大阪府公立高 2017年度からの英語資格の入試活用

2013年11月11日

大阪府において2017年度入試から英語資格を入試活用する方向で進められている事について、まとめてみたいと思います。

先般新聞報道がありました通り、英検などの資格を入試当日の英語の点数に換算出来る様にするというものです。新聞各紙で報道がされましたが、代表して毎日新聞の記事を以下の通り転載しています。

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高校入試に英検やTOEFL反映(2013年9月20日毎日新聞、一部抜粋)

大阪府教委は、全府立高校の入試で、受験生が希望すれば、英検や英語能力試験「TOEFL」の成績を、英語の入試得点に反映させることを決めた。2017年4月入学の受験生から適用する。府教委によると、都道府県立校全体の取り組みとしては全国で初めて。

中学3年生までに取得した英検の級数や、インターネット形式で実施する「TOEFLiBT」などの点数を一定の割合で換算。入試で受験した英語の点数と比較し、高い方の点数を最終的な得点と認定する。

英検準1級(大学中級程度)かTOEFLが60点以上なら、英語入試は満点扱い▽英検2級(高校卒業程度)かTOEFL40点なら、入試は満点中8割の得点−−とする。中学時代までに培った英語力を適正に評価するとともに、小中学生の英語の学習意欲を高める狙い。

この日の会議では、府立高でハイレベルな英語教育を行うため、高度な英語力を持つ外部人材「スーパーイングリッシュティーチャー(SET)」を公募することも決めた。15年度から、進学校を中心とした6~8校に配置し、段階的に対象校を拡大。TOEFLの出題形式に沿った授業を行う。任期は原則3年で、教員免許を有していなくても府内だけで通用する免許を付与する。

中原徹教育長は、会議後の記者会見で「日本の国際競争力の向上を目指す。国際的に活躍できる素質をもった子たちをどんどん伸ばしたい」と話した。

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英語資格の活用に関する中身と、各資格と当日入試得点の換算に関する表を下の画像にまとめています(画像をクリックすると拡大します)。

上の資料にあります通り、例えば英検ならば準1級で入試当日の英語が満点、2級で80%の扱いとなり、当日の試験結果と高い方の得点を採用するという形です。現在はTOEFLiBTや英検が対象資格として挙げられていますが、今後も対象となる資格の追加や変更などが見込まれます。

さて、上でご紹介した記事の中にも触れられている、ハイレベルな英語教育を行うために高度な英語力を持つ外部人材「スーパーイングリッシュティーチャー(SET)」を公募する、という件についても触れておかねばなりません。

詳しい内容については、次の画像でご紹介しています(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

高度な英語力を持つ外部人材「スーパーイングリッシュティーチャー(SET)」は、TOEFLiBT教育を行う学校に配置されることになっているようです。

TOEFLiBT教育実施校ですが、上の画像内に記載されているような内容・ステップで増やしていく予定にしているようです。文理学科を持つ10校と国際系の学科5校程度を対象にし、2016年度には15校程度に広げるようです。

これらの学校それぞれで取り組みが定着したころとなる2017年度入学生から英語資格の入試利用が開始となる、という流れになります。つまり、英語資格の入試利用は、あくまでも公立高校の国際化の一環であるということにご留意ください。

「英語資格を入試に活用する」という部分だけが独り歩きして話題となっている部分があるようですが、実はこういった「公立高校の国際化」の取り組みの延長線上に「英語資格の入試活用」があります。それを理解すると、「英語資格の入試活用」についても若干違った視点から見る必要があるのかな、と思ったりもします。