大阪府高校入試 2014年度第2回進路希望調査結果②

2014年1月30日

去る1月22日(水)に新聞各紙に掲載された、大阪府内の公立中学卒業見込み者を対象にした第2回進路希望調査結果を細かく見ていくシリーズです。シリーズ第1回目となるこちらのエントリー「大阪府高校入試 2014年度第2回進路希望調査結果①」では、大阪府私立高の全体概況をご紹介しました。

第2回目となる今回は、前回ご紹介した私立高全体概況から更に深く掘り下げ、私立各校の希望状況を見ていきます。

なお、今回のエントリーをお読みになる前に、私立高の全体的な状況についての前回のエントリーを先にお読み下さい。

さて、私立高各校が専願・併願それぞれで何人希望者を集めているのか、を以下の表3つにまとめています。(それぞれの画像をクリックすると拡大します)。

まずは、男子校と女子校についてです。

男子校の動向です。

毎年大変多くの受験生を集めている興国高は、専願で60名、併願で300名程の希望者減となっています。それでも、募集定員に対する専願率が149.5%ということで、専願だけで定員の1.5倍の希望者数を集めているということになり、非常に高い人気であることには変わりありません。清風高は専願が44名増、明星高は併願で64名増と、男子難関校の人気も昨年から盛り返している印象です。

女子校の動向です。

募集定員に対する専願率が非常に高いのが、大阪成蹊女子高(144.6%)と香ヶ丘リベルテ高(130.1%)の2校です。新たに「理数」を設置する四天王寺高は、学校全体で専願15名増・併願122名増となっています。新設の「理数」は専願自体は16名ですが、併願で268名増となり、文理学科との併願者を中心に多数の受験生が集まっています。専願・併願共に大きく希望者数を伸ばしているのが、大阪国際滝井高(専願+34名・併願+164名)と梅花高(専願+70名・併願+60名)・明浄学院高(専願+31名・併願+53名)の3校です。

共学校ですが、画像を2つに分けています。まずは①からです(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

上の表に掲載されている共学校に関する動向です。まず気になるのが、2014年度入試より共学化となるあべの翔学高の動向です。今回の調査では、専願241名増・併願696名増で、合計937名もの希望者増となっています。過去をひも解きますと、2013年度から共学化した羽衣学園高と東大谷高の2校も、進路希望調査時点で羽衣学園高(+839名)と東大谷高(+1216名)と、大幅な希望者増となっていました。「共学化」は、生徒募集の上では利き過ぎるぐらいの「カンフル剤」となっています。専願だけで定員を大幅に超えているのが追手門学院大手前高で、何と定員の2倍もの数が専願で希望をしています。同じく、専願希望者だけで定員を超えている所としては大阪商業大学堺高も挙げられます。特に希望者が減っている所として、追手門学院高の約-450名、大阪青凌高も同じく約-450名の2校が挙げられますが、いずれも例年の人気傾向から難易度上昇となることを恐れて、周辺他校に受験生が流れていることが考えられます。

続いて、共学校の②です(同じく、画像をクリックすると拡大します)。

常翔啓光学園高が併願で+482名と、かなりの増加となっています。恐らく、例年であれば大阪青凌高を受験しているであろう枚方周辺の受験生が、大阪青凌高の難化を嫌って常翔啓光学園高に流れているものと思われます。また、常翔学園高も専願・併願合わせて400名ちょっとの希望者減です。この学校もここ数年の高い人気のおかげで入学に必要なレベルが上がりっぱなしで、その難化傾向が受験生を他校へ向かわせたのでしょう。その一つが、ひょっとすると先にご紹介した常翔啓光学園高なのかもしれません。昨年共学化で話題を呼んだ羽衣学園高と東大谷高ですが、羽衣学園高は昨年から更に200名の希望者増である一方、東大谷高は1000名近くの志願者減となり、共学2年目にして明暗が分かれています。東大谷高は入学に必要となるレベルが相当高くなるという予想があり、それがこのような結果になっているのではないでしょうか。反対に羽衣学園高はそこまで難化するとは思われていないのか、希望者を減らすどころか昨年よりも多くの数を集めています。

次回から3回に分けて、公立高前期選抜の希望状況をひも解いていきます。注目の「普通科前期」はどのような状況になっていますでしょうか?お楽しみに。