2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率①

2011年2月18日

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点」に続くエントリーです。前回は大阪府公立高 後期選抜の教科別平均点を過去4年分ご紹介しました。この後の5回のエントリーでは昨年の後期選抜における科目ごとの小問別得点率をご紹介していきます。

今回以降でご紹介していく表の中には、小問題ごとに次のデータが載せられています。

①全体の得点率・・・調査対象者全員のうち何%がその問題を正解したか
②評定平均値別の得点率・・・調査対象者を評定10~8・7~5・4~1の3段階に分けたそれぞれがその問題を正解した率
③無答率・・・調査対象者全員のうち何%がその問題を白紙にしたか

特に参考にしてほしいのが②のデータで、自分の評定平均や自分が受験する予定の高校で大体これぐらいの評定は必要だ、というようなものを考えて「3つのゾーンの中で自分はこのゾーンのデータを見ればいいのか」ということを決めてから見てほしいと思います。

③についても少し補足を。これは「白紙にして出した率」ですから、「答えを書いたけど間違えた」というものは省かれています(②で計算されています)。そこを間違えないようにしてください。

まずは、今回のエントリーでは国語についてご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府後期選抜 小問別正答率(国語)

ちなみに、2009年度入試(おととし)の小問別得点率や解説についてはこちらのエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②」でご紹介していますので、そちらも合わせて参考にして下さい。

大阪府教育委員会からはこの国語の入試問題について以下のような見解が出されています。

・文章を記述する設問においては、設問の意図を正しく読み取る力と、求められている内容を適切に表現する力が必要である。本文から必要な情報を取り出し、その内容を理解した上で与えられた条件にしたがって的確に表現する力を身に付けることが大切である。
・古文分野において、内容把握に関する記号選択問題は低い得点率であった。前後の文脈を丁寧に読み、場面を把握し、書かれている内容を正しく理解することが大切である。
・国語力は日常生活の中でも培われていくものである。普段からさまざまな文章に親しむとともに、構成を考えて文章を書く機会をもつことが大切である。

大問ごとに見ていきましょう。

大問一は「オノマトペ」のはたらきに関する文章を読み取る問題でした。特に得点率が低かったのが5番の内容把握・表現問題で、無答率(答えを書かなかった受験生の割合)も8.6%と、この大問の中で最も高くなっています。こういった問題が正解出来るようになると、他の受験生との大きな差が生まれてくるでしょう。

大問二は漢字の書き取り問題。同音異義語を文中で正しく使える力を見る問題が6問まとめて出題されています。どれも得点率は高くなっています。これらの問題は「出来て当たり前」と思うべきでしょう。

大問三は古文の問題です。どの問題も文章全体の構成や文脈を読み取って答えるものになっています。4問中3問で全体の得点率が低く、無答率も高くなっています。古典に触れている量が多いのとそうではないのとで得点率に差がつくでしょうから、日ごろから古典に親しんでおいて欲しいと思います。

大問四は心と脳に関する文章を読む問題で、唯一の記述問題での得点率の低さと無答率の高さ(国語の問題で一番高い)が目につきます。大阪府教育委員会は「限られた字数内でまとめきれていない解答が多い」と指摘しています。筆者の意見・考えを正確に読み取った上で、与えられた条件にしたがって表現する力を身につけるようにしましょう。

最後の大問五は作文です。今年は「最も好きな季節を1つ選び、その理由を自らの経験に照らして述べる力を見る」という問題でした。さすがに何か書かないと点がもらえない問題なので、無答率は低くなってはいます。ただ、誤字・脱字だけでなく、原稿用紙の使い方の誤りが見受けられたようです。まだまだあと1ヶ月で練習する時間はたくさんとれます。正しい原稿用紙の使い方を学び、間違いの無い字で無理なく文章を書けるように練習を重ねましょう。

次回のエントリーは社会についてご紹介します。