滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率④

2010年9月7日

滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②
滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③

に続くエントリーです。上の3つのエントリーをまだお読みでない方は、合わせてお読みください。2010年度滋賀県公立高入試問題の小問別正答率などを教科ごとに詳しくご紹介しているこのシリーズですが、これまで国語・数学・社会についてご紹介してきました。

今回は理科についてです。理科の平均点は49.6点でした。小問別正答率の表を下に掲載しています(クリックすると拡大します)。

滋賀県公立高入試 小問別正答率(理科)

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析の一部を以下にご紹介します。

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大問1では、温度と湿度の条件によって水滴に変化した水蒸気の量に違いがあることについて問う問題や、水蒸気が水滴に変わりはじめるときの温度について問う問題では正答率が高く、温度と湿度、水蒸気と水滴の関係に関する基礎的・基本的な事項はおおむね理解できているといえる。一方、グラフを活用する問題や考察したことを記述する問題では正答率が低く、今後さらに実験結果や調べたデータを考察し的確に表現する力の育成が求められる。

大問2では、根のようすから単子葉類の特徴について問う問題や、根の成長を細胞の成長と関連づけて問う問題では正答率が高く、植物の根やその成長の基礎的・基本的な事項はおおむね理解できているといえる。一方、根の体細胞分裂における染色体の動きについて問う問題では比較的正答率が低く、今後さらに観察結果を考察する力の育成が望まれる。

大問3では、水溶液に電流を流したとき、それぞれの電極で物質が生成されるしくみを説明することや、実験で起こった化学変化を原子・分子のモデルを用いて表すことなど、化学変化に関する基礎的・基本的な事項を問う問題については比較的正答率が高い。一方、電気分解の実験から、発生する気体を割りだし、その気体の性質を問う問題や、化学変化における物質の量的関係を考察する問題では正答率が低く、今後は複数の実験結果を関連付けたり比較したりして分析し、活用していく力の育成が求められる。

大問4では、コイルに磁石を近づけると誘導電流が発生することを問う問題や、磁極の違いと誘導電流の向きとの関係を問う問題については比較的正答率が高い。このことから、電磁誘導に関する基礎的・基本的な事項の理解については、おおむね達成できていると考えられる。一方、誘導電流が流れる理由を問う問題や、斜面上の台車の運動と関連付けて、棒磁石を動かす速さの違いから誘導電流の大きさの違いを考察し説明させる問題については正答率が低く、今後は実験結果を分析し、的確に表現する力の育成が求められる。

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全体的には基礎的・基本的な事柄が問われている問題の正答率は高く出ていますが、滋賀県教育委員会も指摘しているとおり、「科学的に考察し認識する力や、それを的確に表現する力はやや弱い」ようです。

理科の成績アップのコツは、自然や毎日の生活の中に見られる何気ない現象などに興味・関心を持つこと、そしてそれを基礎的・基本的な知識を使いながら科学的に探究することが挙げられます。

もちろん、実験や考察したことを的確に表現できる力も必要になります。「表現する力」については、これまで他の教科の解説でも「非常に大切」とお伝えしています。「記述力」をつける勉強は、どの教科にも通じる対策になります。

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滋賀県公立高入試、残りは英語だけとなりました。次回のエントリーもお楽しみに。