2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率⑤

2012年9月13日

2012年度滋賀県公立高入試問題各教科の小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していますこのシリーズ、今回で5回目、最終回となります。

これまでは、国語・数学・社会・理科についてご紹介をしています。以下のエントリーをまだお読みでない方はこちらも合わせてお読みください。

2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②
2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③
2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率④

最終回となる今回ですが、英語についてのご紹介となります。小問別正答率は以下の表の通りになっています。

滋賀県公立高入試 正答率 英語①

滋賀県公立高入試 正答率 英語②

なお、今年度の英語の平均点は100点満点で45.3点(昨年44.3点)でした。

以下、滋賀県教育委員会が発表した解答の分析の一部です。

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大問1の聞き取り問題では、絵を見て答えを選ぶ問題の正答率や、初歩的な会話の流れや内容を聞き取る問題の正答率が高く、中学校の授業で英語を「聞く・話す」活動に積極的に取り組ませている成果が表れている。しかし、前後の流れから内容を理解したり、聞き取った内容や事実を英語で正しく表現したりする問題では正答率が低かった。日ごろから、相手が伝えようとする内容を聞き、それをもとにコミュニケーションを図るような活動を一層充実させることが望まれる。

大問2は、生徒と、帰国したALT(外国語指導助手)がやりとりしたEメールを題材にして、書き手が伝えようとすることを読み取る力や場面や状況に応じて英語で適切に表現する力を見る問題である。英文の基本的な構造を理解する問題では、比較的高い正答率であったが、本文の内容理解が必要な問題については正答率は低かった。日ごろから英文のあらすじや大切な部分などを的確に読み取り、読んだ後に自分の意見や感想等を表現し合う活動をより計画的・系統的に行うことが望まれる。

大問3は、生徒と留学生の会話を題材に、英語の理解力や表現力などを総合的にみる問題である。会話における適切な表現を選択肢から選ぶ問題や、会話の流れを把握しているかをみる問題では、比較的高い正答率であったが、場面や状況に応じて適切に表現する力をみる問題の正答率は低かった。まとまりのある英文の内容を的確に読み取り、読み手としての感想や意見、賛否およびその理由を表現する活動をより一層充実させることが望まれる。また、それにとどまらず、自分の考えや気持ちを明確にしたうえで、適切な表現を用いて応じたり書いたりする活動を取り入れることも重要である。

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基礎的な力を問うものから応用力を問うものまでバランスよく設問が配置されている良問となっています。

「全体的には、初歩的な英語を聞いて話し手の意向を理解する力や、英文を読んで大まかな流れをつかむ力はあるが、大切な部分を聞き取る力や的確に読み取る力、また場面や状況に応じて適切に表現する力は十分に定着しているとは言えない。コミュニケーション能力の基礎を養うという観点から、英文の正確な語順や構造を意識させるとともに、それらを言語活動と効果的に関連付け、実際に活用できるように指導することが重要である。そのためには、英文を聞いたり読んだりした内容を理解するだけでなく、それに対する自分なりの感想や意見などをもち、それをもとに生徒がコミュニケーションを図るような指導を一層充実することが望まれる。」という滋賀県教育委員会からの発表もありますとおり、英語は読んだり書いたりすることももちろん大切ですが、実際の会話において聞いたり話したりすることがさらに重要です。

公立高の入試問題で「実践的コミュニケーション能力を問う問題」が出ている以上は、中学生もそれに対応するような力を身につけておかないといけない、ということになります。

よって、今後残り半年ほどでは、特に読む・書くという点だけではない、リスニングに代表されるような特にコミュニケーション能力を養う問題を中心に対策を進めていくことが大切になるのではないでしょうか。

今回の英語についてのご紹介をもちまして、当シリーズの全5回が終了となります。滋賀県の中学3年生の皆さんの入試対策のお役に立てば幸いです。