校でした。

 

浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました(ICT編)

2016年6月1日 水曜日

創立90周年を記念して校舎の建て替え工事が完了した浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました。最寄駅は南海高野線「我孫子前駅」ですが、地下鉄御堂筋線「あびこ駅」、JR阪和線「杉本町駅」「我孫子町駅」、のどの駅からも徒歩圏内ですので、大阪市内のみならず、北摂方面からでも十分通学可能な利便性の高い立地です。

遠くから見える立派な建物が中央館という8階建ての建物です。平成27年8月に竣工したそうです。この建物の2階部分が玄関になっています。

玄関を入ったところに「コスモススペース」という名前のオープンスペースがあります。ミーティングテーブルやプロジェクターがありますが、無線Lanの設備もあり、生徒は借りたiPadで調べものもできるという場所でもあります。アクティブラーニングのためにミーティングテーブルやパソコンを用意している学校も増えてきましたが、このように人数やスタイルに合わせて柔軟にレイアウトが変更できるスペースが玄関前にあるのが斬新です。

各教室には電子黒板が準備されています。このような最新の機器を利用しにくいといわれる国語の授業がいくつかの教室で行われていましたが、有効に利用されていました。平均年齢34歳と、先生方も若い方が多いのでこのような新しい授業スタイルも柔軟に取り入れられるのかも知れません。

大画面で一斉に動画が鑑賞できるシアターもありました。面白いのが前半分のスペース。カーペットを敷き詰めたフラットなスペースになっていて、多くの生徒を収容する事も可能です。

化学室です。実験室としての設備に加え、ここにも大型モニターが設置されています。後ろの席の生徒でも先生の実演などを見ることが可能です。

このように新たな設備をそろえました、というだけでなく、それを使って効率的な授業を展開しているのが印象的でした。今年の卒業生のうち、六年一貫の25名中5名が国公立に合格したそうですが、このような充実した設備での学習によって、今後の実績が期待できます。