2011年度大阪府公立高 前期 最終出願状況

2011年2月22日

2月17日に出願が締め切られた大阪府公立高 前期選抜、その翌日には早速出願状況が新聞各紙にて紹介されておりました。前期選抜を明日に控え、改めて主要な高校の最終倍率を、昨年・一昨年の倍率と出願前の「第二回 進路希望調査結果」と合わせてご紹介します。

なお、昨年(2010年度入試)同時期の記事はこちらのエントリー「大阪府公立高校 前期 最終出願状況」でご確認いただけます。

まずは、主な学科/コース合計の倍率をご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

2011大阪府公立高前期 学科別倍率

注目されています文理学科は3倍を超え、高倍率となっています。ただ、この3倍という数字は大方の予想の範囲内で収まった形ではあるものの、10校それぞれでかなりの格差が出ています。その辺りについては後ほど学校別の倍率で考察することにします。

文理学科が新設されることで、これまで前期選抜を実施してきた学校・学科/コース、特に総合科学や国際文化を持つ各校にとっては手痛い倍率低下が予想されていましたが、意外にも倍率が上昇しています。

理数科については昨年から大手前高と天王寺高が外れ、東高と大阪市立高の2校のみとなっています。こちらのエントリー「大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果③」でもご紹介しましたとおり、大手前高と天王寺高の例年の高倍率が大きく影響していたこともあって理数科全体の倍率が大きく下がっています。

続いては文理学科10校それぞれの倍率です。進路希望調査結果と合わせてご確認下さい(画像をクリックすると拡大します)。

文理学科 倍率

倍率が一番高いのが四條畷高の3.87倍、逆に一番低いのが大手前高の2.16倍、実に1.71倍の差が出ました。

これまで理数科を持っていたという点から大手前高・天王寺高が人気を集めるものと思われてきましたが、両校とも低い倍率となっています。また、第一学区及び第四学区では「トップ校」として認知されている北野高・三国丘高も10校の中では低い倍率となりました。

これには受験生の「安全志向」があるものと考えられます。

北野高・大手前高・天王寺高・三国丘高の4校は各学区でのトップ校ですから、それらの学校の文理学科であれば誰がどう考えても「レベルは高くなる」「人気は高いだろう」と予想します。同じ文理学科を狙うのであれば、開設初年度の入試ということでこれまでのデータが無いこともあり、レベルや倍率的に手ごろになりそうな所を狙おう、と受験生が考えた結果が今回のこの倍率に表れています。

皮肉にも各学区トップ校文理学科の倍率は、10校の7~10位、つまり下位すべてを独占する結果となりました。

次は、理数・総合科学・国際文化です(画像をクリックすると拡大します)。

理数・総合科学・国際文化

冒頭でも触れましたが、文理学科新設によって割を食うだろうと予想されていた最右翼は、近くに茨木高・北野高があり、豊中高の文理学科とレベル的に似つかわしい位置にいる千里高でした。しかし、意外にも総合科学・国際文化の両方で倍率を上げて来ています。文理学科10校と並べても遜色ない大学進学実績などが評価されていることと、こちらもやはり「文理学科初年度はどんな倍率・レベルになるかわからないから、避けよう」といった安全志向の受験生が多数千里高に集まった、と予想できます。

続いては国際教養・単位制です(画像をクリックすると拡大します)。

国際教養・単位制

国際教養は全校で倍率アップしていますが、単位制は鳳高を除く3校が倍率を下げています。特に槻の木高は例年の2倍台という高すぎる倍率が嫌われたのでしょうか、0.23倍下げて1.8倍台に落ち着いています。

最後は総合学科です(画像をクリックすると拡大します)。

総合学科

総合学科は大きく下げているところがあったり、逆に大幅に倍率を上げているところがあったり、増減が激しくなっています。昨年の倍率が低かったところは今年は倍率アップ、逆に昨年高倍率だったところは今年敬遠されている、そんな傾向が見てとれます。

さて、明日に迫った大阪府公立高 前期選抜。倍率は以上のようになっていますが、今となってはこればかりは受験生がどう頑張っても変えようがありません。

(こんな記事を書いておいてこう言うのも何ですが)倍率の高い・低いにとらわれることなく、今まで学習してきたことを再度おさらいし、あいまいに把握しているという分野が無いようにして試験に臨みましょう。

受験生の皆さんのご健闘をお祈りしています。