常翔学園高 近年の躍進ぶりと今春入試結果

2011年6月13日

過日、当ブログではこちらのエントリー「常翔学園中 注目の入試結果」で今春新開校した常翔学園中の入試結果をご紹介しました。

ブログをご愛読いただいている方々より「常翔学園高の入試結果も紹介してほしい」というご要望をいただきましたので、ここ数年の常翔学園高の躍進ぶりについての簡単な振り返りも含め、今回は常翔学園高の2011年度入試結果及び来年の入試に向けての展望をお届けしたいと思います。

元々の校名を「大阪工業大学高」としていた同校は、今からもう約40年程前になる1972年には男女共学制に移行していましたが、その校名から「男子校」「工業高校」「大阪工業大学の附属校」「理系に特化されている」といったイメージが先行しており、女子の募集に苦しんでいたという過去があります。女子を集める為には校名変更が必要、と判断され、2008年4月に現在の校名である「常翔学園高」に変更されました。

この校名変更がきっかけで2008年度入試は前年度より172名の志願者増、しかもその増えた172名中女子が160名を占め、受験者における女子比率が従来の10%台を大きく上回る「29.8%」となり、「女子も集まる」学校へと変貌を遂げました。

同時に、当時の学校法人名であった「大阪工大摂南大学」も変更され、学校法人常翔学園へと改称されました。

校名変更の翌年となる2009年度より「総合コースの廃止」「普通と情報系進学の統合」「スーパーコースの新設」が実施され、現在のコースラインナップとなっています。

さて、今年2011年度入試は受験者数1950名・合格者数1919名・入学者数636名という結果になりました。約2000名もの受験者を集める私立高は中々ありません。

その受験者数ですが、2009年度1812名・2010年度1829名ということで近年増加傾向にあることがわかります。

また、3年ぶりに定員割れとなってしまった昨年の入学者数ですが、今年は定員を126名オーバーするほどの入学者数を迎えたということもあり、V字回復を実現されています。

ただ、順調なように見える今年の入試結果ではあるものの、細部を検証すると以下2点に問題点が見えるのも事実です。

①併願者数が20名減少している(ただし専願は141名増加)
②コース別に見るとスーパーの受験者数が昨年割れしている

先ほどご紹介した受験者全体における女子比率は今春32.8%。一昨年33.2%・昨年34.4%ということで、3割台をキープしています。先ほどご紹介しましたが、かつては女子比率が10%台ということで「男くさい共学校」だったことを考えると、女子からの支持が定着した感があるのは明白です。

ここまでご紹介したとおり、校名変更・コース変更以降は大変順調な入試を続けておられる常翔学園高ですが、来年の入試に向けて1つ困ったことが起こりつつあります。

人気がありすぎるため、合格に必要となるレベルが高くなりそうなのです。

開成教育グループ 入試対策課が予想をしてみますと、特進・薬学医療・文理進学の3コースについては併願で今年以上のレベルが必要になると思われます。その中でも特に薬学医療と文理進学については大きく人気を集めそうですから、専願での受験に切り替える方が安全でしょう。

なお、スーパーコースについては今年の入試で人気を下げたこともありますので、来年についても例年通りのレベルで合格出来そうな気配です。

これまでの常翔学園高の歩み、今年の入試結果と来年入試に向けての展望を簡単にご紹介してみましたが、ここ数年の驚異的な人気の様子をお分かりいただけたと思います。来年度入試に向けての受験校選びの参考として下さい。