大手前高 進学指導特色校としての取り組み

2010年2月12日

現在中学2年生の方たちが高校に進学する年(2011年)から、「進学指導特色校」として前期選抜によって府内全域から生徒を募集する「文理学科」が大阪府下に10校設置されます。その10校には、北野・豊中・茨木・大手前・四條畷・高津・天王寺・生野・三国丘・岸和田が選ばれています。

「『進学指導特色校10校連絡協議会』を設置し、対象校における教育課程、教育内容、教育方法等に関する検討状況を集約し、必要な情報の共有と活用を進めるとともに、10校間の連携・交流の推進を図る」ということが大阪府教育委員会発表の中間報告に盛り込まれています。2010年3月に「まとめ」を発表すべく、現在検討が進められているようですので、もう間もなく10校共通の取り組みが明らかになると思われます。

とはいえ、「入試科目は3教科か5教科のどちら?」という点も含めて「進学指導特色校」ならびに「文理学科」についての情報がこれまでほとんど出ておらず、現在中学2年生の方・保護者でこれらの高校・コースの受験を検討されている方にとっては非常にやきもきさせられる状況となっています。また、学習塾関係者の立場から言わせてもらうとすれば、「入試問題は各校が作成する」という案が出ている点についてはどうなっているのか?というのも非常に気になるところではあります。

今回何か新たな情報が得られるのではないだろうか?ということで去る2月6日(土)、ドーンセンターにて中学1・2年生対象で実施された大手前高の学校説明会に参加してきました。

大手前高 中1・2生向け説明会

今回のこの「進学指導特色校10校」ですが、10校すべてが全く同じ取り組みをするわけではありません。これら10校はこれまでの伝統・実績に加え、地理・校風・授業内容、細かいところでは制服までもが異なります。これら10校がこれまでの歴史・教育内容を活かしつつ、より進学に特化した高校となるようにさらなる工夫や改善を行うことが「進学指導特色校」の目的です。よって、10校の違いを知って確かな選択をすることが求められますので、受験生は注意が必要です。

では、進学指導特色校の指定及び文理学科の設置によって、大手前高はどのような取り組みを行うのでしょうか?説明会当日に配布された下の表がそれをわかりやすく図説しています(※クリックすると拡大します)。

大手前高 進学指導特色校のイメージ

今回の文理学科設置に関して、カリキュラム面では「理数科のものはすでにあるので、その文系対応型を作るのみ」であることを説明されていましたが、まさしくその通り、これまでの理数科並びにスーパーサイエンスハイスクールとしての取り組みが活かされたものとなっています。

なお、この文理学科、入学時点では一括して生徒募集を行いますが、入学後しばらくして小学科である「文科(人文社会国際系)」と「理科(理数探求系)」に分かれることになります。ただ、分ける時期やクラス数などは各校がそれぞれ定めることになっています。上の表を見ている限りでは、大手前高は2年進学時に文系・理系に分けられる予定になっているようです。

特に他校にない取り組みとしては、以下のようなものがこれまで実施されてきています。

「半期単位認定制による入試演習時間の確保」
「1年+0.5年+1.5年でのクラス分け」
「65分授業」

こういった取り組みに加えて理数科及びスーパーサイエンスハイスクールとしてのノウハウもベースとして、文系の上位生についてもさらに手厚い指導を行うべく体制を整える、それが今回の文理学科設置に対する大手前高のアプローチである、ということです。

他の9校についても詳しい内容の発表が待たれます。情報が入りましたら、このブログでご紹介してまいります。

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