大阪府公立高 現中2生から中3チャレンジテストを実施へ

2015年12月2日

現中3生から大阪府公立高では新しい入試制度が導入されることになっていますが、こちらのエントリー「大阪府公立高 2017年度以降の学テ入試使用は白紙に」では、学校別評価を内申点決定の際の「全国学力調査(学テ)」の活用を次の年度(現中2)から断念する、とご紹介をしましたが、この程その続報が入ってきました。

以下、新聞記事の一部抜粋です。


大阪府教委:府内全中3対象に新設の統一テスト実施の方針
(2015年11月26日(木)毎日新聞)

文部科学省が全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の高校入試への活用を実施要領で禁止する方針を示したことを受け、大阪府教委は来年度から、府内のすべての中学3年生を対象にした統一テストを新設する方針を固めた。学テに代えて、2017年春入試から内申点調整に利用する。

複数の関係者によると、統一テストは国数英理社の5教科を対象とし、6月に実施する方向で調整している。中学校ごとの学力レベルを測り、それを反映する形で各校がつける内申点の平均値を設定する。成績の良い学校は高い内申点の生徒が増え、振るわない学校では少なくなる。

府教委は来春の入試から内申点の評価方法を絶対評価に変えるのに伴い、学校間で評価基準を統一するため、中3生が4月に受ける学テの成績を反映することにした。しかし、文科省が、来年度の学テの実施要領で入試への活用を禁止する方針を示したため、16年春のみの活用にとどめ、17年春以降は代替案を検討していた。

府教委は中1、中2については3学期に実施する「チャレンジテスト」と呼ばれる統一テストを既に導入。一方、中3については「受験生への負担が大きい」として導入を見送ってきた。受験への影響を最小限に抑えるために中1、中2よりテスト時期を前倒しする方針だが、一度見送った制度だけに教育現場から反発が起きる可能性もある。


入学者選抜制度の安定性、継続性の観点から、現中3生向けに制度設計された新制度を極力変更しないようにされ、「全国学力・学習状況調査」に替えて、中学3年生を対象に実施する「中3チャレンジテスト」という名の独自の府内統一テストを実施し、その結果を活用するという方針に落ち着きました。

評定が決められる過程について、新たに導入される「中3チャレンジテスト」も踏まえて以下にまとめてみます。

(1)中学3年生の「府全体の評定平均」を、中学2年生時のチャレンジテストによる検証を経て決定する。
(2)各中学校は、「府全体の評定平均」と中3チャレンジテストの結果を活用した「評定平均の範囲」内で評定を確定する。
・中3チャレンジテストにおける各中学校の平均得点と府の平均得点との比(対府比)を「府全体の評定平均」に乗じて得られる数値を当該校の「評定平均の目安」とする。
・各中学校が調査書の評定を確定するにあたっては、「府全体の評定平均」や「評定平均の目安」の設定の時期や内容、また、設定後の生徒の学力状況の変化等を勘案し、「評定平均の目安」±0.30の「評定平均の範囲」内で行うものとする。

さて、この「中3チャレンジテスト」ですが、いつ・どのような内容で実施されるのでしょうか?それについても以下のとおり明らかになっています。

中3チャレンジテストの実施概要
実施時期 6月下旬頃
出題範囲 中学校2年生までの指導事項を基本に、可能な範囲で中学校3年生の指導事項を含める
実施教科 国語、社会、数学、理科、英語の5教科

6月下旬ごろの実施予定となっており、多くの中学校では修学旅行と重なることが考えられます。

大阪府公立高の入試制度をめぐる混乱はまだまだ続きそうな気配です。

 

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